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21/07/14|原点を周回する

声はしっかり上げるし意見もザクっと言う方なんですが、いざ人に見られていることに気付くと「あんま見んといてください…」という気持ちになります。やり遂げる力はそこそこあるので人前に出るのも不得手ではないのですが、それ自体は実は好きな事ではありません。承認欲求が本当に弱くて、誰に気に入られたいとも思っていないのです。

だからこそ、この「人と人が繋がっている感覚が適度に薄い」noteという場所が、最近好きです。自分が書きたいことを自分のために書けばいい。マガジンのコンセプトがそうだからかもしれませんが、「誰かのために創作しなくてすむ」場所があるおかげで、職業監督(誰かのために作ることを生業としている)の私にとっては、このnoteが思いのほかメンタルバランスが整う場所になっている気がします。

あとは、自分の脳みそ整理のための場所。

過去には、こんな気張った自己紹介を書いたりしていましたが、今また自己紹介を書くと、もう少し違った角度になりそうな気がしますね。

っていうか、改めて1年前の自己紹介を読み直しましたが、なんかこの人暑苦しいな…。仲良くなれる気がしないわ。

この記事はときどき見返してます。高校時代に体験した「物語を撮らなければならない」と、なにか責任感のようなものを感じた、私の本当の原体験

取材で「映画を撮ろうと思ったきっかけは?」「今の仕事を目指したきっかけは?」と聞かれることは多いのですが、この2019年のnoteのことを話してしまうと公のものとして記事になりにくくなってしまうし、尖りすぎてて取っ付きにくいので、いつもは「『ハリー・ポッター』のメイキングを見て!(きっかけの一つとしては事実です)」とオブラートに包んだ「外向き」の回答をしています。

私なりに、私が撮る物語は「人の生き方」にフォーカスした話が最近増えているなと感じているのですが、このあたりの原点に対する想いが、ここ数年は特に強くなっているのかもしれません。

宮崎駿監督が作品を作られるとき、監督メッセージ(企画意図のようなもの)を書かれるというのを、以前どこかで拝見しました。そのメッセージの温度の生々しさに影響されて書いたものが、この『マイライフ、ママライフ』撮影前に記した、私なりの監督メッセージです。

改めて見て、長いっちゃあ長いメッセージなんですが、でも伝えたいこととしては上手く切り込めている気がします。そして、いまでもこの言葉が胸にくるという現状が、空恐ろしい…

私と同世代の彼女たちには叫びたいことが山ほどあって、私が書いた文章よりももっと悲痛な出来事がこの世界には数え切れないほどあります。『マイライフ、ママライフ』で描いた出来事はそのほんの一部です。それだけが、この少子高齢化の原因ではありません。もっとたくさんの原因が幾重にも絡み合って長年放置された結果が、今です。

私たち自身の社会を、私たち自身の力でほんの少しでも上向きにしたい。

そのためには、『マイライフ、ママライフ』のような物語を、例えば『愛のくだらない』や『Eggs』や『朝が来る』のような物語を撮る女性の監督がもっともっともっともっと増えなければなりません。同じ様な作品を撮っているからといって、女性の監督同士だからといって、ライバル視して潰しあう・競わせ合うのは、世のためになりません。

10人の人間がいれば10通りの物事の見方があり、10個の物語が出来上がる。10個とも唯一無二ですし、一つ残らず尊重されるべきだと私は思います。

今は過渡期なので、女性の監督は社会派な物語を撮る方が多い印象がありますが、ゆくゆくは女性の監督さんが撮られたおバカ映画なんかも、見れる日が早く来るといいですね。

(そういう映画、出来たらマジで見たいです)

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