FDI 歯磨きについての推奨の論文の一部を解説
元論文の該当部位:
Development of Tooth Brushing Recommendations Through Professional Consensus
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0020653923009632?via%3Dihub
の、
Table 3. Final recommendations and strength of recommendations.
のCJF1 What is the best timing, frequency, and duration for tooth brushing?が、No systematic review evidence to answer this question.となっているのに、strong recommendationsとなっていることについて、少し、好意的な立場から解説してみました。
これは、ちょっと、分かりにくいですね。それと、ちょっと説明不足も多い。好意的に読むと、スジは通っている。
まず、Table 2. Strength of recommendations.がキーポイント。ここの、Good practiceが、ちょっと説明不足と、作った人が、ここの定義がちょっと不十分。でも、許容範囲ではある。しかし、ここがもっと丁寧なら、誤解されにくいのでね~。
Good Practice Statementsは、体系的にエビデンスを特定するためのリソースが不足しているために作成するのではなく、明確な提言にも関わらず間接的なエビデンスしかない場合に用いられる
ところが、彼らは、ここをもっと緩く定義。ともかく、ここは、明らかすぎて、研究もされてないよという感じ。例えば、飛行機から飛びおりるのに、パラシュートを使うのと使わないのなら、使う方が良いなど、研究されない。
ここで、さらに、問題となるのが、CJF1 をGood Practiceとするか、strong recommendations.とするかです。実は、付録のワードを見ると、
2. Quality and quantity of evidence
There is no high certainty evidence regarding the optimal timing, frequency, and duration of toothbrushing for the prevention of caries. Recommendations are considered ‘best practice’.と書いてある。と言うことは、ここは、GOOD PRACTICEと表記すべきかもしれない。
しかし、彼らは、ここを、好意的に見ると、あまりにも、a Whilst there is an absence of underpinning evidence for these recommendations, the Task Team is highly confident that desirable consequences outweigh undesirable or undesirable consequences outweigh desirable.だったので、strong recommendationsとしちゃったよ。ということ。あくまでも好意的に見るとです。
厳密なら、ここをstrong recommendationsにしたいのなら、SR論文が無かったでなく、自分たちでSRを行う。その結果、メタ分析できる論文がなく、観察研究のみで、エビデンスの確実性が非常に低であってもよい。
そのエビデンスを使って、利益と害のバランス、コストもかからない、害もないことより、強く推奨するという特別な場合と考えたとするべきであった。
エビデンスの確実性が低だが、推奨が強くなる場合については、整合性に欠ける推奨(discordant recommendation)-(1):5つの最適分類という場合があります。
どうも、彼らは(彼女らは)、過去のSR論文を使って、作成しており、それそのものは、間違いではないが(効率的には良いとされる)、無かったとだけの記載では、ちょっと手を抜いて、残念であるとしか言えない。
と言うことで、好意的に見ると、診療ガイドラインと記載せず、タイトルにコンセンサスと入れたのも、わからくもない。
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