こっちのカレーは甘く無い<コツコツ散歩>
カレーは万能。
そのまま食べて美味しいのもちろんのこと、作りすぎちゃった汁物にちょっとカレー粉を足せば別の美味しさで生まれ変わるし、ご飯によし、麺によし、パンによし、パートナーを選ばない懐の太さも見習いたいぐらいだ。
しかしもう一つ、お呼びじゃ無いカレーもある。できればお付き合いをご遠慮したいのだが、長く生きていればいつかは必ずやってくる。そう、加齢。
こちらも万能選手の才があるらしく、どんな体の不調の理由も一言で表してしまう。そして体のあらゆるところで、その影響力を遺憾なく発揮する。
ああああ、イヤダイヤダ。
まだ年齢と体力を結びつけることなど考えてなかった頃、ボンヤリイメージしていた自分の老後は、足腰が弱って運動が思うようにいかなくなっても、絵を描いたり、本を読んだりして、静かに時間を過ごしている姿だった。
いやいや、考えが甘かった。
40半ばから、老眼が始まった。今まで見えていた細部が良く見えず、絵を描くことが苦痛に思えてきた。
腰痛が慢性化してきた。座っていることができない。ちょっと立って、道具をとることも一苦労。なにをやっても、必ず痛い。ずーっと痛い。
記憶力も、ちと怪しい雰囲気を醸し出してきた。複雑なストーリーの小説は、人の名前と経歴と事件が一致しなくて、何度も行ったり来たりページをめくってる。
今まで、まっすぐ進めていた場所に、たくさんの障害物が出現し始めたって感じ。
それでも「なんか最近集中力がないな〜」「なんかやる気が出ないな〜」「めんどうくさいな〜」あれ、私、ウツっぽいのかしら?なんて思ったりして…。
まさか全て加齢のせいだとは。歳のせいで、創作意欲が減っていくなんて、思いもよらなかったので、なんの防御もなくヤツの侵攻を許してきてしまったんだな〜。
うかつであった。
しかしもう、いややっと?気がついたから。
本当に少しずつ。でもじりじりと押し戻していこう。
まずは骨粗鬆症の改善から、ということで、1日20分のひなたぼっこ散歩を始めたよ。
え?それっぽっちって思った?
いやいや、通勤の機会がないと、意外とありがちなんではないかいな。
まずは外に出る。そこが第一歩。
アラカンおばちゃんの、カレーなる反撃の始まりである。
見ててね。がんばる。