20240414 踏み出した第一歩 【スフィーダ備後府中FC】
2024 中国女子サッカーリーグ 第1節
vs Solfiore FC作陽
@作陽グリーンスクエア
【はじめに】
中国女子サッカーリーグは、なでしこリーグ2部への昇格を目指す中国地方の10チームによるリーグ戦。
昨シーズン8位のスフィーダ備後府中FCは、敵地・作陽グリーンスクエアで開幕戦を迎えた。
開幕戦の対戦相手、Solfiore FC作陽は昨シーズン5位。2018年に作陽学園高等学校女子サッカー部の連携チームとして発足し、倉敷を拠点に活動している。
2023年のこのカードは、4-2でSolfiore FC作陽が勝利している。
【マッチレビュー】
両チームともに中盤をフラットにした4-4-2でスタート。
スフィーダは中盤のデュエルで勝利し、そこからサイドに展開して序盤の主導権を握った。
前半6分、#16太田が左足でミドルシュート。豪快な一撃がゴールに突き刺さりスフィーダが先制。
さらにその5分後には、左サイドバックの#3山口が相手DF2人をかわしてクロス。これを#15壇上が左足で合わせるも、シュートはゴール上へ外れた。
その後も#15壇上の直接FKや#17田邊のヘディングシュートで追加点を狙うが、ゴールネットを揺らすには至らず。
すると22分の飲水タイムを境に、ソルフィオーレへと流れが傾いていく。
テクニックに秀でたホームチームがボールを握る時間が増え、体力の落ちたアウェイチームのゴールに迫る機会が増えた。
前半24分、ソルフィオーレの#14高木が左足でスフィーダ DFラインの裏へパスを送ると、これを受けた#17阪井がキーパーかわしてゴール。試合は振り出しに戻った。
追いつかれたスフィーダも反撃の姿勢を見せ、30分には相手のミスをついた#16太田がシュートを放つが、ボールはゴール左へ逸れた。
さらに前半終了間際にCKから立て続けにチャンスを作ったが、相手の強固なディフェンスを打ち破るには至らなかった。
後半に入ると、#10中村に代えて#14平本を投入。#16太田がボランチに移動し、#14平本は左サイドハーフに入った。
後半開始早々、ホームチームのゴラッソが決まってしまう。
ソルフィオーレ#3藤井が長距離FKを直接決めてスコアを2-1に。
スフィーダの先制点もそうだったが、女子サッカーではGKの身長の問題もあり、ロングシュートが比較的入りやすい印象だ。
同点に追いつきたいサックスブルーは、FW#17田邊に代えて#19森上をピッチに送り込んだ。
さらに#15壇上から#6堀に交代。#11蓮井を一列前に上げて、#6堀は右サイドバックに入った。
すると2分後、#7村上奈が後方からのパスに反応して走り込んだが、相手GKと接触してしまいファールの判定。
その直後には相手ボールを奪った#6堀が#4松岡へパスを送ると、ボールを受けた#4松岡はヒールでゴール前の#19森上へ。しかしシュートを打ちきれず同点ゴールは生まれない。
決めきれずにいると、次の1点は作陽に。
ゴール前でパスを受けたソルフィオーレ#8西田に右足で決められ3失点目。
スフィーダのベンチも#9松島と#18東野を両サイドに投入して食い下がったがゴールは遠く、試合はこのまま3-1でSolfiore FC作陽の勝利となった。
スフィーダとしては試合の入りはよかっただけに悔しい敗戦となった。
疲労が増すにつれてプレーの精度が落ちてしまうので、前線でもう少しキープして自分たちの時間を増やしたいところだ。
気になった選手を挙げると、まずは先制ゴールを決めた#16太田。
テクニックがありフィジカルも優れているレフティで、サイドでも中央でも際立った働きを見せた。
左サイドバックとしてフル出場した#3山口も好印象だった。
タイミングのいいオーバーラップで攻撃に厚みを加え、守備でも奮闘。センスを感じさせるプレーを連発した。
そしてキャプテンの#7村上奈。
圧倒的な運動量でピッチのさまざまな場面に顔を出した。途中からポジションを中盤に下げたが、小柄な体格でも果敢にデュエルに挑むメンタルの強さも見せた。
【おわりに】
スフィーダ備後府中FCの試合を見るのはこれで3回目。試合自体は勝ち負けに関わらず、毎回楽しい経験だ。
困るのは情報の発信が少ないこと。
仕方のないことだとはわかっているが、もう少しクラブからの情報発信があるともっと楽しくなるのではないか。
サッカー協会のサイトで公式記録を確認して選手名を確認することができたが、クラブの公式サイトに#16太田の選手の名前が見当たらなかった。
スフィーダに限らず、他のチームも少なくとも選手の名前が確認できるくらいにはなっておいてほしい。
備後地域において福山シティFCだけでなく、スフィーダ備後府中FCも盛り上がってさらにサッカー熱が高まっていくことを期待したい。