【テイルズ オブ】シリーズ歴代名シーンイラスト化アンケートに答えたか? 俺はもう選んだんだぜ
どんな作品にも光は存在する。
あるいは幼少期だからこそ出会えた光。
あるいは大人だからこそ見えた光。
そのどちらも慈しまれるべきもの。
だからこそ「歴代名シーン」という言葉に重みは宿る。
歴代だぞ。歴代。
全シリーズひっくるめて各作品ごとに上位を書き下ろしイラストだと言うのだ。
よくある人気シリーズが上位を蹂躙してマイナーシリーズが泣きを見るタイプのものではない。
各作品ごとの名シーンに書き下ろしイラストが出るという認識で間違いはない。これは救いに他ならない。
私はどちらかというとメジャー寄りのテイルズ作品好きなので好き同士で枠を食い合わないという事実が喜ばしい。
前置きはもう必要ない。
私の人生へ特に傷跡を残して久しい作品の投票先をピックアップをする。
さあ両手広げあの雲を超えて始めるぞ。
二度と会えないなら 言うよ
やはり男たちの戦いとはこうでなくてはならない。
ファンタジアはシンプルなハードさの中に輝く純粋な人の光が本当に眩い。
甘えられる存在がいない、帰る場所がない。
この2つを満たすハードな始まりは実に美しい。
なぜならばこのように過酷な状況に合っても挫けない、戦う人たちの心の光で満ち溢れるから。
特にクレスという主人公は本当に純然たる光主人公なのでこの手のハードな展開が映える。
基本的に彼は挫けないしどちらかというと仲間を励ます側なので。
こういった光の男は令和にあってかなり好感を持つ世界となってきている。
ファンタジアといえばダオスという正当性のある悪役の話が上がりがちだ。
たった一人で母星のために戦うダークヒーローに相対するは仲間と共に戦うヒーローでなくてはならない。
向こうに護るべき世界があるようにクレスたちには守るべき世界がある。だから戦うしかないのだと。
何よりも冒頭、始まりの場面としてあまりにも燃えすぎるだろうが。
復讐のために旅に出て、護るべきもののために魔王を伐つ。
この王道ファンタジーが最高なのだ。
ちなみにファンタジアで一番好きなシーンはクレスがすずちゃんの両親に負けてすずちゃんが自分の手で両親を殺すところ。
忍者ですから。11歳に親殺しの罪を背負わせられるのが一番気持ち良いから。
ぜひここをイラスト化して欲しかったが難しいであろう。
夢であるように
流石にリオン。俺はリオン。
キッズの頃に【テニスの王子様】の越前リョーマみたいな爆裂顔面の良い生意気な王子様がかっこよくてかっこよくて今に至っても大好きなのだから。
そんな人間がリオンを好きじゃないわけがない。
昔はゾンビリオンのほうが展開として悲しくてやりきれないのが悲劇の男でかっこいいから好きだった。
だが今となってはPS2の展開も好きだと言える。
D2におけるジューダスの絶妙な立ち位置があるから。
スタンの息子であるカイルを仲間として導くあのポジションがあることが大きい。あの位置をどう解釈するかにより全ては変わる。
私はD2におけるジューダスの扱い、存在の立ち位置をリオンに与えられた贖罪の機会であると解釈している。
デスティニーにおいてスタン達を裏切り、戦い、死に別れになったリオンを救うものがD2である。
この解釈だとデスティニー時点で「僕を殺せ」と言わせるのは些か早計になる。
なのでPS2版のこの無常感溢れる別れこそが染み渡る。最後の最後に姉弟としての話もできたし仲間もできた。そんな中で救われない、このやりきれない別れは裏切りの罪による罰である。
リオンが「過去を断ち切る」機会を与えられるという点でリメイクデスティニーの演出はD2に繋がる非常に良い光だと言える。
静かに別れを告げるリオンと最後まで諦められず叫ぶスタンとの対比もまた光っている。
OPの雨に濡れながら振り返るリオンを思えばこの押し寄せる水を受け入れて上に登り行く仲間を見上げる。という構図も意識しているのだろうなと感じざるを得ない。
【罪を流して欲しかった】という歌詞もまたここにかかっている。
本当にリオンは救われない男である。
だからこそジューダスになれたこと、それは光だったのだろうといえる。
私はリオンに拗らせた過去を断ち切れないので早くこの場面のイラストに抱かれて眠りたい。
君が自分で歩んだ軌跡も確かなものにきっとなる
分かるか? お前に。
優しくて可愛い幼なじみが世界救済と引き換えに人間でなくなっていく気持ちが。
ずっと一緒にいたのに人間じゃなくなっていくことを隠される気持ちが。
同じように、隠す方の気持ちもだ。
どれほど恐ろしいのだろうか、自分が人間でなくなっていく感覚とは。
必死に取り繕う気持ちはどれほど苦しいのか。
ここにある2人の感情は悲観ではない。
だからこそ真の美しさが宿る。
コレットの本心を聞くためにあえて嘘をついたロイド。それは嘘をついてきたコレットと同じステージに行ってあげたのだと解釈すべきだ。
結局、コレットは人間でなくなっていくと覚悟していた上で天使化の旅を続けるしロイドもそれに着いていく。
「君と響き合う」世界に相応しい美しい展開でしかない。
だからこそ稀代の神曲【Starry Heavens】が胸に染み渡るのだ。
世界を救おうとするコレットと支えるロイド。
同じ星空の下でその関係は揺るがないということが証明されるこのシーンにかかっている歌詞の熱さが全身に浸透する。
【涙こらえて見送った】はmisono流解釈であるが実に等身大の解釈であると感心する。
悲しくないはずがないのだ。ロイドが。
幼なじみが人間でなくなっていく旅を支えると決める心が苦しくないはずがない。
だけど涙を堪えられる点にロイドという男の真意は宿る。だからシンフォニアはこんなにも美しいんじゃないか。
meaning of birth
アビスやったオタクでこれ選ばないは流石に逆張り。
ルークとアッシュの戦い。
絶対にして偉大なる神曲【カルマ】と【meaning of birth】の素晴らしさに関してはもうなんの言葉も出ない。これやられたらもう俺の負けだよと。
【カルマ】の歌詞は最初から最後まで余すとこなくルークとアッシュの戦いの全てが綴られている。
【カルマ】そのままを流すのではなくオーケストラアレンジを施すことで歌詞を脳内で再生させ、そこから全ての歌詞はこのバトルへ繋がっていたのかと分からせるあの演出。
これは本当にシリーズでも唯一無二の演出であり流石に最強と言わざるを得ない。
「過去を奪われた男」と「奪われる過去のない男」との戦いで流れる曲の冒頭歌詞が【ガラス玉一つ落とされた 追いかけてもう一つ落っこちた】なのはあまりにも運命の悲劇と呼ぶに相応しすぎる。
やはりアッシュとの直接対決というシナリオ上最も盛り上がる場面にいまだ語り継がれる最強の演出が合わさったこの場面が流石に最強だ。
君に背を向けて久しく 満点の星空が寂しい
テイルズで一番好きな言葉はなにか。
今、そう聞かれたら即答する。
「選ぶんじゃねえ。もう選んだんだよ」
ダークヒーロースターターパックとしてあまりにも全てが詰め込まれすぎている。これ本当にかっこいい。
ユーリとフレンの正義感の話はストーリーの大きな問題的にはあまり絡んでこない。最終的には私刑で人を殺してきたユーリに罰もおりない。
作品として大きな目で見たら賛否ある要素ではある。
それはそれとして黙らされるだけのありえないかっこよさがある。これが本質。
脳に直接ガンドコ震える厨二エナジーが注ぎ込まれる。
私刑で人を殺す。人殺しであり罪人という汚名を被ってでも自分の正義を信じて救える人を救いたい。
今、法で救えないから諦めて死んでくれとは絶対に言えないし言いたくない。
汚名を被ってでもそう生きる道を選ぶ、ではない。
もう選んでいる。
フレンが問いかける前から、もう選んでいた。
行き当たりばったりで戦って救っていたのではない。
罪人になるという覚悟を持ってその道を選んでいた。
フレンは「まだ引き返せる」と思っていた。
ユーリは「引き返す」という選択肢を捨てていた。
フレンとユーリの間にはもうこれだけ大きな溝が生まれていた。
「もう選んだんだよ」という一言から全て見て取れる。
ユーリの専用武器であり看板装備である「ニバンボシ」も実にオタク心をくすぐるネーミングだ。
「一番星」ではなく二番でいいと。そもそもが二番星などという概念があまりポピュラーではない。ニバンボシ自体も本編中で目立つ扱いではない。
やはり目立つのは一番星だ。
だから良い。脚光を浴び、光を照らすのは自分ではないと。それは一番星に譲る。だから自分は二番星でいい。一番星のような表舞台はふさわしくないという後ろめたさの現れである。
エステルがニバンボシを持っていたのも考察の余地がある。
あえて「渡さなかった」という解釈はエステルはユーリに2番目以降の星であってほしくなかった捉えることもできる。
そういった確執、兼ね合いも含めてユーリとフレンの関係性は非常に熱いものが込み上げてくる。
幼い頃からずっと一緒にいたのに真逆の生き方になってしまう。だがお互いに「正義」を貫くという軸はぶれていない。
2人の交錯する想いが1つの「選んだ」という言葉に宿るのが心に深く突き刺さる。
またとない命燃やして
テイルズシリーズで一番好きな作品といえば流石に「ベルセリア」だ。
正義も悪も関係ない。
やりたいこと、自分の心を救うためにやらなければならないことをやる。例え世界を恐怖に落とす魔王になろうとも。
ベルセリアは主人公ベルベットの復讐が核の話である。
基本はこれであり、ベルベットにとってその他の問題はわりあい些事に過ぎない。
ついてくる仲間も各々自分だけの抱えている戦いがあり、成すべきことがある。利害が一致しているからベルベットと一緒にいる。という信頼があった上でのドライさも魅力だ。
ただ、とりあえず攫われたからで始まって一緒にいたフィーだけが別だ。
「君が君らしく生きる」という言葉はベルベットだけでなく、フィーにも深く当てはまる。
ラフィーに対する嫉妬やコンプレックスなどがあったうえで最終的にベルベットを泣かせたカノヌシがむかつくから殴りたいという結論に至り、ちゃんとラスボス戦でぶん殴るのはあまりにもカタルシスに溢れている。
ベルベットにだけではない。フィーの中にも消えない炎が出来ていたと分かるここの盛り上がりは本当に凄まじい。
あいつベルベットを泣かせた許せねえぶん殴るって過激思考に至ったのも復讐に燃えるベルベットを近くで見ていたから。
兄貴分であるロクロウとアイゼンに影響されているのがわかって人格構成レベルでの成長と変化を感じられるのがとても良い。
仲間と共にいて自分だけの答えを出せたフィーは他の誰でもない唯一無二の存在になっていたのだと。
この激熱イベントがラスダン手前で来るのは本当に構成がうまい。
こんなにも気持ちよく災禍の顕主として、魔王としてよっしゃ世界滅ぼしにいくぞってなることはなかなか無い。
信念に対して行動理念があまりにも一致しているから本当に見ていて気持ちが良い。
君と出会えたことで、僕は強くなれた
私はテイルズシリーズが大好きだ。
だがまだ真意の全てに触れることは叶っていない。
それなりの数でいえばプレイしたが昔やった為に記憶が薄れているものも多い。
特にエターニアはやった当時はそこまで刺さるものがなかったので記憶が薄い。確実に名作なので今一度ちゃんと向き合いたいとは願う。
この部分などあまりにもリッドという男のなんたるか全てが詰まっているのではないかと胸を熱くすることはできる。この辺りのちゃんとした答え合わせをしにいきたい。
媒体がPSかPSPの2択なのは実に厳しいのでこの辺はオリジナルデスティニーやファンタジア共々移植してほしいところである。
そしてお祭りゲーで自我のない主人公だからとはいえ基本的にハブられるマイソロの存在も思い出して欲しい。
いつだかに出たOPコレクションにも入ってなくて深い悲しみを背負ったので。
しかして公式がこのように過去作を大切に扱っていてくれることは強く感じる。
テイルズは各作品にコアなファンがいるシリーズだ。
今回のように作品毎にファンへの救済があるのは実に喜ばしいことだ。シリーズでまとめるとどうしてもやはり人気作が上にきてしまい埋もれるから。
私はベルセリアが一番好きなので供給はどちらかというと多い方だ。それでも本編にリンクした商品展開は特別に嬉しい。
ベルセリアも本当に好きな作品だがやったのはもう何年も前。今一度やって想いを焼き付けられたさは溢れている。
とりあえず買ったままのアライズを始めるところから私の人生を取り戻す旅は始まる。
大好きな過去作も、気になっているものもやる。
やろうかな、ではない。
俺はもう、選んだんだぜ。
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