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集中力は誰しもが持っている。集中力がないという人はうまく使えていないだけ。
集中力は私たちにとって非常に重要なものです。
テストでいい点数を取る、仕事で結果を出す、何らかのスキルを磨く等、集中力は私たちの活動に大きな影響をもたらします。
そして、自分は集中力がないと悩んでいる人が多いことも事実です。
集中力のあるなしで時間あたりの生産性は、圧倒的に差がつきます。
そんな集中力について、引き出し方・維持の仕方・鍛え方を紹介したいと思います。
■集中力は誰しもが持っている。集中力がないという人はうまく使えていないだけ。
集中力の源を知っていますか?
集中力の源は、前頭葉のにあります。この前頭葉は「ヒトをヒトたらしめ、思考や創造性を担う脳の最高中枢である」といわれており、思考や感情をコントロールする力を持っています。この力は「ウィルパワー」と呼ばれています。
このウィルパワーが集中力となります。
ウィルパワーには総量には限りがあり、集中力を使うことによって消費されていきます。
つまり、ウィルパワーを無駄遣いしないこと、ウィルパワーの節約を習慣づけることが、大事な時に集中力を高めるひとつの方法となります。
それではウィルパワーの節約と性質について見ていきましょう。
私たちが普段、集中しているのはどんな時でしょう?
試験勉強をしているとき、本を読んでいるとき、スマホゲームをしているとき、爪を切っているとき、、、
集中しているなと感じる場面は多々あると思います。こういった場面ではウィルパワーが消費されています。
それでは、次に上げるものはどうでしょう?
国語の勉強をするか算数の勉強をするか迷っているとき、おやつを食べたいけど我慢したとき、仕事がうまくいった時のイメージをぼんやりと思い描いているとき、、、
実はこのような大して集中力をつかっていないなと思う場面でもウィルパワーは消費されています。
前頭葉には「何かをやる」「何かをやらない」「何かを望む」という選択や決断を担う領域がそれぞれあります。そのため集中しているつもりはなくても、そのような選択や決断をしている時点でウィルパワーが消費されてしまうのです。
つまりウィルパワーは意思決定の時点で消費されてしまい、しなければいけない意思決定が多いほどウィルパワーが消費されてしまい、集中したい時にはウィルパワーが不足してしまいます。
そういった無駄なウィルパワーを節約するためには、まず意思決定を減らすことが有効です。
勉強を始める前にどの教科をやるか決めるのではなく、あらかじめこの時間は国語をやると決めておく。おやつを買わない。一週間の着る服のコーディネートを作り当日はその通りに着る。洗い物はご飯を食べ終わったらすぐやる。など、普段の何気ない行動も知らぬ間にウィルパワーを消費しているので、それを節約するために行動を定型化する、迷いの生じない仕組みをあらかじめ作っておく、習慣化するという方法があります。
私たちは行動によって疲れるのではなく意思決定によって疲れてしまい、集中ができないという状態に陥っていることを覚えておきましょう。
以前、行動についてのnoteで書きましたが、フロー状態(極限の集中状態)に入りやすい人の例として、職人や単純作業の職工を挙げました。
これらの人たちは、高い集中力を長時間維持することができます。それはなぜでしょう。ウィルパワーが無限にあるのでしょうか?
実は、こういった人たちはウィルパワーを消費せずに高い集中力を長時間維持しています。
どういうことかというと、体が作業を覚えているからです。
詳しく見ていきましょう。
体で覚えているというのは、次にこれをやって、その次はこうして、と頭で考えることなく体が動く状態です。
実はこのような体で覚えている作業を行っているときは前頭葉ではなく、小脳が主に働いています。
同じように、スポーツ選手や自転車に乗れる人なども小脳の働きによって体が動いています。もし自転車に乗れない人が乗ろうとすると、重心はこっちに傾けて、右足でペダルを踏んで、ハンドルでバランスをとりながら前をしっかり見て、、、というように前頭葉が働き多くのウィルパワーを消費しながら体を動かしています。しかし自転車に乗れる人はほぼ無意識で自転車に乗れるためウィルパワーの消費は圧倒的に少なくなります。
つまり、頭で考えなくても動けるくらいまで習慣化されたことにはウィルパワーが消費されないため、その分余ったウィルパワーを他の行動に活かすことができます。
集中力がない人は、あれもこれもやらなくては。と考えてしまい結局どの作業もウィルパワーを消費してしまいます。また、やらなくてはいけないことが多いと、その分意思決定も増えます。
逆に集中力の高い人は、ひとつのことを徹底的にやります。体で覚えるくらいまで極めることもあります。そうすることによって節約されたウィルパワーで次の新しいことを集中して取り組むことが出来る。というサイクルに入っていき、いろんなことを高い水準でこなすことができるのです。
多くの分野のことを極めている人と、何をやっても中途半端な人の違いはこのサイクルの使い方にも大きな影響を受けています。
できる人は意識的にあるいは無意識的にも合理的な集中力のサイクルを回せているのです。そしてそれを知り、実践すれば私たちにもできることです。生まれつきの才能や性格の問題ではありません。