老後の暮らしは二極化する?国も企業も手に入れた利益の使い道をもう少し考える気はないのか?
定期購読している旅雑誌に「サービス付き高齢者住宅」のパンフレットが同封されていた。
徐々にサポートが必要になってくる中高年に向けて建てられる「サ高住」と言われる施設。介護度によって、入居できる介護施設はいくつかタイプがあるけど、「サ高住」にはまだまだ自分で動けて、老後を楽しみたい人が多く入居する印象で、旅雑誌に同封されていた高齢者住宅も、「入居時自立」が条件になっている。
豪華ですねえ。入居金などでもっとお金のかかるサ高住もあるけど。ここは、新庄監督率いる北海道日本ハムファイターズの新たな本拠地である野球場(エスコンフィールド・2023年開場)を中心に造られたボールパークの中の高齢者向け住宅だ。
観音開き8ページのパンフレット。
いや、いいんですよ。
60歳になるまで頑張って働き、ゆとりのセカンドライフが送れるだけの資産を蓄え、活用しているわけですから。
でも、かたや、介護施設になかなか入れない高齢者、独居老人の孤独死、介護者の人手不足、老々介護で共倒れ、介護離職で早まったと後悔する家族。
あまりにも老後の境遇がバラバラ、両極端。
国や自治体が主導して、「サービス付き高齢者住宅」と「特別養護老人ホーム」の中間ぐらいの、多くの人が助かる施設がもっと増やせないものだろうか。高齢者は孤独死や火災などの心配があるため、賃貸物件はなかなか借りることができない。近年、大手住宅メーカーが、条件付きだけど、高齢者でも借りられるコーポなどの物件を手掛け始めているが、利益追求となると積極的に取り組めない。
あまり介護施設をたくさん造っても、団塊の世代がいなくなり、少子化が続けば、後々の使い道に困る。30年、40年先を視野に入れる必要はあるのだろうけど、富める者は安泰の勝ち組で、そうでない者は日々生きていくのもカツカツ、というのは、なんだかおかしい。
「働かざるもの食うべからず」は一理ある。でも、「働いているのに食べられない」という不安を感じてしまう人たちがいるのが今の日本の現実で、わずか30年ほど前の私は想像もしていなかった。