書評 ドクター・ホワイト神の診断 樹林伸 ついに白夜の謎が解明される。しかし、ありがちな・・・。
ドクターホワイトシリーズ二作目。
医療ものミステリーという感じの作品で
キャラの面白さと、医療にミステリー的謎解きみたいな感覚があって
病名診断みたいな感じで楽しいのですが・・・
今回は、前回の狂犬病で生命が助かったモデルさんが・・・妊娠。
「日比野……いえ、今は滝カンナさんかな。彼女のお腹の中の赤ちゃんがね……」 麻里亜の言葉を拾って、白夜が言った。 「消えたそうなんです」
妊娠。そして、癌が発覚
旦那さんまで病気という
夫婦の病気を治療という展開です。
癌治療のことが主に語られていて
かなり陰気な気分にさせられてしまう。
医療の知識はないが、最先端の知識を取り入れいるのか
なかなか医療ものとしても目新しい感じがした。
「癌は大きさが5ミリを超える程度になると、接着因子を失うなどの理由で癌細胞が原発巣を離れ、血管内に入り込み全身に循環していきます。これをCTC、血中循環腫瘍細胞といい、一部はまたどこかの臓器で血管の外に出て細胞に癒着し、増殖して固形癌を形成します。これが癌が転移する原因の一つになっています」
「そもそも今、一般的な化学療法と呼ばれる癌治療に用いられている抗がん剤は、精巣癌などごく一部を除くほとんどの固形癌を治癒できません。少なくとも大腸癌を完全に治癒させる効果が認められたものは、一つもないはずです」
しかも抗がん剤の多く、いえほとんど総てに発癌性があることがわかっています。癌細胞を殺す細胞毒なんですから、当然のことです。
同じ悪性腫瘍の顔をしていても、中には転移しないものもあるはずなのに、癌なのだから転移する危険があると考えて抗がん剤の投与などを行う。このやり方では転移する可能性の低い癌を手術で切ったあと、念の為に抗がん剤を投与された患者が、副作用で出来た癌で数年後に命を落とすことも起こりうる。
彼女が頭に入れている医療データが正確なものだとするなら、リンパ節郭清も抗がん剤も、癌患者に安易に用いるべきではないということになる。にもかかわらずそれらがこの日本においては、癌を発症した患者の多くに当たり前のように用いられている現実。なぜ誰も改善しようとしないのだろう。
「他に選択肢がないからよ。あたしたち医者が、癌患者にしてあげられることは限られているの。癌を手術で切る、放射線で焼く、抗がん剤で殺す。その三つだけなの、現状では」
死亡率NO1の癌治療の頼りなさを指摘下した内容が多い
免疫力を下げる抗がん剤治療でなく
自己免疫力を上げる方法がいいのではと提議しているのは面白い
笑うとNK細胞が増えるという報告もありますし、心のリラックスが免疫を整えて、癌の治療にポジティヴな効果を生むのは、間違いなさそうです」
白夜の謎の解明が本書のモチーフになりますが
これはよくありがちな・・・
残念・・・
ネタばれするわけにはいかないので書きませんが
違法行為です。
2022 2 6