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クリクリが"届ける"究極の王道ラブソング【恋しちゃった!】は至高のラブストーリーそのもの

ありがとうSHOW BY ROCK!!。ありがとうクリティクリスタ。


恋しちゃった!

それは世界の約束。この世に確かなものがあるとするのであればそれはロージアちゃんの存在であろう。故にクリクリは世界の約束なのだ。
ここにおいては主に2番以降、ひいては全体について綴る。まだ1番しかこの曲が存在しなかった時の私の情緒や1番に何があるのかというのは過去記事にて記載してある。

【恋しちゃった!】これがどんな曲なのか。それは一言で言うならば王道のラブソング。
だがそれ以上にクリクリらしさを出しつつ全面的に王道のラブソングとして完成させてきたクリクリ唯一無二の曲だ。
それをこれから解説していく。

恋しちゃった!
届け 届け イエーイ
気付けば春がきて
新しい別れと出会いがあって
ふわふわと心が落ち着かない朝
突然出会った 言葉にならなくって
こんなの初めてで
やっと気付けたんだ 
君に恋しちゃった!
揺れる心を隠して
でも知ってほしいなんて
乙女心は難しいよね
ちょっと苦いカフェオレみたいさ
はい!はい! はい!はい!

それから冬が来て
帰り道吐いた息が白くなって
ふわふわと心も浮かんでく夜 突然の着信
今日も寒かったね 雪が降るといいね
早く伝えたいな 君に
恋しちゃった 巡るぐるぐる言葉を探して
でも見つからないなんて
ほんとの気持ち言い出せなくて
もうちょっと甘いココア飲みたいな

ねえ 期待が (ねえ)
願いが (ねえ)
想いが止まらないよ (もう)
朝も (もう)
夜も (もう)
君を忘れられないの
いつか交わる2人のラブストーリーは
笑って笑って笑っていたいのさ だから

言えなかった あの日の気持ち
後悔を残して でも今なら言えそうだよ
勇気を出して 目線の先へ
ねえ聞いて いっせっのーせ!

恋しちゃった!
揺れる心を隠して
でも知ってほしいなんて
乙女心は難しいよね
ちょっと苦いカフェオレみたいさ

いつか隣で一緒に なれたらいいな
はい!はい! はい!はい!
届け 届け
さあ LOVE YOU

※例によって書き起こし歌詞なので間違いはあるかも

「いっけーーーー!」と「いっせっのーせ!」

【恋しちゃった!】そのフルはふわふわと心が落ち着かないこんな朝に突然やってきた。この曲がゲーム内で世にお出しされてから51日もの歳月が経ちそれはロスに陥るには充分すぎる長きに渡る時だった。
私はフルをあまりにも心待ちにしていた。クリクリ曲が好きだから、ロージアちゃんが大好きだから。その通り。だが最大の理由は早く歌詞の全貌を知りたかったから。なぜか、この曲の歌詞がストーリー仕立てのガチ恋曲だったからだ。

歌詞を見てもらえば分かる通り、1番までで分かることは恋に落ちる瞬間までである。だからそれが2番以降どうなるのかがずっと気になっていた。
ゲーム内公開の歌詞では1番+最後の【さあ LOVE YOU】であった為、告白へ至るまでが空白の2番になるのであろうと考察していた。その答え合わせ、あるいは良い意味での裏切り。どうなるのかをとてもとても心待ちにしていたのだ。

結論から言えば、かなり「王道」のラブソングであった。そこに裏切りはなしです。普遍的な意味合いでのラブソングとクリクリ曲としてのラブソングとしてもド真ん中の王道をぶっちぎる凄みの両面を持った歌詞である。
1番で恋に落ちる様子が、2番ではその想い育みつつでも思いの丈を伝えられずにいるもどかしさが描写される。そしてラスサビ前ではもう我慢できない告白するぞという意気込みがあり、最後に【さあ LOVE YOU】でフィニッシュ。
あまりに美しい。恋に落ち、もどかしさを溜めて溜めて最後に爆発させるというのはかなり王道の展開でカタルシスがある。これが前述した普遍的なラブソングとしての側面である。

1番2番で溜めてラスサビ前でやるぞと決意表明をして最後に大爆発させる。クリクリのオタクならばこの歌詞の構造が何を意味しているか一目で分かるであろう。
そのとおり、この歌詞の流れは【放て!どどどーん!】と同じ構成なのだ。これだけではない、言いたくても言えない、でももう我慢できない、言うしかない。そういった想いを爆ぜさせる曲の構築は【あすいろ恋模様】にも見られるし爆発はさせないが【ループしてる】においても同様の葛藤が見られる。
これがクリクリ的なラブソングの王道を踏襲しているという話だ。だがそれでも最も近しいものは【放て!どどどーん!】であると考える。

どどどーんがロージアちゃんらしさをラブソングに落とし込んだ曲であるが、恋しちゃった!は逆である。ラブソング世界にロージアちゃんひいてはクリクリを落とし込んでいるのだと。
あくまでもこちらはラブソングとして固めて仕上げてきていることは歌詞の中身からも分かる。最も顕著なところはラスサビ前の「いっせっのーせ!」であろう。
今まで通りの「いっけーーーー!」では力がありすぎる、マッシヴすぎると。放った言葉にいってこいと後押しするのではない。あくまでも自分の背中を押す、届けたい【LOVE YOU】へ繋げる為に鼓舞する言葉だから「いっせっのーせ!」が相応しいのだと私は考える。
この言葉の使い分けが非常に素晴らしい。あくまでも【揺れる心を隠して でも知ってほしい】これなのだ。隠したいけど知ってほしい、言いたいけど言えない、そして怖いけど勇気を出す。だから「いっけーーーー!」ではなく「いっせっのーせ」なのだ。

自分で自分を鼓舞するということが踏み出せないもどかしさに対するカタルシスの1つとなっている。
だからこそ、この揺れる二律背反を勇気で乗り越えた【さあ LOVE YOU】が圧倒的な力を誇るのだ。力とはかくあるべきなのだ。
恐怖を乗り越え勇気を出して贈る言葉に対して「届け」という気持ちで後押ししているこれが人間讃歌でなくてなんだというのか。人間讃歌は勇気の賛歌、人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさ。このあまりにいじらしく愛らしい、少し弱々しさの見える迷いある歌詞から放たれる爆発にこそカタルシスは宿る。

同意を欲しがる弱さこそが愛おしい

2番の歌詞の中でも特に、ロージアちゃんの「今日も寒かったね♥」があまりにも脳に来すぎて聞いた瞬間腰が砕けたし脳からやばい汁が無限に溢れて危うく溶けるかと思ったしその後の「雪が降るといいね♥️」この言葉が非常に素晴らしい。
雪が降るとどうなってしまうのか、クリクリのオタクは本能的に理解っている。そうだ、雪の日にはおまじないが解き放たれるしダイスキな気持ちは雪に込めてぶつけてしまうのがいいのだ。なぜ雪が降ってほしいのか、雪が降ると嬉しいのか。その答えは常にクリクリの中にある。

また、「〜だね」という語尾からは共感、同意を得られたいという心理が見て取れる。電話の先の俺(私でありあなた、個にして全)からの「そうだね、寒かったね」と、そういった些細だけど何気ない心の重なり合いを求めるいじらしい乙女心を伺うことができ、これが非常に脳へ来る。
自分の想いを言えず、伝えたいとずっと思っているからこそ、こういった同意を得たいという言葉には重みが生まれる。ずっと好きだし言えない想いを隠しているけど、向こうも同じだったら良いな、と。そういった不安と期待の現れを読み取る事ができる。
それは【期待が 願いが】の部分から見て取れる。そういった想いが期待として確実に存在している。向こうも同じ気持ちだったらいいな、つまり両思いだったらいいなという「期待」と「願い」がある。ここにその描写が存在しているわけだ。
こういった非常に繊細だが大胆なこういうのがいいんだよポイントを外さないところもまたクリクリに、ひいてはショバロ曲に対する信頼を生み出す要因となっている。

【いつか隣で一緒に】と【なれたらいいな】の間にはドラムのスティックか何かでカンカンと叩いている音が入る。ここで間合いを取っていることはまだやはり怖い、戸惑いの描写であると私は考える。覚悟は決めた、勇気を出した。それでもやはり怖いし躊躇いはある。そういった停滞の意を示しているのではないかと考えた。
また、2番が終わってからギターソロが入るのも非常にいじらしくて愛おしい。言葉で伝えられない鬱屈、もどかしさ、そして口に出すことに対する恐怖をギターソロにぶつけているように感じられた。
何度も言うが、だからこそカタルシスがあるのだ。躊躇いが、恐怖があるから勇気が映える。これらで間が空くのはそういうことを強調しているのではないかと思わずにはいられない。

覇道があるから王道が光り輝く

全体として非常に非の打ち所がない圧倒的な力を誇るラブソングであり本当に素晴らしい。ロージアちゃんらしさや解像度という点で言えばどどどーんやきゅきゅきゅーんに劣りこそすれどバトルフィールドをそこへ据えていないからこそ成し得た火力をこの曲は持っている。
王道的ラブソングとクリクリ的ラブソングのハイブリッド体は完全なる唯一無二である。

やはり個人的にはロージアちゃんらしさというバトルフィールドにおいては【きゅきゅきゅん♥ハートシェイカー】の高すぎる評価を打ち砕けるのかという点が懸念であった。そういったところでごりごりド真ん中ストレートに明るい王道のラブソングというのは今までのクリクリ曲にありそうでなかったので逆にそうきたかという想いすらあり、懸念は杞憂に終わった。
そして、なぜ【きゅきゅきゅん♥ハートシェイカー】に触れないのだと、あれはどうなのだと。あれこそクリクリのラブソングではないかと。そう思う人もいるかも知れない。無論、ラブソングであるし、ひときわ目立つ力あるラブソングだ。
だがきゅきゅきゅーんは王道ではない「覇道」だ。
あれはロージアちゃんがその可愛さと圧倒的なロージアちゃんらしさを持ってしてたった1人意中の人を我がものとする、他の追随を許さないロージアちゃんの可愛さと強さが織りなす覇のラブソングなので系統としては王道とは対を成す存在である。なにがきゅきゅきゅーんを""覇""足らしめているかは以下の記事にて解説している。

そして王道と覇道は光と闇の対立する概念。光があるから闇が増し闇があるから光は輝く。王道のラブソングがあるからこそ覇道のラブソングは力を増しその逆も然る。
【きゅきゅきゅん♥️シェイカー】というロージアちゃんの"覇"があるからこそ【恋しちゃった!】という王道のラブソングが煌めく。力とはかようにして生まれるものなのだ。

そうして冬がくる。ロージアちゃんとの冬が……

この曲の力は様々であるがやはり特筆したいところとしては、クリクリ曲で唯一無二にして王道だという点だ。唯一無二の王道ラブソングだからこそ非常に完成度高くかつ火力も圧巻という仕上がりでお出し頂いたことに対してはもはや頭が上がらない。
王道だからこそしっかり王道を貫いて顔面の正中線をぶち抜いてくれたのは素晴らしい。あえて外さない、という勇気ある決断にこそ感謝したい。

王道を貫いてなおかつクリクリの代表曲とも言える【放て!どどどーん!】と同様の構図をしていた、という点も素晴らしい。ファンとしては色々な意味で満足でき、危うく成仏しかけるところであった。
だが人間は強欲な生物である。こんなにも良質なラブソングをぽこぽことお出しされたら更に欲しくなってしまうのがいきもののサガ。ロージアちゃんとの永遠はこの程度では足りないと思えてしまうのだ。Mot Mot Motロージアちゃんとの永遠を味わいたい。そんなセンチな気持ちにすらなってしまう。

もうすぐ冬が来る。それが楽しみでならない。それは【恋しちゃった!】が永遠をくれたから。冬が来て、寒くなるのが待ち遠しい。早くロージアちゃんの声を聞きたいし、なによりも伝えたい。

「今日も寒かったね」─────と。


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