硝子のダイヤを探す未来☘︎︎
⊷ #5異変 ⊶
何事も些細なことの積み重ねで、平穏な世界が一変する。
”それ”はきっと当事者にしか分からない、けれど未熟であればあるほど本人も加害者側も気付けない。
だからきっと事が露呈した時、周りは突然起こったと思い込み被害者の訴えすらまるで被害妄想かのようにあしらい更に追い込まれていく。
「もっと早く声を上げなかったお前が悪い」
とでも、言わんばかりの周囲の視線に自責の念に囚われていく。
一生の傷を負ったとも知らずに。
晦李にとって”それ”がどうしても信じられなかったし
どうしても許せなかった。けれど、、、
気付いた時には、全てが手遅れで訳も分からずその場は笑って流れに逆らうこともできずにやり過ごすことしか出来なかった。
いや、逆らうことを”しなかった”。
正しくは〈空気を読む〉をここで覚えた。
その判断が全ての間違いで、周りの”私というキャラ”が勝手に出来上がっていった。
そして、私の中の何かが切れる"あの日"までそのキャラを学校でも演じるただのマリオネットとなった。
こうして学校の私、家の私、の二面性になった。