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占いに行ったら「晩年いいですね!」と17回言われた話。


対面の占いに行ったのは人生で2回目だった。


昔は占いは断じて信じていない派だった私の占い遍歴としては、「占いは統計学」と、どこかで聞いてから、なんだか腑に落ちた。

朝の星座ランキングや雑誌の占いランキングはスルーorいいところだけラッキーと思っておくくらいだったものの、星ひとみさんの診断はすごく当たってて、今や、なんなら崇拝している。笑

ただ、対面で占い師さんに見てもらうのは、よっぽど有名な人でもない限り当たりはずれがあるだろうと、ほとんど行ったことがなかったし、興味もなかった。


そんな私が初めて対面で占い師さんにみてもらったのは、バイト時代の友だちと飲みに行って、ノリで行ったときだ。

20分、2200円とかだったと思う。3000円なら行ってなかった。「ま、社会勉強としていっか。」と思える値段設定だったので、行ってみた。

駅から徒歩1分ほどの、今まで何度も前を通ったことのあるビルの中に、占いコーナーがあるなんて、友だちに言われなかったら、気づくことはなかっただろう。

エレベーターをあがり、占いブースに行くと、複数人の占い師が待機しているようだった。友だちが前に見てもらった占い師さんを指名し、コースを選んだ。もちろん2200円のを。

そしてついに、占い師さんとご対面。
「どうぞ。」と言う声は、少し高めで、上品さとお茶目さを感じた。

カーテンを開けた。
そこに座っていたのは、小綺麗な50代くらいの可愛らしい女性(お姉様といいましょうか)で、ティアラを被っていた。



(おー!いきなり胡散臭いやないかーい!!!ww)


と心の中でつぶやきつつ、占いは始まった。

当時は、確か夫との離婚について占ってもらったが、内容はあまり覚えていないので割愛する。(前フリ長くてすんません…)


そんなこんなで?2回目の占いの話に戻るが、その日は、人生の中でなかなかの節目を横断していて、不安の中で少しだけ希望の光が見えかけた日だった。

私は、なかなかの晴れ女だが、私のメンタルが落ちているときは、何かと雨が降る。その日も雨が降っていた。休みの日で、私はまだ小さい息子と一緒に市内に出かけ、午前中のその用事で、かなり疲れていた。でも、その用事の中で、どん底の中から、少しだけ光が見えたのだ。

そんな用事を済ませ、「かあちゃん、お腹減ったー。」と言う息子とともに、オフィス街の、古くてごはん屋さんがいっぱい入っているビルに、雨の中かけこんだ。

時間は13時くらい。その日の朝、食欲がなかった私は、ほとんど食べられずだった。そのせいか、ビルの地下に降り、一軒目で見つけた定食屋さんに、すぐ決まった。750円でカツ丼とそばの定食を息子と分け合った。失礼承知で、息子の分も別で頼んだ方が良いか店員さんに確認するも、嫌な顔ひとつせず、食欲のない私には息子と分け合うのにちょうどいい量の定食ひとつでオーダーを通してくれた。(ありがとうごさいます。泣)しかも美味しい。

息子と「美味しかったね!」と、また少し前向きな気持ちになり、店を後にすると、ついにその時が来た。

お腹がしっかりと満たされて、(さぁ、お家へ帰ろうかな。)と、ビルから駅へ向かう方向を探し始めたところだった。さっきの店から2軒ほど隣に、


「手相5分1000円」の文字。

(あーー1000円ならありかなぁ。手相はみてもらったことないなー。でも5分は短いなー。)と、少しの間悩んで、通り過ぎた。


…が、気になったのでもう一度振り返ると、その様子を見ていたのか、中から占い師さんが出てきた。

「よかったらどうぞ。」と、微笑む女性に吸い込まれ、

(まぁ、今それなりに悩んでるし、これも何かの縁かも…)


と、占ってもらうことにした。

はじめは1000円のコースのつもりだったが、これまた3200円だと手相+生年月日で30分みてもらえる。

(いや、3200円は私にとっては高い。さっきの定食が4回くらい食べられる…いや、でも、私は人生の中で今、なかなか悩んでいるぞ…ここは、えい!思い切って…)


「3200円の方で。」


…気づいたら高い方を選んでいた。


そして、初めての手相占いが始まった。


息子は、占い師さんからお絵かきセットが渡され、母の初体験の横でおとなしく遊んで待っていてくれた。

手のひらを上に、そして両手の内側同士を引っ付けて、見せるように言われた。

そして、30分のタイマーをピッと押された。




占い師A「晩年いいですね!うん、とてもいいです!晩年いいですよ!」



私は、耳を疑った。



私(晩年?万年じゃなくて晩年…?)



しかし、占い師はこれはいいわぁ〜!という感じの明るいテンションで、話を続けたので、

私(きっと”万年”か、もしくは”晩年”って”これからずっと”とか”死ぬまで”とか、そういう意味なのかも!)と、自分に言い聞かせた。


そして、占い師は続けた。



占い師A「これはもう、晩年いいです。ほんとに、晩年いいですね!!!」



私(ん?やっぱり"晩年"って言ってるよな?)


実は、占ってもらう前に、後で内容を思い出せるように、録音スイッチをこっそり押していた。


私は帰ってから、今回の占いを、今後のために復習した。


私が気になってしょうがなかった"晩年"というキーワードを、家に帰ってから何回出てきたか数えた。




17回だった。




そして恐る恐る、"晩年"の意味を調べた。



【晩年】意味 人生のおわりのころ。死ぬ前の数年をいい、年齢には関係なしに用いられる。

goo辞書



おい!ちょっと!待て待て待てぃ!!!


死ぬ間際やないかーーーい!!!


自分にツッこんだ。


要約するとこうだ。


「晩年いいですね!うん、とてもいいです!
晩年いいですよ!」

「死ぬ間際いいですね!うん、とてもいい
です!死ぬ間際いいですよ!」

by 占い師


「これはもう、晩年いいです。
ほんとに、晩年いいですね!!!」

「これはもう、死に際いいです。
ほんとに、死に際いいですね!!!」

by占い師



おい、おい、おい!!!!

私まだ、35ぞ!!!



ほんで死に際がええんか?
どんな偉業を成し遂げて己は死ぬんや?



いや、待てよ?



晩年の意味が違うのかもしれない。


(きっとそんなに明るく「死に際がいい!」なんていう訳がない!そうに決まってるやんかぁ〜もう〜なにを焦ってたんよ自分〜きっと万年をこの占い師さん間違えて晩年と勘違いしてはるんやわ〜
はぁ〜焦った焦ったぁ〜


『ONE PIECE』尾田栄一郎作 より引用


…ていうか、この占い師さん”晩年”と”万年”間違えて今まで占いしてきたんやったら、教えてあげないと、みんな勘違いするやん!!!早よ教えてあげな!!!)



…ということで、占いしてもらったところに電話で問い合わせみた。



出ない。



いや、出てくれよ。



3回くらい電話した。



が、出なかった。



調べてみると、ここの占いは他にも店舗があるらしい。仕方ない。他店舗の人から伝えてもらおう。そして念の為、確認しよう!と、電話した。


数店舗目でやっと電話がつながった。


私「すみません〜、以前こちらの系列で占ってもらったものなんですけど、ちょっとわからないことがあって、聞いてもいいですか?」


占い師B「はい、どうされましたか?」


私「あのー、こちらの占い師さんに『晩年いい』という風に言っていただいたんですが、調べたら”死ぬ間際"と出てきまして…こちらの占いでの”晩年”の意味を確認したくて…」


占い師B「あー!それは違います違います!死ぬ間際じゃないですよ!」


私(やっぱりー🥹✨✨)




占い師B「晩年は、65歳以降のことですよ!」



私(え…今なんつった…?)



私「あのー、“万年”とかの間違いじゃなくてですか?」


占い師B「はい、そうですね!こちらではどの店舗でも、晩年は65歳以降あたりの年齢のことを指していますよ!」




うぉい。


私、35ぞ?



あと30年後めっちゃええのか。


そうか、そうか。


30年後な!30年後うちめっちゃいいんやー✨✨




…ってなるかい!!!!!





ちなみに、占ってもらったその日、私や息子の誕生日に17が付くので、その話をすると、


占い師A「17はとてもいい数字ですよ!どちらも割り切れないでしょ!ほら、大谷翔平も背番号17!うちの息子も17日生まれなんですよ〜。」


そうなんか。なんかいいやん。確かに昔から出席番号も17番多かったし、誕生日も17と絡むし、何かと自分のラッキーナンバー17やと思ってたからええやん〜。



おい。


待てよ。


この人晩年って17回言ってたな。



晩年いいです🔮×17✨





ってなるかいー!



なんで万年ちゃうねん!あと30年先そんな良いって、それまでの30年どないやねーーーん!!!!!



これが私の、人生2回目の対面占い。
実話である。



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