「能作」が企業であり観光地であるということ
こんにちは。Kiwi PR合同会社の植田聡子です。
先日出張で訪れた富山県高岡市は「ものづくりのまち」として知られています。
その中でも最も有名な企業として挙げられるのは「能作」です。
伝統工芸「鋳物」製造、錫100%の品々はご覧になったことがあるのでは?
神楽坂の家に何があるかなと探してみたら、ざっとこのくらい。他にもおちょこや箸置きなどもあります。
下請けだった能作が自社製品を開発し、百貨店や海外に販路開拓できたこと。
封建的な問屋制度、衰退する伝統産業から脱却し、地域の同業者と手を取り合って共存共栄の道を選ぶ、エコシステムの導入。
平均年齢32歳の若い会社であること。
なぜ能作がこんなに成功事例として取り上げられるのか、のヒントは、前社長と現社長の著書にて記されていました。
私は、新高岡駅からタクシーで3,000円以上はかかる、決して便がいいとは言えない立地にも関わらず、平日だというのに、見学者が多くいたことに着目しました。見学者が年間12万人!
これはかなりの集客力ですよね。
産業観光の目的は「子どもたちに地域の素晴らしさを知ってもらうこと」。
企業、製品のPRや、周辺地域との交流、ものづくりの重要性の訴求、「体験型」観光の提供。だから、入館料などは取っていません。
目先のお金に捉われるタイプならセコく入館料でも取りそうなのですが、さすが能作。鋳物製作体験やショップ、カフェなどが充実していて、人々を楽しませるキャッシュポイントがいくつか。みんなすっかりファンになっているので、喜んでそこでお金を落とすわけです。
うーん。やっぱり企業の姿勢って経営者の器なんですよね。
観光も「自分たちの一人勝ち」で儲けようとしても絶対うまくいかない。地域で手を取り合って、一緒に地域の魅力を磨き上げていくことが重要。
工場見学のヒントがいくつもある会社ですので、「観光のついで」ではなく、「能作見学を観光目的に」する価値が充分ある場所だとオススメします。
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