《 ここは、どこ? 》 六話目
『宝の地図』の話をしましょう。
これは、初めて夕幻書道教室に体験に来られた生徒さんに向けて、決まってお話する内容です。今回は、教室中に話すよりもさらに詳しくお伝えします。
いま、あなたの手元には『宝の地図』があります。
その地図を、広げてみましょう。
地図には✖️印で、「ここに金銀財宝のお宝がありますよ〜」とマークが付いています。あなたは、それを見つけて「やったー!」と言って喜びます。
さて、あなたはこの先、どうしますか?
早速、お宝に向かって歩き始めるでしょうか。
いやいや、待てよ。
金銀財宝に辿り着くためには幾つかのルートがあるみたいだぞ。
どのルートが安全だろうか。
途中に罠が仕掛けてあるかもしれない。
行く手を阻む、山賊が出るかもしれない。
一人では難しいから、用心棒を連れて行こう!
そうだ、そうだった。
森を抜けるためには装備と食糧も必要だ。
よぉしっ!準備万端!さぁて、出発だっ!
・・・あれ?
で、、、
この『宝の地図』の “スタート地点” は、どこなのだろう?
わたしは、この地図で云うところの、
いったいどの位置にいるのだろうか?
この例え話を、あなた自身の物語に置き換えてみましょう。
✖️印にある宝物は、「目標」や「目的」/ 書道教室の場合は、「字が上手くなること」なので、この話をよくします。
ルートは、目的に至るまでの「プロセス」や「計画」
罠は、「トラブル」や「外からの余計な情報」など
山賊は、「モチベーションを下げる他者からのアドバイス」
装備は、「身に付けた技術や知識」また「知恵」や「叡智」
食糧は、「生活費」や「活動資金」など
用心棒は、一緒に活動する「仲間」や「チーム」
準備万端!出発だっ!は、「実際に動き始める時期」
そして、最も重要な「スタート地点」は、
“現在位置” であります。
いま、自分がどこにいるのか。
これがとても、とても大切なのです。
現在位置を把握しないまま「出発だ〜っ」となっても、ただ迷うだけ。
闇雲に歩いて体力を消耗したり、資金を使いすぎる場合だってあります。
いま置かれている状況を確認しましょう。
いまの気持ちを整理整頓しましょう。
生活をするのに「資金」はどのぐらい必要なのか。
誰と一緒にいるのが「気持ち良い」のか。
やりたいことのために本当にその「資格」は必要なのか。
どんなことをしていると自分は「楽しい」のか。
いまやっていることは「あなたじゃないとできない」ことなのか。
嫌なことを「嫌なまま」にしていていいのか。
『宝の地図』も、もちろん大切です。
ですが、その宝の地図のスタート地点に辿り着くための『もう一枚の地図』が必要な場合があるかもしれません。
今一度、“ここ” がどこなのか。
自分の心と体を、感じてみましょう。
つづく。
書を筆で書き表すこと。文章を指で打つこと。違いはあれど、同じく“書く”こと。書くことを、生業にしております。応援いただけたら有り難い限りです。