建築家ヤン・ゲールによる歩行者のための街
ヤン・ゲールのプロフィール
ヤン・ゲール (Jan Gehl、1936-) は、デンマーク・コペンハーゲン生まれの建築家です。デンマーク王立芸術大学建築学部の出身で、デンマークの歩行者志向の都市デザインは、彼の功績の一つです。
歩行者や自転車のための都市計画によって、公共空間のアクティビティを生み出そうことに焦点を当てています。
自動車文化の発展
米国の雑誌記者・作家だったジェイン・ジェイコブズが1961年に発表した、『アメリカ大都市の死と生』では、自動車交通の急増によって、都市空間と都市生活は破壊されると言及し、大きな反響を呼びました。
コペンハーゲンは1960年代初頭、ヨーロッパの都市で最初にこの問題に気付き、都市の自動車交通と駐車場の削減を始めました。
ストロイエ
ストロイエ(Strøget)はコペンハーゲンにある全長約1.1 kmの歩行者専用通りです。
オープンカフェが立ち並び、通りは歩行者で賑わっています。
歩行者のための街
近年、「ウォーカブル」「ウォーカブルシティ」という言葉で歩行者のための街デザイン、都市計画が注目を集めています。
ちなみに2024年に、世界のウォーカブルな都市(歩きやすい都市)トップ10が発表されました。日本の東京は6位にランクインしています。他の9都市がすべてヨーロッパの都市であり、ヨーロッパ以外では、東京が唯一のランクインです。
1. ミュンヘン(ドイツ)
2. ミラノ(イタリア)
3. ワルシャワ(ポーランド)
4. ヘルシンキ(フィンランド)
5. パリ(フランス)
6. 東京(日本)
7. マドリード(スペイン)
8. オスロ(ノルウェー)
9. コペンハーゲン(デンマーク)
10. アムステルダム(オランダ)
街のアクティビティ
ヤン・ゲールは、活動の水準は出来事の数と持続時間の積で表されると主張しました。
このことから、交通がゆっくりしていると街が生き生きするのです。たとえ人口が減少していても、多くの移動が徒歩で行われれば、自然発生的な滞留が多くみられ、高い水準の活動を維持することができます。
対照的に、自動車中心の都市では、たとえ人口が多くても、交通が高速で、滞留する人がほとんどいません。
また、『人間の街』の中で、歩行者景観に関する12の質的基準についても言及しています。
ヤン・ゲールの著書
本記事を書く上で参考にしたヤン・ゲール氏の名著2冊です。
まだまだ書ききれていないことも多いので、近いうちに第2弾も書こうと思っています!
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