風姿花伝
“人、人に非ず。識るを持て人とす”
「風姿花伝」より
風姿花伝:
経験的芸能論を越え、思想、哲学の域に達した著。
「花」という、心理学で言うところの「自己」に相当する完成された人格的概念を提示している。
日本の独自の思想、哲学としては最初期のものか?
“能において、演技は人形であり、其れを手繰るのは心である。心を糸として万能を繋ぐべし”
「花鏡」-万能を一心に繋ぐ事- より、意訳
花鏡:
花鏡にて「極めたる秘伝」とされる概念。
自らを虚ろなクグツとし、更にメタ的な心を持って自らを操る、とでも訳せばいいのだろうか?現代風には。(宗教的に言う所の「神的な狂気」に近いのかもしれない。神事という点でも)
概略:
「風姿花伝」とは西暦1400年代室町時代に成立した能楽者・世阿弥38歳頃の著。亡父観阿弥(世阿弥が22歳の時に52歳で死亡)の教えを継ぎ二十年程に渡って実践した結果を記した秘伝書。一子相伝の書で明治時代(1909)に公刊され一般人も閲覧可能となった。
「花鏡」は西暦1424年に成立した世阿弥62歳の著。「風姿花伝」以降二十年程かけて独自に発展させた自身の奥義を記した著書とされる。