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はじめての商標登録、自分でやってみた
こんにちは。Kiwi PR合同会社の植田聡子です。
会社の設立は司法書士さん、税務のことは税理士さん、訴訟対応や契約書のチェックは弁護士さん、など士業の方には今までビジネスでお世話になってきました。
そして本日、私が初トライしたのは商標登録の申請です。
やったことある方には「そんな簡単なこと・・・」とお思いかもしれませんが、なにぶん初の試みですので、大目に見ていただけたら幸いです。
商標登録、過去の経験
とある事業の名称を決める際、他の名称の権利侵害にならないかを調査した経験はあります。おぼろげな知識ではありますが、国内、国外でまた権利の範囲も異なること、区分がいくつもあること、などはその時、学んだものです。
商標登録の申請については、特許や意匠登録などと同様に弁理士さんに頼まねばならぬ、と思っていました。士業の方にお願いすると、費用はかかりますが、確実です。
でも、とはいえ、私も元公務員。役所に提出するものならできることは自分でやってみたいなぁ、という思いもふつふつ。
だって、商標登録って「全然難しそうではない気がしたから」。
→これはシンプルな申請の場合。区分が複数や定義が困難な場合は話は別!
まずは日本弁理士会で無料相談
日本弁理士会は無料の知的財産相談室を常設しています。
特許・実用新案・意匠・商標の出願手続、調査、鑑定、異議申立、訴訟、 諸外国の制度や知的財産権全般について弁理士さんが無料で相談に応じてくださるのです。
た・だ・し!
コロナ禍において、休業したり、電話対応のみだったり、各支部によってずいぶんと対応が異なります。関東支部は全滅で予約取れませんでした。よって、一人でネットを見ながらの作業となりました。
こちらのPDFをまず一読。
次に類似する商標がないか調査する
次に、特許庁のJ-PlatPatという無料の検索サイトへ。
ここで商標をGoogleのようにキーワードで検索してみると、同一商標がないか、ある場合、誰がいつどんな区分で登録しているのかがわかります。
例えばKiwi PRで検索すると、こんな感じです。
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商標が文字のみの場合、ロゴ(商標見本)も含めての申請の場合、などのパターンがあります。
上記については全て存続する商標のみが記載されていますが、時には「審査中」の内容の商標登録願も見受けられます。その場合、「拒絶理由通知書」→「手続補正書」→「意見書」などの内容も閲覧可能です。これが非常に参考になります!
商標の類否は、外観〈見た目〉、称呼〈読み方〉、観念〈意味合い〉のそれぞれの要素を総合的に考察して判断されますから、J-PlatPat上、類似の商標がないと思ったとしても、実際の審査においては類似の商標があると判断される場合もあるようです。
どんな理由で「拒絶」という審査になるのか、事前に理解してから申請すると、少しは対策も可能です。
いざ登録願!
ミスのないように記載します。特に区分。ここに妥当性が必要です。
商標を既に使用している(その商標で商売しているとか、Webサイトで使用しているとか)場合、商標の早期審査も検討可能です。早期審査とは、一定の条件を満たせば、商標の審査期間が短くなる制度で通常1年以上かかる審査期間が約2か月になるというもの。
私の場合、新事業の名称案なので、こちらには該当せず。ということで、1年審査がかかるということになります。長っ!
いくらかかるの?
商標登録願には登録時に費用がかかります。これが「特許印紙」という独特の印紙となるのが要注意。普通の収入印紙ではありません。郵便局で売っているということですが、小さい郵便局だと在庫がない可能性もあり、事前に電話してから行った方がよいです。
ちなみに費用はいかほどかというと・・・
出願手数料は、[3,400円+(区分の数×8,600円)]となります。
私の場合、1登録1区分なので、12,000円かかりました。
そして、私は初めてのことなので、ダウンロードした様式に打ち込んでプリントアウトし、特許庁に持ち込んだため、電子化手数料も別途必要になります。
1,200円+(700円×提出書類の枚数)
これは後日納付書が送られてくるとのことです。
特許庁までは電車ですぐ、ということなので、郵送(簡易書留)より安価だし、何より直接行って色々知りたい好奇心もあって、溜池山王から歩きました。
虎ノ門ヒルズに勤めていた頃、よく通った道。日本財団さんの目の前にあるのが特許庁。特許庁審査業務部出願課国内出願受付というところは2階にあります。
記載に誤りがある部分、例えば私の場合、初申請なので識別番号という欄は空欄にしましたが、そもそも欄が不要だとかその程度の軽微な内容ですが、修正していただきました。そんなこんなも担当の方が優しく指導してくれます。
「受領印が押印されたものが欲しいですか」と言われたので、ついハイと言ったら、特許庁のようで特許庁でない財団のカウンターを案内されます。
カウンターで1枚32円コピー代をお支払い。警察で免許更新するときの、写真撮影のような関係性?役所ならではですね。
ここから審査
まず最初の1週間で先程の電子化手数料の納付書が届き、3週間後に出願番号(申請単位で一つ)と識別番号(ユーザー単位)が付与され、ハガキで通知となります。
さあ、ここから1年くらいかかるそうです。どうなるかな。全くわかりませんが、まあ勉強代ですね。
そして、晴れて「登録してよいよ」となると、次は商標権の設定登録です。
設定にもまたお金がかかります。
1区分ならば28,200円で、3区分ならば84,600円。これが10年分。5年でいいよ、という場合、16,400円。5年で登録してまた5年延長となると、10年一括で支払うより割高になりますね。
余談ですが
役所に行くと、入館手続きして警備の担当の方がいらっしゃいますよね。特許庁の警備の方はすごく親切で、私が1階から2階の登録窓口までずっと案内してくれました。
きっと「初めて」感が出てたのでしょうね、私・・・
そして「荷物になるでしょうが、よかったら・・・」と勧められた冊子。特許庁発行の「出願の手続」というタイトル、なんと700ページにも及ぶ大作です。
「え?これ無料ですか?(こんな分厚いもの?)」と聞いたら、多分さらに「この人、この冊子を欲しいのだ」と思われたようで・・・結果重たかったけど、せっかくなのでいただいてきました。少し勉強しましょうってことかしらね。
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