「信じるものは」 SFショートショート
割引あり
「信じるものは」
アナタは突然、駅前の雑踏の中で、誰かに声をかけられたらどう思いますか?
こんな風に。
「天国へ行きませんか?」
僕は、こう云われてドキリとした。
けれど直ぐに、若いピチピチの女の娘たちが、わんさかいるキャバレーかなんかだろうと思って、
「今は、そんな気分じゃないんだ。またにして措くよ」
と、サッサと行ってしまおうとしたんだ。
まったくっ、やっと夕方の6時だってぇのに、時間帯も考えろってんだっ!
「勘違いされてるようなので申しますが、本当の天国ですよ」
こう男は、人当たりのいい笑顔で、サラッと云う。
格式の高い、レストランの支配人のような顔をしてる。
僕を、殺そうとでも云うのか!?
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