【おしえて!妊娠】 情報に左右されない病院選びの極意 ◆後編
母子手帳をもらったら、次にしておきたいこと。
それは出産する病院をえらぶこと。
前回、前編で、自分自身が出産に何を望んでいるのかを言語化・視覚化する方法のワークをご紹介しました。
今回はこのワーク④のグループ・出産場所をひとつづつご紹介します。
出産場所それぞれの機能やできること知れば、ポストイットに書いた内容が、どの出産場所にあてはまるのかがわかります。
ポストイットが多く貼られた場所が「私の出産場所候補」となる訳です。
では、さっそく助産師ゆかりがナビゲートしますね!
グループ分けのおさらい
出産できる場所をグループ分けは、「こんな風にしましょう」でしたね。
出産できる場所のグループはこんな感じで設定します。
(これ以外、出産できる場所はないはずなので)
グループA:個人病院(産院・クリニック)
グループB:総合病院
グループC:大学病院(国立・公立などの公的病院含む)
グループD:助産院
グループE :自宅
それでは、それぞれの出産場所の機能をご紹介していきましょう。
グループA:個人病院(産院・クリニック)
○○レディースクリニックや、○○産婦人科医院などの産婦人科診察科クリニックです。出産を取り扱っていない外来専門のクリニックもあるので確認してくださいね。
産院の規模によりますが、年間200~1.0000件以上の出産があります。
長所は、同じ医師に継続してみてもらえるということや食事などのアメニティが充実していること。アットホーム的な印象があります。
計画分娩や帝王切開、産院によっては無痛分娩やソフロロジー分娩を行っています。医療的・自然的と院長の理念によって特徴をもちます。
ただ、緊急時の対応には設備の問題などもあり、限界があります。
妊娠36週未満の早産に関しては対応ができないので連携している総合病院や大学病院などに母体搬送されます。
出産後の赤ちゃんの対応も同じです。呼吸障害などがあればNICU(新生児集中治療室)のある病院へ新生児搬送されます。
糖尿病、高血圧、精神疾患などの合併妊娠や、双子ちゃんの妊娠・出産も個人病院では受けていません。
グループB:総合病院
産婦人科以外に多数の診察科目が併設されていて、ベッド数が100床以上ある大きめの病院です。検査や手術室などの設備が充実しています。
持病がある方や合併妊娠は程度によりますが、内科が併設されているので対応してもらえます。また、小児科も併設されているので、分娩時に何かあったときや、状況によりますが呼吸障害や低血糖など、すぐに対応してもらうことができます。
ただ、NICUの規模によりますが、妊娠34or35週未満の早産に関しては大学病院などに母体搬送又は新生児搬送となることがあります。
食事は病院食なので、あまり期待できないかな?という感じですが、おやつを出してくれるところが多いですよ。
グループC:大学病院(公的病院含む)
総合病院と同じく、設備や診療科が充実しています。合併症や早産、ハイリスクすべてに対応しています。緊急時の対応も安心できます。
ただ安心できるぶん、大学病院なので出産時にギャラリー(研修医や看護実習生・助産師学生など)が多い可能性があります。
妊婦健診などの、待ち時間も一番長いでしょうか?(まぁ、予約であってもどこも待ち時間問題はありますが・・・)
食事は総合病院と同じ。過度な期待は持たない方が良いです。笑
グループD:助産院
妊婦健診から出産・産後をすべて助産師がサポートするのが助産院。
出産できるのは正常分娩のみです。Rh(-)、不妊治療後、高齢(初)出産、持病がある場合などは利用できません。(持病の程度によっては可能な場合もあるので問い合わせてみて)
家庭のような雰囲気で「自然分娩」を叶えます。畳の上での出産、四つんばいや横向きなどのフリースタイル分娩ができます。
医師がおらず医療行為ができないので、妊娠経過中に切迫早産や逆子、妊娠糖尿病、妊娠高血圧腎症、赤ちゃんに病気がみつかったときなどは、提携病院に転院することになります。出産時に何かあった時も提携病院へ搬送となります。
そのため、助産院で出産する方は妊娠中からの健康管理がどの施設よりも厳しめです。食事、お灸、冷え予防、エクササイズなど、助産院の特色にあわせたクラスへの参加が必須のようです。
陣痛から出産まで、ずっとそばに助産師がついています。
あたたかい雰囲気での出産を希望している方、カラダに良いご飯を食べたい方にはおススメです。分娩費用が比較的安いのも魅力です。
グループE:自宅
助産師のサポートによって自宅で出産する方法です。
助産院の助産師または、自宅分娩を扱う出張専門の助産師がサポートする場合があります。
妊婦健診はクリニックや産院などで継続して受診します。自宅分娩をサポートする助産師が健診に同行する場合もあります。
助産院同様、正常分娩のみですのでハイリスクな要因があればできません。
自宅でリラックスして出産でき、家族がそばにいる、上の子をあずける心配がいらないなどの利点があるので、主に経産婦さんの利用が多いです。
医療行為は助産院同様できません。
産後4~5日間は毎日訪問してくれて産後のカラダや赤ちゃんのサポートをしてくれます。
私の見解
どんなに助産院で産みたいと思っても、年齢などで産めない場合があります。そして、やはり高齢初産であれば(そうとは限らないけど)リスクが高くなります。緊急事態を考えると、スピーディーに対応できる総合病院や大学病院を選んだ方が安心だとは思いますよ。
病院にはそれぞれ特色があります。
立ち合い出産あり、なし
母児同室、母児別室
母乳推進
赤ちゃんにやさしい病院(完全母乳。ミルクは与えない)
たとえるとこんな感じです。(もっとありますが・・・)
候補になる病院が決まったら、いよいよ情報収集開始です。
リサーチして、よりポストイットに書いた希望に近い出産場所を選びます。
お産は病気ではありません。
だけど思わぬ事態もあったりします。
こだわり過ぎずに、どの施設を選んだとしても、その場所で「いいお産」を目指してください。
まだまだ書き足りませんが、これを参考に、グループ分け・ポストイット貼り、行ってみて下さいね。
ポストイットの条件がだぶる場合は、同じ色のポストイットにだぶった内容を追加で書いて貼ってください。
ポストイットが一番多いグループが、あなたに合うであろう出産場所の候補です。里帰りにする、自宅近所にするにしろ、候補となる病院を目安に探してみて下さい。
いかがでしたか?イメージできました?
文章だと伝わりにくく、分かりづらいですよね。
実はこのワーク的病院選びは、オンライン相談で実際に行っているものなんです。イメージがわかない、もっと詳しく聞きたい、質問したい方は、ご連絡くださいね。こちらからどうぞを
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