スポーツインテグリティ研修会に参加 ~参加してよかったこと、感じたこと~

12/14㈫に参加した令和3年度第1回スポーツ・インテグリティ研修会の感想を記していきます。参加した目的は前記事に詳しく書きましたが、3つあります。

  1. 最先端の指導がどうなっているか知る

  2. 指導者のありたい姿を知る

  3. パネリストの益子直美さんがどんな想いで「監督が怒ってはいけない大会」等の活動をされているか知る

まず、1.最先端の指導についてです。
最近では暴力・暴言に対する感度が上がっており、そのような指導が許されなくなっている。ということが分かりました。
菊先生による基調講演で、スポーツは元々(17世紀まで)は暴力的だったことが示され、近代(18世紀)以降、つまり産業革命以降、それまでの共同体が崩壊して、見知らぬ者同士が隣り合う社会になってきたそうです。そのような社会で見知らぬ者同士が殴り合っていたら生活できないので、暴力は根絶することを目指すようになってきたとのことです。そのような社会背景でスポーツにおいても非暴力性が求められるようになっています。
一方で、スポーツ指導の内在的特徴として①身体活動で即時評価が可能な為、指導内容が指示・命令(つまり暴力・暴言)になりやすく、②親密な集団であるがゆえに閉鎖的で、分かってくれるはずという思い込みが生じやすくなります。その結果、暴力的な指導も自分の為にやってくれているという誤解が生じてしまいます。
したがって、スポーツ指導者は今までやってきた指導が本当に「何のため?」「誰のため?」の指導か、自問していくことが大事になってくると感じました。暴力・暴言が許されないという外部環境の変化を感じて、自分のやり方を変えていくことが必要です。小学生への指導をしている私自身を鑑みて、自分の言動が「本当に子供達の成長に繋がっているか」常に自問していくことをやっていきます。

2つ目、指導者のありたい姿です
パネラーの島沢 優子さん(スポーツ・教育 ジャーナリスト/ 公益財団法人日本 バスケットボール協会 インテグリティ委員)のコメントが興味深かったです。指導の厳しさとは何か?という問いを自ら立てられており、それに対する島沢さんの回答は「考えさせる、気づかせる、主体的に動くまで待つ」でした。指導における厳しさとは、怒鳴って叱責することをイメージされる方を多いかと思います(私もそうです)。しかし、見方を変えると怒って世話を焼いてやらせているとも見れます。つまり過保護的であり、甘やかしということです。しかも怒られると脳の線条体(意欲を司る)が働かなくなり、指導された側は仕方なくやる状態に陥ってしまうとのことでした。悪いことに、仕方なくやる状態は一時的で長くは続かないそうです。つまり継続的に学んでいくようにはなりません。
この回答に対し、同じくパネラーの益子さんはご自身の体験として怒鳴る指導をしたときのことを話しておられました。その時の感想としては「怒りの指導は簡単で効果絶大。だけど選手は一気に考えなくなった。指導者の手抜きでしかない」とのことでした。
益子さんのお話しと似たような体験を私もしており、大変共感しました。怒りの指導が本当に子供達の為になるか、疑問に思っていましたが、島沢さんのお話を聞いて、子供達の為になっていなかったのではないかと思い至りました。
人間のやる気(意欲)を出す方法は、欲と恐怖2つしかないそうです。怒る指導とは人に恐怖を与えてやる気を打させる方法です。では欲を出させるようにすればどうすればいか?
私の今のところの答えは「楽しくやること」です。プレーヤーがワクワクするプレーを想像させて練習したり、練習そのものが楽しくて夢中になる…そんな練習を設計して実施できること、これが私の考える指導者のありたい姿です

3つ目、パネリストの益子直美さんがどんな想いで「監督が怒ってはいけない大会」等の活動をされているか、です。
益子さんのコメントで印象的だったのは、ご自身が怒られる指導を受けてきて「自信を持てずにいた」ことです。益子さん自身のバレー歴は輝かしいものがあり、自信を持ってやっているように見えます。しかし実情は違ったようです。引退してからそのような指導に疑問を持ち、監督が怒ってはいけないところまで思い至ったとのことです。
怒る指導が当たり前の時代に、元トッププレーヤーが「監督が怒ってはいけない大会」を立ち上げたことはとても勇気がいることだと思います。私も益子さんの意見には共感することが多く、今後も益子さんの活動はウォッチしていきます。

以上の感想をふまえて私が今から取り組むことを挙げます

・怒らない指導、楽しい指導を模索していく
・個々人の好きを追求させる
・ちょっとだけ難しい課題を常に設定し続ける
・笑顔で練習する

まず出来ることから取り組んでいきます!

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