博物館デジタル化調査報告 No.2 〜ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館〜
こんにちは。ミューゼオの奈良です。
第2回は絵画、彫刻はもちろん、おもちゃやテディベアに至るまで多種多様なコレクションを展示・所蔵しているヴィクトリア・アンド・アルバート博物館。今やミュージアムの楽しみ方のひとつとして確立されつつあるデジタルを活用したさまざまな施策をまとめていきます!
国内のミュージアムではあまり見かけない施策も含め調査し、「デジタル化やDXは手段や方法が色々ありすぎて何から手をつけたらいいのやら…」と悩んでいる方の参考になればと思っております。
調査はミュージアムの公式HPを中心にミュージアムとしての取り組みやSNSの活用方法を調査し、個人的に好きなミュージアムストアの情報なども取り上げています。(TOP画像はヴィクトリア・アンド・アルバート博物館公式Facebookを参照)
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館の概要
イギリスの国立博物館
所在:ロンドンのケンジントン
略称:V&A(ブイアンドエー)
常設展示では、2億点以上の収蔵品のなかから約6万点が展示されている。
Webサイトについて
ホームページTOPには開演時間、チケット購入方法、アクセスなど確認できる。
〈開館時間〉水曜日〜日曜日 10:00-17:45(入場は16:45まで)
〈チケット〉展覧会ごと時間ごとなどでチケット予約が可能
【1】サステナビリティ
V&Aはエネルギー効率を考えた設計、展示物の削減・再使用・再生利用に積極的に取り組んでいる。生物多様性を守るため4種類のミツバチを飼育するなど変わった取り組みも含め、幅広く活動している。
【2】V&Aメンバーシップ
これだけでも十分魅力的な取り組みだが、「アップグレード」なるものも。アップグレード会員になると、メンバーズルームを無制限に利用できるほか、すべての展覧会において無制限で入場ができるなどの特典がある。
【3】展覧会情報
常時16もの展覧会を開催。展示会毎にページが作成されているため、どのような展覧会なのか、どんな作品があるのかなどがとてもわかりやすくまとまっている。下記ページでは中世とルネッサンスの写本からの2,000を超える挿し絵を集めた展示会の詳細、展示品の詳細も確認できる。
SNSでの活動
V&Aでは4つのSNSを利用し情報を発信。YouTubeも積極的に活用している。様々な媒体を使って作品紹介を発信しているため、自分の好きな媒体で情報をチェックできる。
中でもPinterest(ピンタレスト)は海外のミュージアムでよく活用されている。
全体を見ながらお気に入りのものをクリックして詳細を見る、ショッピングのような感覚で気になる作品を閲覧することができる。
作品説明のほか詳細情報へのリンクもある。お気に入りの作品をより近く、より詳しく知るための手段として活用できるところが魅力だ。
YouTube
〈チャンネル登録者数〉22.3万人
〈本数〉1000以上
〈配信開始〉2008/08/29 13年前から配信
〈最高視聴〉5,512,147 回
内容:「V&A展示会合板の一部として制作:現代世界の素材」
Shop情報
ここからはV&Aでしか買えないようなアイテムを紹介。
e-Shopはこちら:https://www.vam.ac.uk/shop
●クリスマスのオーナメント
季節のグッツとして様々なクリスマスのオーナメントが販売。そのまま部屋に飾ってもクリスマスを楽しめるアイテムだ。
●ジュエリー
他のミュージアムではあまりみない程のジュエリーの数。シンプルなものから印象に残る変わったものまで、多種多様なジュエリーを数多く販売。寅のネックレスは英国のジュエリーブランドTattyDevineとのコラボ商品。
●ウィリアムモリスのパターンを使ったグッズ
ロンドン出身のテキスタイルデザイナーであるウィリアム・モリス。自然の草花や鳥などをモチーフにしたデザインを折り畳み傘やボタンにしている。他にもコースターが販売していた。
まとめ
▶︎博物館の取り組みとしてサステナビリティを重視している
▶︎所蔵品も多いV&Aでは常時16もの展示会が開催、どのような展示なのかはデジタルで確認できる
▶︎実用性の高いオリジナルグッツが展開されている
ヴィクトリアンアルバート博物館ではオンラインツアーなども開催、グッズもオンラインで購入可能です。作品について詳細が知りたい時は動画などでまとまっているのでYouTubeや公式Webサイトをチェックしてみると良さそう。オンラインにおける取り組みや所蔵作品の豊富さなど、どんな方でも楽しむことができる「ファン目線」の活動が素敵でした。
次回はニューヨーク近代美術館について調査していきます。「MoMA Design Store」でのグッツもご紹介いたします。お楽しみに!