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20.深夜の【祖母と孫】プレイ⁈

見守り介護中、ばあちゃん宅に泊まるので、ばあちゃんが寝た後は自由時間です。
テレビはあまり観ず、ラジオを聴きながら、漫画を全巻揃えて持参して読破しまくったり、これを機に読もうと『ハリーポッターシリーズ』を揃えて挫折したり、気功の修練したり、内職したり、小説読んだり、勉強したり…と好き放題していました。

とはいえ、ばあちゃんに夕飯食べさせて、トイレや就寝の介助をして寝かせた後に、後片付けして〜とやっていると、思っているより疲れるようで、「さーて、今日はなにすっかな〜♪」と畳に寝転ぶと同時に、記憶がぶっ飛んで爆睡なんてこともしばしばでした。

確かまだ20時過ぎたぐらいだったのに、ハッと気付くと限りなく0時に近い23時過ぎなこともありました。

そうすると、そこから目が冴えて、お風呂入って漫画など読み始めたりする訳です。
私としては、夜中のばあちゃんの様子を見られるので、結果オーライと思ってました。

「むーちゃん!むーちゃん!」

爆睡後の目がクッキリ冴えてる時に、寝ているばあちゃんに呼ばれました。

「よっしゃ!起きててよかった!」

私は読んでいた本を伏せて、ばあちゃんの元へ急ぎました…と言っても、わずか20歩足らずですけど。

「なに?どしたん?」

照明を点けると眩しいだろうと、常夜灯の中で声をかけました。

「今何時だ?」

「え〜っと、1時過ぎかな。どしたん?調子悪いん?」

言うが速いか、ばあちゃんに不調を訴えられるどころか叱られました。

「まだ寝ねんか!早く寝な!」

真夜中、ばあちゃんは【孫を叱る祖母に変化】してしまいました。
まさか叱られると思ってなかったので、私も少々逃げ腰。

「わかったよ、もう寝るから!はい、おやすみ〜」

そう言って退散。
そそくさと広げたものを片付けて、お風呂に入る頃にはもうばあちゃんのいびきが聞こえていましたが。
翌朝、また聞かれます。

「毎晩遅くまで起きてんか?」

「うん。だって、なるべく起きてて、ばあちゃんの見守りしなきゃじゃん」

これは本当です…途中爆睡は内緒ですけど。
そう言うと、自分のために起きてるのかとそれ以上は何も言わなくなりましたが、デイサービスを出迎える叔母、様子を見にきた母に、私がいないところで、しっかと注意するよう言いつけておりました。

「面倒見てもらってるのに、そういう時はちゃんと【おばあちゃん】になるんだね。孫を心配するんだよ」

ばあちゃんは、認知症ではなかったのですが、しょっちゅう私のことを母姉妹と勘違いする喋り方をしていたのに、そんな時の気分はちゃんと『孫を見守る』になっていたようです。
どっちが見守られてるのか…ですよね。

それからは「おやすみなさい」の挨拶後に必ず、「早く寝な!」が付け加えられていました。
思えば、私に早く寝なさいと叱る人は、ばあちゃんが最後になるのかもしれません。

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