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<CDを売ろう!>その7(最終編)

~プロフェッショナルについて~

さてCDを聴かせて”おお、これは良いね”と思わせるためには、どこかの部分で「プロフェッショナル」の力を借りたCDを作らなければならない。

先日、僕の店にワンマンでライブをやった若手女性ヴォーカリストがいる。
オリジナルを書き、カヴァーも混ぜたセットリストで、英語の曲もキチンと歌える。人脈も豊富なようで、お客さんも満杯だ。

とりわけその夜のライブで感銘したのがバンドである。
名前は伏せるが、日本を代表するプロミュージシャンの豪華なサポートが付いていた。

リハは当日だけなのかな?
プロはリハの回数など関係ない。一回で曲を理解し、本番で圧倒的な演奏を確実に聴かせる。
さらに本人のMCの合間に見事なツッコミを入れ、お客さんの笑いを取りながら。エンタメとは何かをプロは知っている。

本人の素養の良さももちろんあるし、超絶「良い演奏」のバンド含めた料金に見合う内容のライブで、その日のお客さんは大満足して帰っていった。
確実に次回もまた来るだろう。

あなたは「プロフェッショナル」の方々などは、自分たちには縁遠いと思うのかも知れない。
しかしあなたが東京近郊や大都市に住んでいるなら、実はすぐ近くにプロフェッショナルは存在するし、関わって貰う事も可能だ。

それはミュージシャンだけではなく、実はエンジニアもスタジオも然りなのだ。
たとえ名前が知られてなくても”本質的”な「プロフェッショナル」が一人関わるだけで、出来上がる音源のランクが格段に上がるのだ。

シリーズその2でこう書いた。

「ではスタジオを決めよう。知り合いのあの人の所が、安くやってくれるって聞いている。良く判らないからエンジニアもお任せだ。ジャケットもデザインやってる友達がいる。よし、頼んでみよう。」

(第三の間違い)

前回の~制作予算について~でも触れたが、「予算」を組む必要性はここにあるのだ。
多くの方がお金が無いので、出来る限りお金を掛けず、自分たちだけでやろうとする。
しかしさすがに持ってないので、スタジオを使う際にはお金を払う。
「場所」というハードの概念だ。
レコーデイングでスタジオを借りるので費用が発生する、という感覚。
なるべく安いスタジオを捜そうとする。

全く間違いである。

レコーディングを成功させるためには、「良い音が録れて、仕上げられる」人材が確実に必要だ。

安いスタジオでは無く、良いエンジニアを安くお願いする事が重要なのだ。

それがプロのエンジニアであったりする訳だが、最近ではその技術と才能を(仕方なく)持つプロミュージシャンも多く存在しつつある。

もしそういった本質的なプロにCD制作で関わって貰えるのなら、実はスタジオなどどうでもいいのだ。

CD制作費の中におけるプロへのギャランティは外さない方が良い。

それがミュージシャンでもアレンジャーでもエンジニアでもカメラマンでもデザイナーでも同じだ。
それらに必要な「予算」をまず捻出して、与えるべきである。

彼らが本質的なプロであるなら、必ず「目から鱗が落ちる」サウンドなりジャケットなりを提供してくれるだろう。

どんなに売れている大ベテランのミュージシャンでも、必ずプロを起用する。たとえ自分で素晴らしい音作りが出来たとしても。

あの「その辺のエンジニアが束になって掛かっても敵わない」ほど技術と経験と音を聴き分ける能力が高い山下達郎氏であっても、収録やMIXのスタジオには確実にプロエンジニアが存在する。

その必要性を誰よりも理解しているから。

しかし”本質的”な「プロフェッショナル」かどうかを見極めるのはそれなりに難しい。
なんちゃってプロも多く居るからね。

まあ20年以上、それでメシ食ってる人なら大体行けるだろう。まず経験値が段違いだから。
(でも大ハズシもあるから、細心の注意を。笑)

音源デモを聴いてもらって、その反応や彼のアイデアを小一時間やりとり出来れば、その人が”本質的”かどうか多少は見えてくるだろう。

さらに、あなた方にラッキーな事に、この惨憺たる現状ではそういうベテランのプロでも安いギャラで受けてくれる。

心配しなくてもいい。

本質的なプロなら予算内で最高・最大限の内容を作るためにスタジオ押さえどころか、見たことない機材やら、見事なマイキングやらで「良い音」を作り、さらには演奏テイクの良し悪しやら、アレンジ改善のアイデアやら、歌入れのディレクションまで、あなたの数段上のレヴェルでやってくれる。

その方があなたやあなたのバンドを気に入ってくれたら、という条件が付くが・・。

「プロフェッショナル」を利用する事。

そのための「予算」はあなた方が「良い音」で「良い内容」でさらに「売れるCD」を作るために必須である。

CD制作の予定がある方は早速、あなたの周りにいる本質的な「プロフェッショナル」を捜してみよう。

実はそれが我が国の「音楽産業」を救う一端にもなるのだ。

一応この<CDを売ろう!>シリーズはこれで最終編とします。
また何か思いつけば番外編で書くかもしれませんが・・。

長らくお読みいただきありがとうございました。
願わくばこのシリーズがあなたの作るCDに、少しでもお役に立てば幸いです。

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