【短編】音の三部作「ワイングラス」
床に落ちたワイングラスは音をたてて砕け散り、辺りにグラスの破片とワインが飛び散った…。グラスの砕ける音を聞いた瞬間、俺の脳裏にはあの苦い思い出が蘇っていた。
大学に入学した俺はすぐに、テニスサークルに入った。
そこで、同学年で歳も一緒だった彼女と出会い、すぐに好きになってしまったんだ。我慢なんて言葉を知らなかった俺は、すぐに強引なプッシュをして、粘りに粘って口説き落とし彼女と付き合う事になった。嬉しさのあまり浮かれてはしゃぎまくっていた事を懐かしさと共に、今でもはっきりと