アグリコラリバイズドのカードプール分析
こんにちは、mutekiです。
今回はリバイズドのカードプール分析をしました。リバイズドはカード枚数が多くて分析が大変なので、各種コンボのコンボ確率と場の畑の重さについて分析しました。
分析方法
リバイズドABCDwizkidsのカードプールを分析する。
リバイズドでは、4グリ・5グリ、7ドラ・10ドラのそれぞれの組み合わせが盛んにプレイされているので、それぞれ4通りの組み合わせについて分析する。
コンボ確率
レンガの家・石の家・早期改築・漁・小劇場・日雇い・小麦補助・小麦消費・パン焼き補助・小麦の種マス・小麦畑・野菜補助(1個)・野菜補助(2個以上)・野菜消費・レンガ累積・厩・厩建設・ズル家の18項目についてそれぞれの項目に該当する小進歩・職業の枚数を数える。
その枚数を基に、ドラフト2~5手目・3~5手目・4~5手目・5手目にそれらのカードが”1枚以上周ってくる確率”と”周ってくる平均枚数”を計算した。
各コンボのカード群のカードパワーの分布は一様で、ドラフトではカードパワーの順にピックされると仮定している。(例えば、10ドラの初手級カード(上位10%のカード)の割合は各カード群の10%であり、ドラフト初手で各カードの10%がピックされると仮定)
リバイズドのカード評価リストがあればそれを参照してより正確な数値が求められるので誰かがリバイズドのカード評価リストを公開したらそれを参照して再分析したい
場の畑の重さ
各小進歩・職業が生成する畑の枚数を設定し、それを基に、全員の手札から生成される畑の総数の平均・下振れ率(畑が一人当たり平均3.5枚以下で終了する確率。基準の3.5枚は変更可能)・飽和率(全員が畑を5枚耕せ、最終手で畑に入れる状態になる確率)を設定した。
カードの平均使用率(手札にあるカードが実際に使用される確率。変更可能)は、EIKの各畑カードの推定使用率の平均値である88%を採用した。
10ドラにおいては、畑カードが最後の3枚に残ってピックされないことはないと仮定した。(最後の3枚に残る可能性を考慮した場合の数値は7ドラのものと同じになる)
※畑の枚数は1~5枚目の畑のみカウントした。例えば耕運鋤の場合、農地を使った場合2回まで畑を2枚追加で得られるが、最後の4枚目は6枚目の畑になるのでカウントせず、耕運鋤の生成する畑は3枚とカウントする。
分析結果
分析に使用したスプレットシート
コンボ確率
注意点
・コンボ確率はあくまで、その後のドラフトでコンボカードが周ってくる確率。ピックするには、コンボカードのコンボした時のカードパワーが他の候補カードのカードパワーを上回っている必要があるので、実際にコンボカードをピックする確率はコンボ確率より低くなる。
・各指標はカードプールの各カード群の枚数を参照している。例えば、初手で取ったカードとコンボするカードが周ってくる確率を知りたい場合は初手で取ったカードをカード群から除外する必要があるので今回の分析結果の確率より少し低くなることに注意
各レギュレーションの違い
5グリ10ドラ>4グリ10ドラ>5グリ7ドラ>4グリ7ドラの順でコンボ確率が高くなる。
今回はまだ見えていないカード枚数を参照している。一周読みは考慮していないことに注意
各コンボ項目
レンガの家
対象:早期に改築することでアドがあるカード・レンガ増築カード
所感:思ったより少ない。
石の家
対象:早期に石の家に改築することでアドがあるカード・石の家増築カード
※レンガの家カードと重複あり
所感:5グリ10ドラ初手からなら早期改築カードか石の家カードを追加で1~2枚期待できそう。4グリ7ドラだとコンボはあまり期待できない。
早期改築
対象:2st以前に改築できるカード
所感:レンガか石の家カードが周ってくるのは5グリ10ドラ初手からで70%ぐらい。1枚1周読みできているなら追加1枚を期待してピックもありかも?
漁
対象:漁アクションを自分が使うことで起動するカード
所感:10ドラ初手だと見えないコンボ材を少し期待してピックしてもよさそう。4グリ7ドラだとあまり期待できなさそう。
小劇場
対象:小劇場アクションを自分が使うことで起動するカード
所感:漁・日雇いと違い枚数が少なく、まだ見えてないカードにコンボカードを期待しない方がよさそう。5グリ10ドラの初手だとコンボ率43%あるのでワンチャン?
日雇い
対象:日雇いアクションを自分が使うことで起動するカード
所感:漁とほぼ受け枚数は同じだが、日雇いの方がカードパワー高めな印象なのでコンボ確率は少し低そう。その分コンボした時のパワーは高いある。
小麦補助
対象:小麦を3個以上入手できるカード
※種を蒔く時に追加で小麦を増やせるカードは除外
※2st以前に”小麦の種”アクションを使う場合その小麦もカウント
所感:基本的には小麦補助は1枚で十分で2枚目の価値は低くなる。5グリ10ドラだと4~5手目でも82%で周ってくるので、3手目ぐらいまでは小麦補助の優先度は低めでよさそう(特に点数目的の場合)。
5グリ10ドラだと、場に小麦補助は4枚前後あるので暖炉が高くなりがち。小麦補助は4手目以降でも取れるので、小麦消費カードを優先的に取りたい。
小麦消費
対象:小麦を2個以上消費するカード
※パン焼き補助も含む
所感:5グリ10ドラなら小麦補助は4~5手目でも周ってくる確率がそこそこあるので、小麦補助がその時点でピック出来ていなくてもカードパワーに従ってピックして問題なさそう。4グリ7ドラの場合は2手目まではピック出来るが、3手目以降は小麦補助の1周読みが出来ていない限りピック優先度は下がりそう。
パン焼き補助
対象:”パンを焼く”アクションを得られるカード
※小麦消費と重複あり
所感:小麦補助と同じ。ただ、パンを焼くための暖炉が他家と競争になることがあるので注意
小麦マス
対象:”小麦の種”アクションを自分が使うことで起動するカード
※小麦補助と重複あり
所感:漁や日雇いとほぼ同じ受け枚数。ただし、”小麦の種”アクションを使用するので他の小麦補助の価値が低くなってしまう。
小麦畑
対象:小麦畑が条件のカード・小麦畑を作ることでアドがあるカード
※小麦補助と重複あり
所感:意外と多いが、重なったところでそんなに強くないことが多い。
野菜補助(1個)
対象:野菜をちょうど1個得られるカード
所感:女たらしなどの野菜1が欲しいカードや”野菜の種”アクションの重さ予想用
野菜補助(2個以上)
対象:野菜を2個以上得られるカード
※種を蒔くときに追加で野菜を得られるカードは除外
所感:小麦補助ほどではないが計30枚ある。野菜消費カードが周ってくる確率は5グリ10ドラの3~5手目で51%。野菜コンボを期待して野菜補助をピックするなら2手目までにしておきたい。4グリ7ドラでは野菜コンボを期待してピックするのはきつそう。
※個数指定なしの野菜補助は基本的に野菜補助(2個以上)を指すとする
野菜消費
対象:野菜を2個以上消費するカード
所感:小麦消費カードと違い12枚しかない。5グリ10ドラだと野菜補助が周ってくる確率は4~5手目でも66%あるので、3手目までは野菜補助が無くてもピックしてよさそう。4グリ7ドラだと先ピックは初手だけにしておいた方がよさそう。
レンガ累積
対象:レンガの累積スペースを自分が使うことで起動するカード
※レンガの累積スペースを使って追加で得られるのが食料1やレンガ1のみのカードは除外
※窪地のみ・粘土坑のみで起動のカードが含まれることに注意
所感:漁や日雇いとほぼ同じ受け枚数。思っていたより多かった。5グリ10ドラの初手ならコンボ材を期待できそう。坑夫が意外と強いんじゃないかと思ってこの項目を入れたが、割と強そう。
厩
対象:厩を建設した時に起動するカード・厩を消費するカード・厩を4軒建てることにアドがあるカード
所感:厩建設カードと合わせて13枚で漁や日雇いと同じぐらいの受け枚数。
厩建設
対象:厩を建設できるカード
所感:厩カードを期待してピックするのはやめた方がよさそう。
ズル家
対象:家が2軒の状態で増員できるカード
※5st以降に”急いで子供が欲しい”アクションを占有されていても使えるカードは除外
所感:思っていたよりは少なかった
場の畑の重さ
EIKとの比較
EIK
カードの平均畑枚数:8.5枚
飽和率:22.7%
畑5枚カードが1枚見えている場合の飽和率:40.6%
リバイズド5グリ10ドラ
カードの平均畑枚数:10.6枚
飽和率:37.4%
畑5枚カードが1枚見えている場合の飽和率:53.7%
リバイズド5グリ7ドラ
カードの平均畑枚数:7.4枚
飽和率:15.2%
畑5枚カードが1枚見えている場合の飽和率:32.8%
EIKと比べてリバイズドは畑が辛い説をよく目にしたので検証してみた結果、5グリ10ドラだとEIKより軽く、5グリ7ドラだとEIKより少し重いぐらいだった。
少なくともカードプールからは、EIKと比べてリバイズド5グリ7ドラだと少し重い程度で、よく言われるほどとても重いわけではないことが分かった。
EIKと比べてリバイズドは畑が辛い説の背景の考察
EIKと比べてリバイズドは畑が辛い説は、
・畑カードの平均使用率が今回の想定より低い
・木が分割されたことにより4st以降の畑が強アクションになりやすい
(・ABCDwizkids以外のリバイズド環境で畑が辛く、そのイメージが持ち越されている可能性がある?(未検証))
ことに起因すると思われる。
EIKは発売から10年以上経っており2021年現在もプレイしているプレイヤーは長期間アグリコラをプレイしている傾向がある。
それに比べ、リバイズドは
・近年新たにアグリコラを始めたプレイヤーの受け皿になっている
・EIKほど発売から年数が経っておらず(特に今回前提としているABCDwizkids環境は)環境が収束しきっていない
などの理由からプレイヤーのプレイスキルレベルが低く平均カード使用率が低いと推定される。その結果カードから実際に生成される畑の枚数が少なく畑が辛く感じやすいと推察される。
EIKでは木の累積スペースが4木と3木のみなので、4st以降畑と並んで4木3木が初手級アクションとなっている。それに比べてリバイズドは木の累積スペースが分割されて4木の累積スペースがないため、相対的に畑アクションが早く埋まりやすくなる。(2木の累積スペースが4木になることもあるがその場合木が安い場である傾向があり相対的に畑が早く埋まりやすい)
その結果、4st以降SPを取った人が畑に行くことになりがちだが、5グリ10ドラの場合カードから出る畑の期待値がEIKより多いので、そもそもSPを取って畑に行かなければいけない状況になる確率が低くなるので、EIKと比べて全体としては畑は軽くなると推察される。
以上の理由から、十分にうまいプレイヤー5人が5グリ10ドラを打った場合、EIKより畑は軽くなるものと思われる。
畑補助の価値
畑補助の価値は、畑が飽和(最終的に全員が畑を5枚以上耕せる状態)すると大きく下がる。そして、畑が飽和するかどうかは全員の手札から生成される畑の枚数に依存するので、もし畑が飽和するのならば畑補助は他の人に使ってもらって自分は他のことにドラフトリソースを注ぎたい。
1枚で畑が1枚しか出ないカードだと飽和率に与える影響は小さいが、1枚で畑が5枚出るカードがあると飽和率は大きく変わる。
例えば、カード使用率88%の卓での5グリ10ドラの飽和率は34%だが、自分の初手から畑が計5枚出る場合、飽和率は53.7%になる。
このように、一枚で畑を5枚耕すようなカードはそのカードが存在しているだけで飽和率が上がるので、他の生成畑枚数が少ない畑補助カードより畑1枚当たりの価値は落ちてしまう。なので、他にいいカードがある場合5枚生成の畑補助は周して他の人に使ってもらい自分は他のカードをピックした方が利益的な場面が多くなる。
まとめ
今回はリバイズドのコンボ確率と場の畑の重さについて分析した。
それによって、各コンボのドラフト戦略と、場の畑の重さの分布が分かった。
今回は時間が無くてできなかったが、畑だけでなく木や飯などの他の項目に関しても分析していきたい。
各カードの評価や使用率のデータがあれば、さらに精度の高い分析ができるので入手出来たら再分析したい。
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