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【seize the day#35】夏のお薦め美術展:ルーブル美術館の銅版画展
暑さに負けずに立秋を迎えました。
仕事柄、夏休みが長いですので授業準備や様々な勉強以外は あちらこちらに出没しています。
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八王子夢美術館に行きました
八王子駅から10分、八王子夢美術館をご存じでしょうか。
実は私は全く知らず、今回初めて行ったのですが確かにビルの2階にあるこじんまりとした美術館でした。吉祥寺美術館もそうですが、地域のこういった美術館がいい展覧会をしているのはとてもありがたいことです。
ルーブル美術館カルゴグラフィー日本初公開!
なんと今回の展覧会は、日本初公開だそうです。
ルーブル美術館にあるカルゴグラフィー室:銅版画とそのコレクションを原版とともに保存し、それをもとに版画を刷る場所です。ルーブルの貴重な名画を版画化する役割を担っています。
今回はこのコレクションの中から100点ほどの版画が展示されています。
カテゴリーとしては以下の並べ方になっています。
『モナ・リザ』も!
ルーブル宮殿に関する作品:ルイ=ピエール・バルタール他
ヴェルサイユ宮殿に関する作品:セバスティアン・ル・クレール中心に
ルネサンス:レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ・サンツィオ他
バロック/フランス:二コラ・プッサン/シャルル・ル・ブラン他
フランドル:アンソニー・ヴァン・ダイク/ピーテル・ルーベンス他
ロココ:二コラ・ランクレ/フランソワ・ブーシェ他
19世紀絵画
20世紀絵画
ボタニカルアート
![](https://assets.st-note.com/img/1723021756907-LoIfvJCwaV.jpg?width=1200)
チケットになっている『ルーブル旧館正面の眺め』が
とても美しい
銅版画は人の手で刷られている
銅版画がどのように人の手によって刷られているのか、入場前にじっくりとビデオを見ることができました。
原版がきちんと保存されていることも素晴らしいですが、職人のような人のてによって今も刷ることができることはありがたいことです。美しい物は長く長く人の心に記憶されていきます。
原版を保護しているニスを溶剤を使って取り除く
温めて焦がした油に黒・青・赤の染料と石鹸・テレピン油を混ぜてインクを作る。(工業用顔料は光に弱く版も痛めるので使用しない)
原版には鉄メッキが施されていて版の傷月つきを防いでいる。ローラーでたっぷりインクを塗り、奥までしみこませる。
皮のバレンでさらにしっかり溝の奥までインクを詰める。
インクつけのあと、寒冷紗の布を平らにして余分なインクをふき取る。
最後にチョークの粉をつけた手で版をこするようにして余分なインクを落とす。
可動式のプレス機の上に版を置き、湿らせた印刷紙をあわせて厚さの異なるマット、上下大きさの違う円筒で版の上をプレスしていって刷り上げる。
繊細な銅版画を虫眼鏡で鑑賞する
入場前に虫眼鏡が用意されているので、細かい部分を虫眼鏡で見ることもできました。離れて見ると濃淡のある美しい絵画ですが、近くで版の繊細さをじっくり見るのがまた素晴らしいです。彩色されているものも美しいし、むしろ色を付けなくても色として見えてくる銅版画を本当に美しいとおもいました。
展覧会の会期は9月1日まで
ルーブル美術館の銅版画展
八王子夢美術館にて
~9月1日
出かけてみてはいかがでしょうか
ルーブル美術館のカルコグラフィー室の存在