生協PCを買う前に見る記事
はじめに
どうも今年から社会に出るふくぶちょ~です。
もう遅いかもしれませんが生協PCの話をしたいと思います。
*この記事は計算研究会(情報技術系のサークル)の人たちと協議しながら作成しました。
この記事で伝えたいこと:
ノートPCに全ての機能を乗せようとするな(特にGPU)
ノートPCは3年で買い替えよ
生協PCを選ぶことは、10万円で軽さ(1.6kg -> 1.1kg)と電池持ちの良さ(8時間 -> 16時間)を買うことと同義です。本当に必要?
25万円の生協PCで本当にいいんですか?
生協PC+4年間安心サポートで25万円程度します(工学部・生物資源学部)。
まぁ大学が勧めてるやつだしと思うかもしれませんが、よく考えてみてください。25万円は大金です。
実は25万円程度あればできることはたくさんあります。
ATの合宿免許に通える。
叙々苑のシャトーブリアンコースに8回行ける。
少し足せば国立大学の半年分の学費が出せる。
これくらいの額を使って買うものですから、よく考えてから買う必要があるのではないでしょうか。以降、本記事では工学部・生物資源学部の生協PC(Panasonic レッツノート CF-FV 大学生協モデル)を対象にします。
生協PCってどんなの?
レッツノートの生協PCは総じて割と優秀です。特に常に持ち運ぶこと、電池持ちが良いことに関してはトップクラスの製品です。
ちなみに、生協PCのSurface(特にGo)はスペックが足りません。MacbookAirは割高すぎるので、自前で買うべきです。タブレットが欲しければ、廉価なノートPCとiPadをどちらも買いましょう。20万円もかかりません。(後述)
生協PCをおススメできない6つの理由
1. ノートPCは3年後に買い替えよう
これは私見ですが、ノートPCが快適に使えるのは3年目までだと思っています。
まずシンプルに性能が足りなくなります。
例えば、PCの中で最重要なCPUの性能についてみてみると、2023年1Qに発表されたi5 13500Hと、2021年1Qに発表されたi5 10500Hの間には2倍以上のスコアの差があります。
これは少し極端な例ですが、2年の間に2倍近い性能の進化が起こっているわけです。それならば、12万円のPCを2,3年後に買い替えた方が賢くないですか?PCも新品に変えられるし、もし2年の間に壊れても同価格帯のPCを買いなおせばいいのです。
また、もう一つの理由に3年程度でノートPCはヘタるというのもあります。CPU、ストレージ、ファン、電源のどれが問題なのかは分かりませんが、個人的には3年も使うとノートPCはもっさりしてきて、使いづらくなるように感じます。この点からも、3年目の研究室配属の直前にノートPCを買い替えるのは理にかなった戦略なのです。
あなたは保証により徹底的に守られた、時代遅れの低性能PCを4年後にも使うべきなのでしょうか?私の周りにも生協PCのスペックが足りずに買い替えた友達が沢山いました。
皆さんには、4年間使い倒せるPCを選ぶのではなく、そもそも3年後には買い替えようという心持ちで、買い替えることを前提にした値段のノートPCを選ぶのをオススメします。
3年後にPCを買うときには自分で選べるくらい詳しくなっているかもしれません。もしあなたが情報系の学生なら余ったパソコンにLinuxでも入れてサーバーを立てて遊んでみてください。
2. ここだけの話、そもそも割高です
生協PCは、そもそも割高です。当たり前なのです。生協が斡旋してサポートをするのですから、付加価値分がかかってきます。ここで重要なのは、その付加価値があなたにとって重要なのかどうかです。正直言って、重さと電池持ちに目を瞑れば、生協PCと同じ満足度のPCは12万円程度で買えると思います。
3. Windows11 Proしか選べない
WindowsにはHomeとProがありProのほうが値段が高いです(10,000円弱程度?)。
値段が高いだけProのほうが当然機能は多いのですがProだけの機能が……
BitLockerによる暗号化
モバイルデバイスの管理
グループポリシー
Enterprise State RoamingとAzure Active Directory
ビジネス向けMicrosoft Store
割り当てられたアクセス
動的プロビジョニング
ビジネス向けWindows Update
キオスクモードの設定
ドメイン参加
Azure Active Directoryドメイン参加とクラウドにホストされたアプリへのシングルサインオン
リモートデスクトップ(サーバ)
クライアントHyper-V
といったものです。
これを見て「この機能が欲しい」という人はあまりいないと思います。
実際多くの人が使わない機能ばかりです(超機密情報を扱ったり情報技術ゴリゴリに極めるなら必要になる場合はあるっぽい)。
ともかく、別にProが選べるのはよいのですがほとんどの人にとって必要がないので、Homeも選べるようにしてほしかったということです。
4. CPUの性能が実はそこまで高くない
intelのほぼ最新の世代(13世代)のi7(最高クラス)なので、最高の性能が出るように見えますが、実はノートPC向けi7には消費電力の違いでモデルが分かれています。
このうち、生協PCのモデルはi7-1360Pというもので、消費電力が28Wと少ない代わりに性能も低いものです。逆にi7-13700Hは消費電力が45Wと多い代わりに性能も高く、ベンチマークでは1.5倍ほどの差があります。生協のPC(SurfaceやLet's Note)は電池持ちを重視する結果、CPUの性能はそもそも控えめとなっているんですね。
自分でプログラムを書いたり、コンピュータ上で実験をしたりする工学部の人にとっては、この違いが3年後くらいに問題となる場合があります。
5. その保証、本当に必要?
生協PCには様々な手厚い保証がついてきます。これを生協PCを選ぶ理由に挙げる人も多いですね。それでは一つ一つ保証やサポートの内容を見ていきましょう。
4年間、アクシデント保証 落としても、水没させても大丈夫!
→ 自然故障以外なら2回までしか対応してくれません。さらにこの保証は修理可能な故障だろうが、修理不可能な全損による再購入だろうが20万円が上限となっています。このPCの値段を覚えていますか?235,520円です。全損の場合2万円の免責金(5,000円は生協が補助?)もかかるので、結局ある程度のお金はかかってしまいます。それに全損によるPC再購入は生協でしか行えませんし、保証は切れます。MacBookAirの場合は1年ごとに保証してくれる金額が下がっていくのでより注意が必要です。
→ 1でお話しましたが、そもそも買い替えを前提としておきましょう。壊れたら買い替えればよいのです。パソコン講習会つき!(有料、26,000円とか?)
→ あなたにとって、本当にそれは必要ですか?この記事を読んでいる時点で、必要ないのでは?むしろこれから、無数の分からないことを自分で解決する必要が出てきます。まずはググって悩みましょう。そしていじり倒してみましょう。安心してください、PCは操作するだけでは簡単には壊れませんから。分からなければサポートも!
→ 三重大学にはCeMDsという場所に、ITサポートデスクがあります。担当の学生がなんでも相談に乗ってくれます。行きましょう。壊れた時には代替機が貸し出されます!
→ 壊れた時に新品のPCを買いましょう。長くても1週間程度で届きます。その間にPCが必要なら図書館のPCで足ります。あんまり要らないと思うけど。
6. ゲームは出来ません
これだけ高価格帯のPCなのだからゲームもできるだろと思うかもしれませんが基本的にできません、諦めてください。できたとしても画質最低設定でカクカクといった感じなので、対人ゲーム(APEXなど)は不可能です。
ゲームをするには基本的に、「GPU」というグラフィックに関する専用のハードウェアが必要ですが、生協PCを含めた多くのモバイルノートPCには搭載されていません。GPUが搭載されているゲーミングノートPCもありますが、これは絶対に大学用として買うべきではありません。でかくて、重たくて、電池もちが悪いです。
25万円ならこんなのはどうですか
じゃあ何を買えばいいんだよ!と言われてしまいそうなので、さらっと良さそうなセットを探してみました。記載している価格は2024年3月現在のものとなっており変更されている可能性がありますが、どんなタイミングでも同価格帯に同じような製品があるはずです。探してみましょう。
大学生活超快適セット(安い)
大学用PC(ASUS Vivobook 14X(Ryzen 7)) 78,800円
嬉しい点:80,000円で、生協スペックと大差ない性能
嬉しくない点:重たい(+0.5kg)、標準的な画質、電池持ちが悪い
iPad Air 84,800円~
19,000円分のギフトカードでペンを買おう
これとキーボード付きカバーを買えば最強
計163,600円(買い替え用に9万円程度を残しておきます。)
大学生活超快適セット(Appleどっぷり)
13インチMacBook Air(M3) 149,000円~
Macbookは授業の想定環境などではサポートされていない可能性があるので、全部自分で何とかする覚悟を持った人向け(でも大体なんとかなります)
ついてくるギフトカードでApple Care+を買うと幸せになれます
メモリが少ないのが難点ですが、Mac OSは少ないメモリをやりくりするのが上手なのでスペックの見た目ほどは差が出ません。
iPad Air 84,800円~
19,000円分のギフトカードでペンを買おう
これとキーボード付きカバーを買えば最強
計233,800円
ゲームを楽しみたいあなたに
大学用PC(ASUS Vivobook 14X(Ryzen 7) ) 78,800 円
嬉しい点:80,000円で、生協スペックと大差ない性能
嬉しくない点:重たい(+0.5kg)、標準的な画質、電池持ちが悪い
ゲーミングデスクトップPC(iiyama LEVEL-M1A6-R75F-RBX-SAKURA) 137,000円~
嬉しい点:値段の割に全体的に性能が良い(大体どんなゲームでもフルHDならそこそこの快適さで遊べる)、BTOの廉価モデルなのにデザインが良い。
嬉しくない点:ハイエンドとは言えないスペック(メモリ16GBなので、もっとほしければ増設しましょう)
モニター(日本エイサー Acer ゲーミングモニター SigmaLine KG251QSbmiipx) 19,800円
嬉しい点:2万円程度で165 FPSまで出せるところ(ゲーム用に買う場合はHzが大きく応答速度が速いものを買いましょう)
マウス(Logicool G PRO LIGHTSPEED) 11,880円
キーボード(SteelSeries ゲーミングキーボード) 7,874円
計255,354円
終わりに
この記事では、生協PCがどのようなもので、どのようなメリットがあり、どのようなデメリットがあるのかをお伝えした上で、おすすめのノートPC購入戦略をご紹介しました。生協のノートPC(Let's Note)は軽いわりに性能もそこそこ高くて、モノとして悪くはないのですが、とても高額であることをお伝えしました。(なお、生協PCから選ぶならLet's Note一択だと思います。)
なお、生協の売り上げは私たち大学生の生活に還元されていくので、もしかすると皆さんが生協PCを買った方が、今の大学生たちにとっては助かるのかもしれません。しかし、その価値と価格の意味を理解していない人が生協PCを買っていく現状には、いささか疑問が残るため、本記事を執筆しました。
生協PCの価格の意味(サポート・保証・軽さ・電池持ち)を理解し、そこにお金を出す価値を感じるなら生協PCを購入しても後悔はしないでしょう。
尚、本記事において明確に誤っている点、誤解を生む表現等ありましたらX(旧Twitter)の@__DielsAlder__までお願いします。
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