20240428 成長の証【福山シティFC】
中国サッカーリーグ第3節
vs 廿日市FC
@エヴォルヴィンフットボール フィールド
【はじめに】
汗ばむほどの陽気に包まれたエヴォルヴィンフットボールフィールド。
福山シティFCは中国サッカーリーグ(CSL)開幕3連勝を目指して、ホームに廿日市FCを迎えた。
昨年の両チームの対戦はホーム・アウェーともに1-0で福山の勝利。全勝優勝を果たした福山だが2試合とも苦戦しており、相性の悪い相手と言えるかもしれない。
廿日市FCもここまで開幕2連勝。FCバレイン下関、三菱自動車水島FCといった強豪を下して福山に乗り込んできた。
激戦は必至だ。
【マッチレビュー】
福山シティFCはNTN岡山戦で退場となった黒宮が出場停止のため、平松を3CBの真ん中に起用。
一方の廿日市は4-4-2で、2トップの#18原紺と#25清木を中心に高い位置からプレスをかけていく。
開始早々、圧力を受けたボランチとGKの連携ミスからピンチを迎えるが、ここは菊地がギリギリで抑えた。
アウェーの「ハツエフ」は球際の激しさで福山のパスワークを寸断してきたが、昨季のチャンピオンチームもセンターバックからのロングフィードや素早いパス回しで相手DFを攻略にかかる。
それが結実したのは前半8分。
西原からパスを受けた若宮が、吉井とパス交換のあとスピードに乗ったドリブルでエリア内に侵入する。たまらず廿日市の#5前川が倒してしまいファール。
ここで得たPKを若宮が自ら決めてホームチームが一歩前にでた。
前半17分には、吉井からのパスを受けた野浜がワンタッチで落とすと藤井がシュート。一度はDFに阻まれたが、こぼれ球を野浜が蹴り込んで貴重な追加点をゲット。
ここから福山の攻撃がさらに加速する。
21分、西原の左CKを角田がニアでフリックすると、ファーで待ち構える吉井が右足を振り抜きゴール。
30分にもCKの流れから、藤井からパスを受けた若宮が相手DFをかわして中央へ左足でグラウンダーのクロス。これを澤田が左足で押し込んで4点目。
さらにその直後、若宮のクロスを徳永が頭で折り返すと、ボールは廿日市のGK#21 倉本の上をふわりと越え、ファーで待ち構える高橋佳が頭で楽々決めて5-0。
これ以上の失点を避けたい廿日市FCは、前半のうちに#15村田と#20小山をピッチに送り込む。
前半は予想外の大量リードで終了。
廿日市は、後半開始から#10森本を投入。後半の福山を最も苦しめたのはこの背番号10だった。
キレのあるドリブルでボールを前方に運び、左右両足でパスをさばく21歳がスタメンで出ていれば、もう少し違った展開になっていたかもしれない。
しかし、福山ペースであることは変わらない。
後半13分、野浜が澤田から縦パスを受けると角田とワンツー。最後は個人技でDFをかわして冷静に左足シュート。
ここで廿日市も意地を見せる。
福山のボランチからセンターバックへのパスが弱くなったところを森本が寄せ、ルーズボールを#26疋田が拾ってそのまま左足でシュート。
1点を返すことに成功した。
それでも福山シティFCは30分、塚田が左サイドへ展開。若宮から西原へボールを下げると、西原が左足でクロス。相手DFのクリアミスを桝田が押し込んで再び流れを手繰り寄せた。
最後は塚田のCKから平松がヘディングでゴールネットを揺らす。この日ディフェンスに奮闘した平松のゴールで試合を締めくくった。
1失点はしたものの、大量得点での勝利で3連勝を飾った。
去年苦しめられた相手に8ゴールで勝利できたことで、自分たちの成長を明確に実感できる試合となった。
特にセットプレーで狙った形からゴールが生まれたのは、強力な武器を増やすのに成功したと言える。
CKからニアで1人がフリックしてそれをファーで合わせるというのは、途中から廿日市側もわかっていたはずなのに防げずにいた。
さらに、ゲーム内で状況に応じた戦い方ができたことも収穫のひとつだろう。
序盤は相手のプレスに苦しむ場面もあったが、ダブルボランチを縦関係にして、吉井と野浜のインサイドハーフがボールを受けに下がる形にすることで後方からのパスを上手く引き出した。
大量リードの油断からか、失点してしまったことはもちろん反省材料だ。しかし、それすらも成長につなげてくれそうなチームが今年の福山シティFCなのだ。
【採点・寸評】
GK 1 / 菊地 大輝 10.0
立ち上がりのピンチを凌ぐと、その後は安定したプレーで最少失点に抑えた。失点の場面はGKにとってはノーチャンスだった。
MF 30 / 澤田 健太 10.0
ミステルが絶大な信頼を置くCBが1ゴールを記録。ボールを失わない技術と献身的なオーバーラップを見せフル出場が続く。
DF 15 / 平松 遼太郎 10.0
黒宮の出場停止で訪れたチャンスをものにした。対人の強さと落ち着いたパス回しで存在感を示した。空中戦の強さでゴールも。
DF 5 / 西原 広太 10.0
美しいフォームから放たれるロングフィードでチャンスを作った。また冷静な判断で自らボールを運んで相手DF陣を混乱させた。
DF 3 / 徳永 椋太 (55分OUT) 10.0
右サイドで幅を取り攻守に躍動した。縦に鋭く突破を図りクロスを放った。ヘディングで高橋佳のゴールをアシストし得点にも絡んだ。
MF 17 / 角田 薫平 (87分OUT) 10.0
常に良い姿勢でボールを受け、視野の広さを活かして好パスを送った。中盤でリズムを作り大量得点に大きく貢献した。
MF 7 / 藤井 敦仁 (87分OUT) 10.0
ディフェンス面で鋭い読みからインターセプトで華麗にボールを奪ったかと思えば、激しいデュエルでも負けない強さを見せた。
MF 28 / 若宮 健人 10.0 MOM
スピードに乗ったドリブルでPKを誘発すると自ら決めて貴重な先制点を決めた。その後も左の攻撃の中心として役割を果たした。
MF 26 / 野浜 友哉 10.0 MIP
抜群の得点感覚で2ゴール。攻撃におけるすべての能力が高水準。試合終盤にはボランチをこなすなど器用さも持ちわせる。
FW 23 / 吉井 佑将 (75分OUT) 10.0
低い位置でボールを受け、複数のDFに囲まれながらもドリブルで剥がしていった。得点の場面もシュート技術の高さを見せつけた。
FW 9 / 高橋 佳 (75分OUT) 10.0
ストライカーとして1点では本人も満足していないかもしれないが、前線からのプレスや周りを生かすプレーでチームに貢献した。
途中出場
MF 18 / 桝田 凌我 (55分IN) 10.0
右サイドから何度もドリブル突破を図った。逆サイドからのクロスに大外から飛び込んで福山での初ゴールを奪った。
FW 29 / 大久保 龍一 (75分IN) 10.0
この日は1トップで出場。相手DFラインの裏へパスを呼び込んだり、前線でボールを収め味方の攻め上がりを促した。
MF 8 / 塚田 裕介 (75分IN) 10.0
自慢の左足から繰り出される長短のパスで好機を創出。CKから正確なボールを供給し、平松のゴールをアシスト。
MF 4 / 田路 耀介 (87分IN) 10.0
野浜とのコンビでボランチに入った。プレー機会は多くなかったものの、テンポの良いパス回しで試合を締めくくるのに貢献した。
MF 33 / 杉浦 力斗 (87分IN) 10.0
左ウイングバックで途中出場。後半アディショナルタイムに相手が攻勢に来る中、ファールを誘いペースを握り返した。
監督
森 亮太 10.0
去年は2試合とも苦戦した相手に8得点で大勝。黒宮を欠く試合でも平松を自信を持って送り出し選手層の厚さを見せつけた。
【おわりに】
語るべきことの多い試合だったので、藤井のメルマガもぜひ読んで情報を補完してほしい。
さらに福山シティFCのコールリーダーのYouTubeチャンネルも必見だ。
次は全社へ向けた戦い。
同じCSL所属のチーム相手に不覚をとるわけにはいかない。