戦争するロシアは本当に悪なのか?
私たちの多くは、中東やアフリカ(つまり日本と関係の浅い遠方の地)の2国間で紛争が起きて、それをyahooのヘッドラインニュースで見ても、ほとんど何とも思わないでしょう。そこに感情移入が無い人が大半だからです。
たとえばイスラエルとレバノン(のヒズボラ)は、年中行事のようにミサイルを相手の都市へおとしたり、その報復として爆撃したりしていますが、政治に興味がある一部の人を除いて、イスラエルけしからんとか、ヒズボラ非道だとか、「街なかの声」として聞こえてくる事は、すくなくとも日本社会ではほとんどありません。
では、なぜロシアのウクライナ侵攻(西側の政府とメディアはウクライナ戦争と呼び、ロシア政府は特殊軍事作戦と呼ぶ)について、日本の街なかですら、「ロシアは嫌い」という声が聞こえてくるのでしょうか。
それは、英米メディアが「民主主義 vs 権威主義」として煽りニュースを盛んに流し、日本のメディアがそれに乗っかって、「ロシアけしからん」という風潮を社会に醸成しているからだと考えています。
結果として、メディアは戦況を報じる時に、地名はぜんぶ「ウクライナ読み」に、ロシアのウクライナ侵攻は「ウクライナ戦争」に読み替えられてしまいました。
第二次大戦が終了するまで、戦争は国家の権利という考え方が(西側諸国のあいだでは)一般的でした。国連ができたときに、戦争は国際法上は違法だよ、という事になりました。
じゃ、第二次大戦後にアメリカ合衆国が行った「ベトナム戦争」や「イラク戦争」や「第二次イラク戦争」って何なのよ、という声がほとんど聞こえてこない事にとても違和感があります。そういえば英国も「フォークランド紛争」という小さな戦争をやってますよね。
つまり、英米政府がやる戦争は合法で、英米政府に敵対する国や組織がやる戦争は違法、すなわち「悪」である、という事なんですよね。
それってなんか、アンフェアっぽいなあ、と思った次第です。