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裏垢恋愛

ツイッターで出会ったふたり
すぐに距離が縮まり恋に落ちた。

最初は楽しい関係だったのに
だんだんと苦しくなっていく...
この物語の結末はどうなるのか...



酔って電話で感情ぶつけてしまったあの夜。
次の日、何やってんだろと自己嫌悪に陥った。
面倒臭い女と思われたよなと反省し、適度な距離感を保とうと連絡を控えようと決めた。

DMする時、今まで何も考えていなかったのに
"どんな文にしよう"
"返信がなかなか来ない"
なんて、細かい事を気にするようになり、
そんな自分が面倒くさくて、嫌になった。
ツイッターを開くと、嫌でも視界に入ってくる彼や他の人とのやりとり。見ないようにしても気になるから見ちゃうの繰り返し...
あんなに楽しかったツイッターが苦痛になった
呟く気力もなく、仕事に没頭して避けた。


ツイッターで出会った2人
SNSの中はすべて思い出だった
簡単に消すことなんて出来なかった


数日経って、少し気持ちが安定してきたので
今まで通りの楽しい会話をしようとDMをしたけどやっぱり楽しめなかった。少し苦しかった。
全部、彼には見透かされていたみたい。
お互いぎこちなくなり、微妙な距離感の2人

横浜でバイバイした後から
ちょっと心が弱っていた私
ふとした瞬間に悲しくなって
涙が零れた

自分がどうしたいのか
どうするべきなのかも
分からなかった

ただ、無理やり離れることが
1番辛くなることだとわかっていた。
時間が経てば距離感にも慣れるはず
そう思い込み、自分をごまかした。



あの夜の電話から5日後。
私は女友達との華金を楽しんでいた。
彼も会社の人とお酒を飲んでいるようだった。
酔ってると気楽に連絡できるので 
写真付きで飲んでる様子を送った。

いつもより口数少なく、
普通のテンションで返信がきた。
しかし、彼のツイートを見に行くと
いつもと様子が違った。
かなり深酒をしていて、
センチメンタルな呟きが並んでいた。
あるひとつのツイートに目が留まる。

"結局ね、寂しさを埋めれるのは
お前しか居ないんだよ"

私のことかな?と少し思ったけど
自意識過剰はやめようと終電に乗りこむ。

そこから1時間くらいDMは静かだった。
相互がスペースをやっていたので聞きながら帰り、家に着いて追いチャミスルをしていた。またDMが届く。やっぱりいつもの彼ではなかった。

「寂しい」
「ごめんね、辛い思いさせて」
「ほんと、情けない」
「また横浜物語読んだ、ほんまごめんなさい」
そんな言葉が並んでいた。

「自惚れんな!そんな弱い女じゃないもん!」
私は平静を装い
弱ってたくせに強がりを言う。

「知ってる!俺も弱い時はある!」
「うん、全部受け止める」と私
「あほ!そーいうこと言われたら迷うの」
そう返信がきて、可能性はあったんだと知る。

そして、その1時間後に帰路についた彼。
私はまだスペースをしていたのだが
「いっぱい泣いた、ほんとごめん」
「まいを傷つけた、どうしていいかわからん」
そう送られてきて、涙を堪えられなくなり、
いきなりスペースを落ちた。

私は既に泣きながら送る。
「そういう事言われると、泣きそうになる」
「せっかく普通に接しようとしてるのに」

それでも、彼は止まらなかった。
「ごめん、今は無理」
「いっぱい傷つけた、ごめん」
「俺はそんなに器用じゃなかった。今日も、
横浜物語読んで泣いた、ほんまごめん」

"今日も"
彼も悩んで、同じように涙してたんだとその時わかった。苦しんでたのは私だけじゃなかった

傷ついたことは認める。
そして、また泣きながら本音を送る。
「楽しいだけの関係に戻りたいけど
距離感が分からなくなっちゃって」
「私もどうしたいのか分からない」

ごめん、泣いてると彼。
「遠距離は無理」そうはっきり電話で言われた時に、遠距離恋愛には苦い思い出しかない。
そう話してくれたことを思い出した。

「大人になったら好きなだけじゃ上手くいかないよね。けどね、寝る前にいつも声が聴きたいと思っちゃうの」
「どうしたいのかわからないし
どうすればいいのかもわからないの」
「けど好きなの」
ありのままの想いを彼に告げた。

すぐに着信がきた。
彼も泣いていた。
そんな姿は初めてだった。

ごめん...ごめん...
と何回も謝ってきた。
彼も辛かったんだ。
すごく辛かったのが、少しだけ救われた。
文章で想いが伝わったのなら
私の行動は間違ってなかったんだとも思えた。

「ツイッター全部消そうかと思った…ほんまに嫌やった」
「DMはぎこちないし、まいちゃみがいないとつまらんし、ライティングの話できないし...」
「横浜の海であのベンチにずっとおりたかった」
彼も泣きながら本音を打ち明けてくれた。

それと同時に、さっきのツイートが
やっぱり私の事だったんだとわかった。

酔っ払ってたのもあるが、
大の大人が号泣しながらの
電話は今思い出してもヤバい。
でも、とっても大事な一夜となった。



少し落ち着いて、普通の会話になった。
「出会い編と赤羽物語書けたよ!きく?」
「うん!聞く聞く」
そう言われたので、私は自分の書いた文章を読んで、彼に聞かせる。

最初は「うん!そうそう」「合ってる!」
とか合いの手を入れてきていたのだが、
だんだん口数が減ってきて、途中で寝た。笑
泣きじゃくって疲れて寝た子供かよ!
と1人でツッコミ、私も眠りについた。

次の日からもう辛い気持ちはなくなっていた
以前のように頻繁ではなくなったが
楽しく彼と絡めるようになって
また、リプをし合う関係に戻れた。

結論は出ていない
いまはそれでいい
付き合うのはゴールじゃない
相手が心から望んでいないのに
気持ちを押し付けるのは違う
迫って付き合えたとしても
そんなのちっとも嬉しくない

まだこの先どうなるかわからないけど、
いまは穏やかに彼のことがすきです。

儚くて脆い関係
それでも言葉の世界に
キミがいないとつまらないんだ


2022/06/01
真夜中のベッドより
まいちゃみ

_____________

この”裏垢恋愛”も当時に書き下ろしていた。
今までのどの小説よりも感情が込めれているだろう。

恋の始まりも、終わりも突然だ。
この時も例外ではなかった。
前回同様書いてすぐ彼に見せていたと思う。
それから、1か月は何も変わらなかった。

ある日、彼から
「俺に依存してる?」

そんなDMがきた。
意味が分からなかった。
え???何言ってんの????
煮え切らない態度をとって、わたしをこうさせてるのはお前だよな?
その一言にとても腹が立った。
終わった。急に彼への熱が冷めていくのを感じた。


そして、冷静になった私は
自分の言動を振り返ってみた。
確かに、恋をした拗らせまいちゃんは
相手の顔色を伺うような接し方になっていたな~
と気づき、笑えてきた。
もともと、遠距離も好きじゃないし
先の見えない関係に何を望んでいたんだろ。
すっかり気持ちが切り替わっていた。



彼からの好意を感じ出した頃、
私が何回も言っていた言葉がある。

"お互いの何かが変わってしまうのは嫌だ"

2人とも楽しくツイッターをやっていた。
それがお互いの存在や気持ちが入ることで
嫉妬したり、制限したり、楽しくなくなる
ということが何より嫌だった。

"何も変えてほしくない"

"楽しいだけの関係がいい" 

望んだのは、それだけだった。
全部頭ではわかっていたのに、
人の感情というのは思い通りにはならないものだ。

私は皮肉を込めて
「言ったとおりになったでしょ?」
彼も認めた。始めたのも私ではなかった。

「うん、全部俺が悪いよ」
突然しおらしくなって謝ってきた。

わたしはもうポジティブ女に戻っていたので
「これからもよろちゃみ!」なんて軽く返す。
自分でも笑っちゃうくらいの変わりようだ。
100年の恋も冷めるというが、まさにそんな感じだった。


こんな感じで裏垢恋愛は幕を閉じました。
皆さんの期待しているような展開ではなかったかもしれない
でも、これが等身大のリアルな私の恋愛です。
今は、一周回って彼とは仲がいいです。信頼できるよき友だと思っています。だから、また楽しくツイッターライフを送れています。でももう、ツイッターでの恋愛はいいかな(笑)

とても好きでした。
今ではいい思い出です。
出会ってくれてありがとう。
これからもよろちゃみ。


仲良しの相互さんも多いので
誰かわかった方もいるかと思います。
こっそり、ふふふって笑って
胸の内にしまっていただけると嬉しいです。


最後までお読み下さり、ありがとうございます。



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