インドを一人旅して
今年のGWは、7年ぶりにインドを訪問した。
人々はインドに対して、負のイメージがあるらしい。
「どうしてインドなんて行くの?!」
「危ないから気をつけて!」
出国前、このような言葉に辟易していた。
7年前、インドを旅した時も私は騙された事はないし、お腹を壊すこともなかった。
私がもつインド人のイメージは「頭が良く、エネルギッシュで純粋、与えられた人生に感謝し、生きている」。
日本での生活に疲弊していた私は、エネルギーをチャージするため、北インド ラダックに向かった。
ラダックは北インド カシミール州に位置し、ヒマラヤ山脈に挟まれた一帯である。何世紀もの間、外界の影響をほとんど受けることなく、自足的な生活が営まれてきた。
私は街外れにある、サントビラリゾートという宿に3日間宿泊した。
宿に到着してまず驚いたのは、あまりにも静穏であることだった。鳥のさえずりしか聞こえない。そして目の前に見える雄大なヒマラヤ山脈は、ただならぬエネルギーを発していた。
私はテラスにいるだけで、自分が自分に戻っていくのを感じた。日本はあまりにも雑音や視界を曇らせる物が多すぎて、それらに反応するために、自分が自分から離れていく感覚に陥る。
自然だけではない。私はこの地で多くの発見をした。
お昼時。お客は自分一人だったが、3人いたスタッフは、私が食事中に、レストラン内で卓球を始めたのだ。日本であれば、まず有り得ない。けれど、私は歌うように話し、無邪気にはしゃぐ彼らの姿を見て、心から癒された。
交通網が発達していないラダックでは、道の至るところにヒッチハイクをする人々が目立つ。タクシーをチャーターして観光していた私も、レーの街まで帰る途中、小さな村でおばあさんと娘さんを乗せた。50代と思しき娘さんのお腹は奇妙に膨らんでおり、これから病院に行きたいとのことだった。病院まで60kmの距離を共に過ごした。私は自分が観光することで、誰かの役に立てたことに対して、幸福感を得た。日本にいると、労働か消費で時間は過ぎていく。競争社会は私の生きる気力を削いでいく。誰かを助け合ることが、自分の生きるパワーを高めてくれる事に、この旅で私は初めて知った。
帰りの飛行機で、隣に座ったインド人の13歳の女の子は、私に沢山の質問をしてきた。インドの女性は25歳には結婚するけれど、日本はどうなの?と聞かれた。私は25歳で結婚する人もいるし、30歳、40歳の人もいることを伝えると、更に彼女は何歳で結婚するのが良いの?と質問した。
「I think everything ok」
そう答えると、彼女はとても納得したように頷いていた。
旅は新しい自分を創造してくれる。
インドで、日本の常識は通用しない。
他国の文化を知ることで、日本の常識に違和感を持っていた自分はおかしくはないことを知る。
他国の文化を知ることで、日本にある全てのものに感謝する心が生まれる。
私はこれからも自分で見たもの、聞いたことを信じ、自分の頭で考えて判断したい。私の人生は私が創る。誰のものでもない。
旅で得た強さを身につけ、この日本という素晴らしい国をこれから生き抜いていきたい。
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