【助産師ゆかり流ミニマム育児】のススメ
出産した瞬間から親になり「責任」が肩にのしかかる。「ちゃんと育てなきゃいけない」無意識にどこかでそう思っていませんか?
もちろんそれは子どもへの愛情や責任感からであり、当たり前であって大切なこと。だけど「ちゃんと」は、子育ての歯車を少しずつ狂わせ、気付いたらこんなはずじゃなかったと、心身ともボロボロにしてしまう、諸刃の剣でもあるのです。
普段、出産後のお母さんにお話ししている、頑張りすぎないちょっとしたコツを、今、余裕のない状況にある、あなたに届くことを願いながら書きとめます。
お母さんは🔰 できなくてあたりまえ
まず、あなたの「ちゃんと育てたい」理由を紙に書き出して整理してみてください。
その「ちゃんと」は誰に向いていますか?
お子さん? 自分? 夫?
誰もが「いいお母さん」になりたい、頑張ってる姿を認めて欲しい、自分にならできると思っていたりします。
あなたはたった数日前に、お母さんという役割を担ったばかり。なんでも上手にできるわけはありません。まずそれに気付くき、認めましょう。
あなたがはじめて仕事をした時を思い出してみてください。慣れない仕事は、時間がかかったり、失敗ばかりで、先輩からも指摘されたりして、落ち込んだりしませんでしたか?
全てがはじめて経験する未知との遭遇からのはじまりでしたよね?
けれど、数週間・数か月経ったら、だいぶ慣れてきて、失敗も少なくなり上手にできるようになってきましたよね?はじめから完璧で、ちゃんとできていた筈ではないのです。
子育てもそれと同じです。
失敗と思わず、経験を積み重ねればできるようになります。先生や先輩だと思って、赤ちゃんから教えてもらいながら、あなたのペースで親になっていけばよいのです。
あせらず、ゆっくり。先回りする必要はありません。赤ちゃんの背中を追いながら、お母さんも一緒に成長していけばよいのです。
育児のミニマリストを目指す
「いかに楽をするか」にフォーカスしてみる。
家事・育児・仕事、すべては効率だと私は思っています。こだわろうとすれば、とことんこだわれる。だけどあえてこだわりを捨て簡素化する。育児のミニマリストになるのです。
「ちゃんと」や「完璧」は、自分にとってのものであり、人から見たら意外とそうではないもの。悲しいかな、結局は自己満足だったりするのです。
最近はオシャレな育児グッズが山ほどあります。SNSでママタレが紹介していたから、とりあえず買ってみたけど使い方がわからない。使わなかったらメルカリで売ればいいや。な~んてお母さん、たくさんいらっしゃいます。
メルカリで売るにしても、時間と手間がかかります。それこそ時間のムダ。使わないグッズは邪魔になるだけ。現在はネットですぐ買え、届く時代。必要になったら買えばよいので、あえて妊娠中から準備しておくことはありません。必要最低限のもので十分です。
子どもが成長したら使わなくなるものもあるので、それこそメルカリやお友達などから譲り受けるなどで十分なものもあります。物を増やさないことも手間を減らし、片付けをラクにしてくれますよ。
掃除も同じです。毎日するに越したことはありません。ですが、人は埃で死にません。1日さぼったって大丈夫。
出費がかさむこの時期だからこそ、どさくさに紛れてラクちん家電を購入しちゃうのもアリです。ルンバや食洗器、アレクサとか。
育児方法の時短も、工夫すればたくさんあります。産後ケア施設で、病院では聞けない目からウロコの時短法をアドバイスをしています。(現在コロナ禍で、フリーランスの私は当直を1か所にし、感染予防に努めています。産後ケア施設でのお仕事はお休み中ですが、オンラインでご相談をお受けしています)
やり方は千差万別だけど、あなたが出来なければ意味がありません。いくら工夫しても、ライフスタイルに合わなければつらくなるだけです。試行錯誤しながら、あなたの「ミニマム」を探していきましょう。みんな同じでなくていいのですから。
あなたがみつけて実践する、時短でシンプルでミニマムな育児は、家族に時間と余裕と笑顔をもたらします。
ココロのお洗濯・リセット&チャージタイムを作る
子どもが生まれる前までは、仕事や家庭、人間関係は自分で思うようにコントロールできたことが、残念ながらできなくなります。もしかして「赤ちゃん」は、あなたの人生で、はじめて思い通りにならない存在になるのかも知れません。
今までは自分の意思や欲求で自由にしていた、ごはんやお風呂、眠る時間、仕事や趣味。自分中心でできていたことが全くできず、赤ちゃん中心になるのです。
やりたいことがでやりたい時にできない。あなたにとって、それはとてもつらいことかも知れません。
本当に、全くできないの?とまずは自問して、「お母さんになったからできない」そんな思い込みを捨ててしまいましょう。
夫婦ふたりの時間・自由に使っていた時間は戻りません。今、この時間の中から自分時間を捻出するのです。
たった10分、いえ、5分でもいい。自分のためだけの丁寧な時間の使い方を考えてみてください。たった数分なら必ずできるはずです。
たとえば、自分のためだけに、おいしいコーヒーを淹れて飲むとか、あなたがしあわせと感じ、ホッとする、癒される、気分転換になる時間です。
私はこれを、「ココロのお洗濯・リセット&チャージタイム」として提案し、お母さんが1日の中でできる自分時間を一緒に探すお手伝いをしています。
デジタルデトックスして、ココロのお洗濯・リセット&チャージタイムに全集中がおススメです。
円満の秘訣
産後はホルモンバランスが崩れ、些細なことで涙が出たり、イライラしたり、とても不安定になります。
そんな時は、夫への不満がつのりやすいもの。手伝ってくれないとか、ワンオペで頑張っているのに話すら聞いてくれないモヤモヤは言葉と態度に出てしまい、夫婦間はギクシャク。
女性脳と男性脳。違いがあるのでこのズレは仕方のないことだと受け入れて、些細な衝突がないようにすればいいだけなんです。
手伝ってもらいたい気持ちがあるなら言葉にすること。なにをどう手伝ってほしいのか、具体的にお願いしましょう。
ですが注意点があります。決して司令塔的な指示だし「YOUメッセージ」は禁物です。あなたの気持ちは「Ⅰメッセージ」で伝えます。
Ⅰメッセージとは「〇〇してくれると、(私は)うれしい、しあわせ」「〇〇されると、(私は)とってもつらい、悲しい」というように、「わたし」を主語にして自分の素直な気持ちを伝えること。YOUメッセージとは「あなたが〇〇するべき」「なぜあなたは〇〇しないのか」というように、「あなた」を主語にして、相手に要求する言い方。
きっとこうしてくれるはず、言わなくても察してくれるはずという夫への期待や欲求が、叶わなかったゆえにイライラします。
男性は、女性のように察したり共感することが苦手です。なので、あなたがいくらサインを出していたとしても、言葉にしないと伝わりにくいのです。
逆に、男性は感謝されたり頼りにされると俄然やる気になります。言葉(Ⅰメッセージ)で伝えること、笑顔と感謝の言葉を添えることを忘れないでくださいね。あなたの笑顔と「ありがとう」は魔法の言葉です。
この記事を読んで下さっている男性の方。いやいや僕は察しますよ、という方もいらっしゃるでしょう。これはあくまでも一般論の話です。お気を悪くなさらないで下さいね。
あなたは太陽
子育ては走り出したら止まれない。成人したら・・・大学を卒業したら・・・など、吸水ポイントはある知れませんが、いくつになっても子どもは子ども。お母さん業に、ゴールはありません。寄り道したり、サボったり、少しお休みしたっていいんです。先回りしない、シンプルでミニマムであなたらしく笑顔でいて下さい。お母さんはあたたかく家族を照らす太陽、家族の中心なのですから。