20240407 エースの矜持【福山シティFC】
MIKASA CUP 全広島サッカー選手権大会決勝大会兼天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会県代表決定戦 1回戦
vs 広島修道大学
@ツネイシフィールド Aコート
【はじめに】
桜満開のツネイシフィールド。
天皇杯の県代表決定戦1回戦は、広島修道大学との対戦となった。
広島修道大学は広島国際大学を3-2で下し、勝ち上がってきた。
昨年は準決勝で対戦した両者。その試合は高橋佳のゴールなどで5-0と福山シティFCが決勝へと駒を進めた。
また、今年の3月18日には両チームでトレーニングマッチを行い、高橋大のゴールで1-0で福山が勝利している。
【マッチレビュー】
試合が始まってシステムを確認してみると、両チームともに3バックでスタート。
広島修道大学の3-4-2-1で特徴的なのは、両ウイングバックのポジショニング。
どちらも守備時には5バックを形成するために下りてくるが、攻撃のときには右の60番近本が最前線まで上がり、左の10番尾野は大胆に中央に進出してくる。
対する福山シティFCは、これまでの試合と同様に黒宮や西原からロングパスを送り、サイドから攻撃の起点を作ろうとした。
前半7分、西原の縦パスを受けた大久保が上げたクロスを、高橋佳がヘディングシュートを放ち、攻撃の口火を切った。
勢いに乗った福山は、早くも前半14分に試合を動かす。
右サイドの徳永から中央へボールを送ると、高橋佳が左足でトラップ。これを右足でループシュートを放つと、ボールは美しい弧を描いてGKの上を越えゴールネットを揺らした。
エースストライカーのスキルフルなゴールで福山が一歩前に出た。
さらに25分、藤井とのパス交換で抜け出した高橋大が左足でクロスを入れると、これを徳永が決めて追加点。
公式戦5試合連続でゴール。ポジションはウイングバックながら、その役割はもはやストライカーだ。
その後も塚田や高橋佳らがゴールを狙うが、前半は2-0で折り返す。
後半10分、自陣ゴール前のパス回しから右サイドを抜け出した塚田がスルーパスを通し、それを受けた徳永がラストパス。大久保が楽々決めてリードを3点に広げた。
楽勝ムードが漂い始めたが、攻撃の手を緩めるどころかさらに加速していく。
高橋佳がDFからボールを奪い、そのまま自らループシュートで4点目。
激しいディフェンスを見せた角田からのスルーパスを大久保が決めて5-0。
4分間で電光石火の3ゴールと一気に勝利を手繰り寄せた。
ここから選手入れ替えながらさらなる得点を目指す。
後半23分、高橋大のクロスが相手DFの手に当たりPKの判定。これを自ら決めて背番号11にも得点が生まれた。
試合を締めくくったのはエースストライカー。
後半43分、野浜のクロスを二宮が折り返し、高橋佳がこの日3点目でハットトリックを達成した。
アディショナルタイムには、角田からのパスを押し込んで4点目。
最後は野浜からのスルーパスを受けて右足シュートでゴール。
試合は9-0で福山シティFCが圧勝。
ゲームの内容については、藤井によるメルマガも併せて参照していただきたい。チームの意図などにも触れられており、読みごたえがある。
今シーズンからNo.9を背負う高橋佳は1人で5ゴールと大爆発し、MOMを獲得。
どんな形でもゴールを奪え、ディフェンスも力を抜かないエースの存在は名実ともにチームの中心であり、相手にとって最大の脅威だろう。
たとえ勝った試合でも、自分が得点できなければ反省の弁を口にする謙虚なストライカーが、今年こそチームを昇格へと導く。
【採点・寸評】
GK 1 / 菊地 大輝 10.0
前半32分に修大FW西原のシュートをセーブするなど、クリーンシートでの勝利に大きく貢献。バックパスの処理もミスはなかった。
MF 30 / 澤田 健太 10.0
後方からのパスと機を見た攻め上がりで攻撃に厚みを加えた。藤井がピッチを去ったあとはキャプテンマークを左腕に巻いた。
DF 16 / 黒宮 渉 10.0
放り込まれるロングボールをヘディングで弾き返しまくって、空中戦の強さを見せつけた。体を投げ出しスライディングでボール奪取も。
DF 5 / 西原 広太 10.0
先週の試合で信頼を勝ち得たCBが連続スタメン出場。最終ラインから長短の縦パスを入れてゲームメイクを担った。
DF 3 / 徳永 椋太 (62分OUT) 10.0
3月のチーム月間MVPがこの試合もゴールを決めた。スピードを活かした突破から、アシストも2つ記録した。
MF 17 / 角田 薫平 10.0 MIP
フル出場で2アシストで大量得点に貢献しただけでなく、中盤のデュエルにも勝利し無失点の立役者にもなった。
MF 7 / 藤井 敦仁 (74分OUT) 10.0
修大のプレスがそれほど厳しくなかったため、アシストというよりそのひとつ前のパスを塚田や高橋大へ通しまくった。
MF 11 / 高橋 大樹 (84分OUT) 10.0
ディフェンスラインの裏へボールを引き出し、チャンスを創出した。果敢な仕掛けでPKをゲットするなど1ゴール1アシストの活躍。
MF 8 / 塚田 裕介 (74分OUT) 10.0
キレのあるドリブルと多彩なパスで攻撃を牽引した。得点こそなかったものの積極的にシュートを放ち、ゴールに迫った。
FW 29 / 大久保 龍一 (74分OUT) 10.0
複数得点を記録し量産体制に入った。左サイドを中心にチャンスメイクもこなし、充実のシーズンを迎えている。
FW 9 / 高橋 佳 10.0 MOM
衝撃のハイパフォーマンスでMOMに選出された。これだけのストライカーを地域リーグで見られることに喜びを感じる。
交代出場
MF 18 / 桝田 凌我 (62分IN) 10.0
右サイドでドリブルを武器に相手を圧倒した。独特なリズムでDFをぶち抜いていく。ジョーカーとして大きな役割を果たした。
MF 26 / 野浜 友哉 (74分IN) 10.0
出れば必ず得点に絡む22歳はこの日も高橋佳のゴールをアシスト。正確なサイドチェンジから二宮のシュートを導く場面も。
MF 4 / 田路 耀介 (74分IN) 10.0
この日はCBではなくボランチで攻守に渡ってチームに貢献。自身のYouTubeチャンネルでこの日の動画を公開している。
FW 23 / 吉井 佑将 (74分IN) 10.0
ディフェンス面での貢献度も高く、修大に流れを渡さなかった。相手のファストブレイクを猛烈なプレスバックで阻止。
DF 2 / 二宮 和輝 (74分IN) 10.0
短い出場時間でアシストを記録。復帰後、順調に出場機会を重ねている。果敢にシュートを放ち、得点への意欲も見せた。
監督
森 亮太 10.0
調子のいい選手を起用し、チームに勢いをもたらした。交代で入った選手たちもそれぞれ持ち味を発揮し、競争が激しくなってきた。
【おわりに】
他会場では昨年の覇者SRC広島が広島経済大学に敗れた。
ベスト4は福山と広経大のほかに、広島大学と広島文化学園大学の4チーム。福山シティFC以外は大学チームという顔ぶれとなった。
次戦は対広島大学。
去年の悔しさを晴らす戦いが続く。
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