<オリンピックとサマフェスの意義とは?>
音楽はエンタテインメントか?もちろんそうですって方がほとんどだろう。
とはいえプロミュージシャン始め音楽に関わる方々は、辛い練習や競争を繰り返し、切磋琢磨して、多くの人の前で楽しみを与える演奏や楽曲を生み出すために日々努力を続けている。
ではスポーツはエンタテインメントか?
うーむ・・って考える方もいるだろう。
しかし音楽と同じく、辛い練習や競争を繰り返し、切磋琢磨して多くの人の前で勝敗を決める各競技は、優勝やメダルを賭けて名勝負を繰り返し、結果や記録は常に個人やチームの栄光となるのだ。その事実は歴史が証明している。
だからこそ、そんな戦いは観てる側にとっては、極上のエンタテインメントとして脳裏に記憶として残される。
ミュージシャンとアスリートの共通項は、自身の努力により、研ぎ澄まされた精神と鍛錬の結果、数多くの人々を楽しませ、感動を与える事である。
アマチュアのライブもスポーツ大会も、レベルに応じて私たちに十二分な「娯楽」を与えてくれる事に異論は挟めないだろう。
音楽もスポーツも自分がやってて楽しいから、好きで勝手にやってるだけでしょ?
そう思う方は一流と呼ばれるプロミュージシャンや、プロスポーツ選手や、オリンピックに出場する選手たちの、苦悩を、その信じがたい努力を、そのために失うあらゆる事を知らないだけだ。
さて、エンタテインメントはビジネスか?
もちろんイエスという人がほとんどだろう。
TVやラジオ、その他メディアで伝達され、スタジアムに何万人という観客を集めて行うコンサートやスポーツ競技は何千万円、規模によっては何十億円ものお金が動くビジネスそのものである。
ミュージシャンやアスリートにとってはそんな華々しい場所で、自身の努力の結果や自らの感性を伝える事が、やり続けてきた「証」を確認できる数少ない場の一つである。
そんな究極の舞台をそれなりの金額を払ってでも観たい、楽しみたいと思うオーディエンスがいるのは当然だ。
お客さんを集めてスポーツ競技会を開催するには、様々な条件が必要になって来る。
まずスペースが必要だ。競技に応じた施設も必要だ。つまりグラウンドやフィールドやピッチやプールやコートがどうしても必要になって来る。
そして、競技の公平性を担保する審判や記録係やその他の方々、つまりマネジメントスタッフも居なければいけない。
スポーツ競技を行うにはそんな場所と、競技を公正に行うための人的負担が大きいのだ。ビジネスとしてのハードルは高いと感じる。
それに比べて音楽は数人規模のライブバーから、数百人規模のライブハウス、数千人規模のホールクラス、数万人規模のスタジオクラスと、様々な選択肢や環境も自身の状況に応じて選ぶ事が可能だ。もちろん毎週、毎月だってライブをする事も出来る。
とはいえ、どんな小さなライブバーでも売り上げを考えなければならない。それはビジネスだからだ。
しかし開催のハードルはスポーツ競技よりは低いだろう。
スポーツ競技のハードルは高い、それゆえオリンピックは4年に一回しかない。毎月は開催できない笑。
いやね、今やオリンピックと呼ばれるイベントは、基本的にはビジネスそのものですよね・・。
ただそこでしか、世の脚光を浴びる事が出来ないスポーツがいくつも存在するのは事実です。そして、そのスポーツが好きで始めて、人生を賭けて努力してきたアスリートが何人もいるのですよ。
「水球」なんてオリンピック以外ではまず観戦できませんが、めちゃハードでアグレッシブなコンタクトスポーツです。水中で蹴り合って血のプールになる事もあります笑。
しかし、その競技があなたにとって面白くなければ、見なければいいし、数多くの人気を保てなければ消えゆくのみです。
同じような意味合いで消え去りつつある音楽のジャンルも存在する。
例えばシカゴブルース、ウエスタン、フュージョン、ハードロック等々。
万が一「ブルース」が消え去るようなら、ポピュラー音楽の存続意義は消滅すると言っても過言ではない。
ビックなフェスに出たい。そう考えるミュージシャン達は多いだろう。
この時期、オリンピック開催するなら、夏フェスも当然開催だ。
アマチュアから世界的に著名なバンドまで、数多くのミュージシャンの演奏を楽しめるフェスティバルは、たとえビジネスだろうが何だろうが観たいファンはごまんといる。
もし夏フェスを禁止または自粛勧告などされるなら、それこそデモでもなんでもやって怒り狂うべきだ。
もちろん各地のお祭りや、花火大会やスポーツ大会も同じだが、開催権限が自治体にあるというのが面倒で悩ましい。
とにかくエンタメとビジネスで、観客一人一人から、数億人に繋がる世界の人々に楽しみと喜びを伝えるイベントは失ってはならない。
その意味で音楽とスポーツは、そして夏フェスとオリンピックは、同等の意義を共有する。
さて、オリンピックの意義の一つとして「戦争の代替品」であるという事実を知らない人が多すぎる。
戦争を繰り返してきた歴史。
国家とは何か?人種の違いとは何か?闘争本能とは人類にどのような結果をもたらしたのか?
そこを掘り下げていくと大変なことになるので(笑)次の機会にするが、人類が生み出した「平和を維持する知恵」の一つが、国家単位で競争するスポーツ競技だ。
その象徴が4年に1度行われるオリンピックである。
ただし、前述したように商業主義にまみれ、金の亡者のなれの果てに陥ってるという批判はあるだろうし、否定できない。
IOCが放送権料目当てに、必死でオリンピック開催を目指しているのも事実だ。それが彼らのビジネスだからだ。
しかしながら音楽やスポーツの意義を肯定し、必要性に納得して頂けるのなら、価値あるエンタテインメントとして、それがビジネスとして成立する事も理解せざるを得ないはずだ・・。
エンタメを与える見返りとしてのビジネス。
数多くの人々に楽しみを与えるイベント。その需要がある限り、オリンピックや夏フェスの「聖火」を消すわけにはいかない。
この項終わり。