私が息子を可愛いと思えているのは、私が愛情深いからでも努力してるからでもない
息子が可愛い。
子育てが楽しい。
いま私がそう思えているのは、
私が愛情深いからでも努力してるからでもないんです。
ただ命を維持するための睡眠が確保されてて、
息子の安全を複数人で確保できてて、
不満や不安を共有できて認められてるから。
それだけなんです。
それらが確保されてなかったら誰だって追い詰められてしまうでしょう。
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「マズローの欲求5段階説」というのをご存知でしょうか。
(なお、現在は古いと考えられている説ではありますが、新しい説でも第一段階の欲求に「自己保存(生命の維持)」があり、個人的には大きく考えは変わっていません。)
アブラハム・ハロルド・マズローというアメリカ合衆国の心理学者が提唱した「人間の動機づけに関する理論」で、「人間の欲求には階層がある」という考えです。
(出展)八木 仁平公式サイト
欲求の階層は「命を維持したい」という生理的欲求から始まり、最終的な第5段階では「能力を発揮して創造的でありたい」という自己実現の欲求を求めるというもの。下位の欲求が満たされると次の欲求を求めていきます。
「マズローの欲求第1段階」に、命を維持するための食欲や睡眠欲が含まれます。
日本に住んでいれば、紛争地域のように命の危険を感じることもまずないし、睡眠時間が少ない…といっても、自分である程度コントロールできます。
けれど、出産を経ると交通事故にあったようなズタボロの体で2-3時間という細切れの睡眠時間しかとれず「命を維持する」という1番下位の欲求さえ揺るがされます。
たかが睡眠…と軽んじがられがちだけど、充分な睡眠が取れないと免疫力も低くなり、認知力も低下してしまう。睡眠欲は命に直結する欲求なのです。
次に、
「子どもの安全を任せられる」と思える人や環境を用意しない限り、充分な休息や睡眠を取ることは難しいです。(マズローの欲求第2段階)
子どもの安全管理責任者を1人で務めている以上、24時間常にアンテナを張っている状態となり、自分は体も心も疲れ切ってしまいます。
子育て期に入ると会社のコミュニティとも離れ、友人とも生活リズムが合わず、子どもとしか話さないということはよくあります。(マズローの欲求第3段階)
誰とも繋がれずに1人で子育てと向き合ってる人もいるもいます。その孤独感き押しつぶされそうになる人も多いはずです。
久しぶりに子育てから離れて自由時間を得られたとしても、趣味や夢に向かってアクティブに行動したいと思えないのは当たり前のことで、まずは睡眠などの欠乏欲求が満たされない限り、成長欲求に対するアクションは起こせません。
第4段階の欲求まで満たされている人の「疲れた」と第一段階の欲求が満たされていない人の「疲れた」は意味が違います。
子育てしている人の「疲れた」「大変」はただの愚痴ではなく、人間として最低限の身体的・心理的欲求が満たされていないというアラートなんだということ皆が理解してくれますように。
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そして、これは子育てに限らず言えることです。老若男女問わず、最低限の欲求が満たされていない人がサポートされる社会であるように、自分も行動し続けていきたいです。