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ポテンシャルを開く鍵

 出張帰りの飛行機でぼんやりと機内プログラム(IPPONグランプリ)を見ていた。ヒコロヒーさんの会話における間の取り方が絶妙で、おもしろさとは演技力の高さでもあるよなぁ、と思った。
 私は学芸会の頃より演技が苦手である。ストレートな性格なので、感情のままに喜怒哀楽を表現することに抵抗はないのだが、それを効果的に見せる演技力は圧倒的にないのである。


 帰宅後、上田先生のワークショップ前の最後のプレセッションがあった。出張帰りでぼーっとしており、最後の15分しか出られなかったのだが、それでもインスピレーションがあり、リンクしたのが冒頭の演技の話である。
 なお、前回のプレセッションの感想はこちらにまとめてある。


 何度もしつこいようだが、私は演技が苦手である。学芸会の舞台で頭が真っ白になり、セリフが出てこなかった経験はトラウマに近い。
 社会人になって研修講師をやるようになっても、登壇が怖かった。舞台の上に立つのと近しい感覚があり、あの日のことがフラッシュバックしてしまうのだ。仕事なので何とかするしかなく、とにかく練習に練習を重ね、実践に実践を重ね、今に至る。

 苦手なことや未知のことに直面したときに、逃げたくなったり、「なぜこんなことをやらなくてはならないのか」と頭が働き始めて体が動かない経験は誰しもあると思う。
 嫌なことはやらなくてもいい、というのは私の基本スタンスにある。でも、自分がコミットした場、自分がついていこうと信じた人が「やってみて」と言うことは、たとえ何のためなのか今はわからなくても、やってみることにしている。それが、ポテンシャルを開く鍵だと確信しているからだ。


 たった15分しか参加できなかったが、今回のプレセッションのキーワードはポテンシャルだったと思う。プレセッションを通じて、私の可能性が埋もれているところはどこかと思うに至った。

※注釈※
上田先生のセッションに参加していると、Points of You®︎とのリンクが多くて刺激される。Points of You®︎のファシリテーターは、自分のポテンシャルについて考える癖がついている(はずである)。ワークショップでしょっちゅう、自分の可能性を閉じ込めているものを見つめ、アンロックすることをやるからである。ファシリテーターとしてワークショップで人にやってもらうためには、まずは自分が実践者でなければならないと思う。


 冒頭でお話ししたとおり(しつこいw)、私の苦手は演技である。しかしそこに可能性があるのだとも思う。だから今年、人生で初めて、2時間だけではあるが、インプロワークショップに参加した。幸いにも、スゴイ演技が求められるわけではなく、私のような演技に苦手意識を持つ人にも取り組みやすいものだった。
 心を震わせながらそれをやってみたとき(苦手なことをやるときはやっぱり震える)、そして夢中で2時間を過ごしたあと、少し重い扉が開いたような気がした。目の前の景色が少し違って見える感じもあった。これまでの経験から、この感覚が、私なりのアンロックなのだろうと思う。


 演技については、まだまだ苦手には違いない。でも、少し時間ができたら(博士論文を書き終わったら……)、私の可能性を開くために、インプロをちょっと真面目にやってみようと思っている。
 ストレートな物言いしかできない私が、ヒコロヒーさんのような間合いを取れるようになったら。その先の可能性は無限大だと思う。

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