バレエ入門が実は最大の難関でした。。。
バレエに入門してから、すぐにジプシーの如くいくつかのバレエスタジオの門を叩くことになりました。
先生との相性があるとか、いい先生も悪い先生もいるよなんて、よく聞かれますけども、私の場合は、子供時代に全国制覇を目指す強豪ミニバスケットボールチームで厳しい指導を受けたこと、インドでヨガの指導者になるトレーニングを受けてきたこと、西洋クラシック音楽やアメリカジャズ音楽をピアノ奏者として学んだ経験などがあります。そのため、解剖学的な説明、音の扱い方、フランス語の発音など、先生よりもむしろ受講者の私自身のほうにこだわりがあったのだと思います。
入門大人バレエクラスでは、テクニックや知識を学ぶのではなく、精神論で済ませるようなやり方や、衣装を含めた見た目ばかりにこだわって大事な基礎が欠落しているように、私にはみえているんですね。それが入門クラスジプシーになったおそらく最大の原因です。いろいろ経験や学びを重ねた大人なので、それは仕方ありません。
たとえば、スポーツの世界では時代錯誤とされている状況がバレエの世界には温存されていて、先生自身が子どもの頃に自分の先生からそのように教わった、きちんと説明を聞いた機会はなかったから、自分も説明する必要はない、子供時代からいままで疑問を感じなかったという暗黙の了解があるように感じられました。
「ターンアウトって、どういう仕組みですか?」
最も基本的な質問をしたところ、あからさまに嫌な顔をされたことがあります。
「考えずに、たくさんレッスンを受けていれば、そのうちできるようになるから」という回答もありました。
スポーツや音楽と同じように、ダンスにおいても、ダンサーであることと、指導者であることは、まったく別のことでは???と私の方は私の方で暗黙の了解として思っていたものですから、「黙って見て、とにかくやれ!」というスタンスでこられると、ほんとに内心ひどく驚きました。
これだと英語もフランス語もよくわからない昔の日本人が見様見真似でバレエを輸入した明治時代からあんまりアップデート無さそうだなって思いませんか?
用品メーカーが経営しているスタジオにおける茶道や華道のような?服装に関するマナー?年功序列?上下関係?にもちょっと馴染めませんでした。中学校時代の部活の先輩との付き合いらしいしきたりは、もう卒業しましたので。
先生と生徒が、なんだか歌舞伎役者とそのタニマチみたいになってる集団にも馴染めなかったです。クラシックバレエの舞台講演でとくに観たいものがなかったから、お邪魔しましたーって心のなかで呟き、そして静かにそーっと退出するイメージでしたね。
私はバスケットボールの実業団選手になれとまわりから期待されて育った元アスリートで、女子としては驚異的な跳躍力があります。(ちなみに両手でバーを持って、1番ポジションからはじめて思いっきりジャンプしたら、バーを飛び越えて頭から床に落ちそうになりました)
クラスの最後に大きなジャンプを披露すると、女性講師からまるで男性ダンサーがゲストとしてやってきたかの如く痛くありがたがられることがあります。しかし反対に年配の生徒らからは強い嫉妬を買い、もう二度と行きたくなくなるような仕打ちをロッカールームで被ったこともありました。
いま振り返ると、まあ、ほんとにいろいろあり、なかなか居心地のよい入門クラスをみつけられなかった。刺すような視線がときに怖くてびくびくしてました。とにかくはやく入門レベルを卒業して、まずは初級レベルへ移らなくては!心底焦りを感じながら、バレエのpasをひとつひとつ覚えました。
田町のAでは空調が暑すぎてサウナ状態で、代謝が良いんで熱中症になりかけました。空調設定温度を下げてもらえないかお願いしたところ、中南米のバレエ団にいたという某男性講師から「それはできない。海外はどこもこのくらいの温度だ」「嫌なら別の教室へ行ったらいい」といわれまして、ちゃんとチケットを使い切ってから、表参道と渋谷のAへ飛び込み入会しました。
そこでいろいろな入門クラスをお試ししました。ダンサー引退後に海外のバレエ指導者資格を取得している方、音楽性豊かな劇団四季の元ダンスキャプテン、ロンドンのコンテンポラリーダンス学校の留学経験者の方のクラスは楽しかったです。
なかでもとりわけ大久保のBでワガノワメソッドを教えておられる先生の入門者限定のワークショップは、参加できてよかったです。そこで教わったことをいまでもよく覚えているし、中級になったいまでも生きてます。
大人向けの入門クラスをしっかりと教えられる、つまり大人からのスタートでもちゃんと上達させてくれるバレエの先生はほんとに貴重です!!
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