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ロジカル・ザ・ジェンティルドンナ


0.はじめに


思い起こせばあれはある秋の頃である。
付き合って5年になる彼女が言った。
「ふゆたそって、私と関わる時間よりウマ娘してる時間の方が長いよね」
瞬間、私に衝撃が疾った。頭の先からつま先まで。
"流石に、人としてヤバくない……?"
今月こそウマ娘に心血を注いではならない、今月こそ周囲の人間関係を必ずや優先してやるのだ!!!!!!


………とは勿論ならなかった。
今月もしっかりウマ娘に朝夜の時間を奪われ、昼は検討や数値周りの調査に精を出した。
では何故こんなことを始めに記したのかというと、その方が自分の異常性が際立って面白いと思ったからである。
第一、その程度の指摘でウマ娘をやめられているならとうの昔にやめているのである。


1.ウマ娘選択について


タイトルにもあるが、ジェンティルドンナを選択した。
決して推しだとか、愛だとか、そんな甘ったれた理由でウマ娘を選択していない。私はウマ娘に心血を注ぐと誓った戦士。勝利こそが最大の誉れなのである。
愛?巡り合い?運命?くだらん…


環境は
・大逃げ逃げ2
・大逃げ3
・大逃げ2逃げ1

・逃げ2後ろデバ
・逃げ2逃げデバ
・逃げ1逃げデバ2

・先行後ろデバ2

・差追後ろデバ
・追後ろデバ2
・差後ろデバ2
・差逃げデバ後ろデバ
・大逃げ追後ろデバ

のいずれかの編成と大概はマッチすることになる。
これを大きく分けて
大逃げ系、逃げ系、先行系、後ろ系
と定義する。
これらのいずれかの編成2つの組み合わせが実際のマッチングとなるわけだが、ジェンティルドンナが苦手なのは大逃げ系と大逃げ系もしくは逃げ系が重なった場合のみ。
全てのマッチ発生が等確率なら基本的には不利なマッチとならないため、メタ次第だが一旦ジェンティルドンナを選ぶこととした。


2.歪みに歪んだメタゲーム


不完全な個体だが仮個体を作成、早速まりー杯、タケノコ杯に参加してみた。
両大会ともに大逃げ系逃げ系の割合は約40%程度。
大逃げ系編成が間違いなく強力であると考えていたため、想像より数が少なく、これはチャンスだなと感じたのを覚えている。

逃げのミラーマッチを避けて選択されることの多い差追込は、この環境においては相対的にキャラクターのパワーが低く(後に登場した新グラスで若干改善された)、マヤノトップガンの切れ者完走率による完成水準の高さも相まって不利を取りやすい選択だったように思う。逃げ6盤面で力を発揮するには極限の仕上がりが求められた。
しかし、環境の早期段階で極限の仕上がりの差追込の練習パートナーが出回ったことはこの選択を助長し、環境の最後までジェンティルドンナのメタ上の強さを支えた。

サークル対抗戦の勝率一覧

メタゲームは変化しないようでいて日々微量だが変化する。
一強と呼べるレベルのキャラパワーを持つマヤノトップガンがここまで避けられるとは思ってもみなかった。
更に、大逃げ逃げ2を選択したプレイヤーたちでさえ、大逃げのミラーを避けて逃げ3にしたり、赤キタを選ぶケースも見られる。
赤キタはともかく、大逃げが減るのはジェンティルドンナにとって非常に優位なメタの動きで、差追込の選択率が高いことも相まって、ジェンティルドンナが環境当初は見向きもされていなかったにも関わらず、最終的には各大会で優秀な成果を残していることにはそういった背景がある。

3.使用個体と戦略


VS逃げ6の盤面を重視した。
その他盤面は不利でないため、基本的には意識しなかった。

・マーベラスサンデー固有≪万彩☆マーベラス★世界≫
逃げ盤面でも前半地点で追い抜きに寄与できる唯一の継承中盤スキル。ジェンティルドンナの中盤における目標は前半で逃げデバフを追い抜いて固有発動することであり、この地点発動が非常に重要になる。
その他4-7の継承固有は大抵が後半発動でジェンティル固有に影響しない。
また、固有発動に影響しないなら効果量を重視して選択すればよいのであり、中盤発動である意味はない。終盤すごく継承で良い。

・バイブス上昇
順位を問わず発動するランダム中盤スキルとして重視して因子周回を行った。最初の直線時点で逃げデバフを追い抜きにかかる展開以外は厳しい展開になるためである。

・一匹狼
基本的にデバフのある環境では無効になるスキルだが、今回は2エースが選択されがちな関係もあって一匹狼が発動する目が存在した。
発動した場合単純に効率の良いスキルなのでこれを取得し、自身のデバフからは一匹狼がなくなるように更新を行った。 

・ネバーギブアップ
バイブス上昇と同様、順位関係なく発動するスキルとして評価。
大体この枠にはニシノフラワーが入るが、賢さメジロマックイーンからかっとばせ!を取得しようとしている関係で採用できなかった。
中盤前半順位が重要なジェンティルドンナの戦略上、逃げ6盤面で発動しない金スキルが2つもあるビルドは躊躇われた。

・ロジカル・ザ・差デバフ
速度デバフは追込が選択されがちだが、今回のジェンティルドンナでは差デバフが適切であったように思う。序盤時点での順位が高くなりやすく、追込エースを序盤コーナーで外回りさせたり、逃げ6盤面で上振れた時にジェンティルドンナの遊びはおしまいっを発動させたりなど、追込では難しい挙動を何度か実現した。

この工夫の成果かはわからないが、逃げ6マッチの勝率もそんなに悪いものにはならなかった。想定していたよりは、という意味だが。
金スキルと継承スキルは育成前に検討して選択する必要があるため、チームメイトと何度も相談を繰り返して現在のビルドが決定された。

4.おわりに

相当な長文だったと思うが、最後まで読んでいただいた皆様には深い感謝を申し上げる。
この記事が参考になったかはわからないが、このゲームの戦略要素は他のゲームでもなかなか味わえない面白みがあるので、是非皆さんも味わっていただきたいと強く思っている。
では、次回の記事でお会いしましょう。

PS.今年のクリスマスは有志大会のルームマッチをして過ごしました。おわり。

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