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中国では迷わない 出会った人達①

今回の上海旅行、初めての中国個人旅行だった。
実際に行ってみてどうだったのか、今回は書きたいと思う。
「中国で迷うことはない。」
これが、結論だ。
なぜか。
地図を持って歩いていると、誰かが必ず話しかけてくれるのだ。
「どこへ行くの?」と。

一番最初は、駅の構内。反対側のエスカレーターに乗ろうとしているおじさんだった。「どこへ行くの?」。
目的の駅を答えると、「あっちだよ。」と右の方を指さした。
困っている、助けてください、ともなにも言っていないのに話しかけてくれた。
次に驚いたのは、地図と目的地を書いたノートを手にエスカレーターに乗っていた時、後ろから何か中国語が聞こえた。もう一度聞こえて、どうやら私に話しかけているようだ、と思ったら、「どこへ行くの?」と。
彼女連れの若い男の子だった。
地図を広げて、目的地の駅を伝えると、「しっているよ。」十とこの子。
連れの女の子が携帯でルートを調べてくれた。
急な展開に、あたふたしていると、急いでいたのか女の子が男の子の腕を取って「Thank you ! 」と言って行ってしまった。
「Thank you!」はこちらなのに。

今回の大冒険は、高速鉄道に乗って蘇州へ行くことだった。
上海と蘇州が近いと言うことはわかったが、それ以外はほとんど情報を持っていなかった。
なんとか高鉄に乗り、指定された席に行くと、隣は黄色い大きなスーツケースを持った女の方だった。
私は真ん中の席だったのだが、女の人がスーツケースをどけてくれて、入ることができた。
「蘇州平気他院ですが、ここからいくつ目の駅ですか。」と英語で聞くと、次の駅だと教えてくれた。
そして、「私も蘇州へ行くの。蘇州の人間なのよ。」と。
そこから、英語や私のつたない中国語や翻訳機を使いながら、私達はずっと話し続けた。アメリカで働く娘さんがいること。上海交通大学を出て、スタンフォード大学の大学院に行ったこと。今は、雲南省へ友達と遊びに行ったこと。1月1日に、友達の結婚式のブライドメイドとして出席することなどを教えてくれた。
黄色い大きなスーツケースは、娘さんの荷物だとも。
私は、3時間だけ蘇州にいることを伝え、初めて蘇州に行くこと、庭園が有名だとガイドブックで読んだことなどを話した。
女の人は、私の行きたい观前街は地下鉄四号線で、自分も四号線に乗るので一緒に行ってあげると行ってくれた。
そして実際に、切符を買うのにつきあってくれ、四号線の目的地まで、一緒に行ってくれた。
中国の駅は、荷物検査がある。
そのたびに私を気遣ってくれ、係の人に「この子外国の子なのよ。」と言い、何度も着いてきているか気にしてくれた。
「駅に着いたら、エスカレーターに乗って上がるのよ。」と、まるで小さな子どもに言うように教えてくれた。
四号線の目的の駅まで着いた時、せめて出発まで見送ろうとホームに立っていたら、「早く行きなさい。」というように手を振った。
本当に、何の見返りも求めない、忖度なしのただただ面倒見の良い人だった。
中国に行っても、道に迷うことはない、と思う。
誰かが必ず手を差し伸べてくれる。


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