世間知らずの大学生がネパールで約1ヶ月過ごした結果part.2
ネパールで約1ヶ月過ごした結果の続きを書くとしよう。
私は、ネパール滞在している間、現地にある学校で日本語を教える傍ら、英語を学んでいた。
私がいた学校は約4〜17歳の生徒が通っていた。
もちろん私は20歳を超えているので生徒から見たら日本人の大人が来たという感覚だろう…
さて、生徒たちと日常会話を楽しむ毎日を過ごしていたのだが、もちろん共通言語は英語である。
私が最も驚いたことは、母国語であるネパール語に加え、彼らは流暢に英語が話せていたことである。
もっとも、17歳くらいになると日本の学生と同じように英語を授業で取り扱っているのだから多少なりとも話せることは不思議なことではないのだ…
しかしなぜ私が驚いたことに挙げているのか…
それは、7歳、日本では小学1年生にあたる生徒たちでさえ、私と英語で会話することができていたからである。
それ以上の学年の生徒はもちろん、私と英語で会話できていた。
私の英語スキルが低かったのもあるが、日本の小学生と英語で会話しようとしてあれほど会話できるものなのか。
ネパールと日本を教育に関してあらゆる視点で比較してみよう。
ネパールは日本のように紙が潤沢なわけでもない。
そう、ネパールの生徒は、日本の生徒のように科目ごとにノートを分けているわけでもなく、共通のノートを使用していた。
さらに、筆記用具も日本の赤ペンや多色ボールペンのように色分けする道具があるわけでなく、鉛筆一本と消しゴム一つ、しかもその消しゴムは私たちがよくお店で買える新品の消しゴムのカケラのようなものである。
だから日本から文房具を持って行ってた私のボールペンや、多色ボールペンを生徒に何度もせがまれた。
もちろん、私が日本に帰国する前日に、ジャンケン大会を開いて勝者に私が持って行っていたボールペンを全て配ってきた😂
最も当然だが、各教室には日本のような黒板があるわけでなく、ホワイトボードなのだ。そして、支給されるマーカーは、黒一色。
日本の学校のように板書が鮮やかに彩られるわけでもなく、黒一色で生徒も教師も完結させなければならないのである。
そして教室はかなり狭く、空気の通りがとても悪い。つまり、基本的に気温が高いネパールにおいて空気の通りが悪いことは、室内の気温がとても高くなることを意味する。そしてさらに、日本のようにエアコンのようなものがあるわけなく天井についている扇風機のみが唯一の涼みである。
だが、毎時間涼しい環境の中で授業ができるわけでもない。
それはなぜか。
ネパールの電力供給が安定していないからである。停電が起きてしまうと、何時間も蒸し暑い教室で授業を受けることになる。
もちろん私もその環境で授業をしたことがある。
終わる頃にはサウナに入っていたかのように汗だくであった。
画像を見てもらったらわかるように、狭い教室の中に生徒がぎゅうぎゅうに座っているのである。
さぁここまでネパールの生徒の状況を紹介した。
あなた方はどのようなことを感じただろうか?
比べたらわかるように、日本はネパールよりも圧倒的に教育面の環境が良い。
日本の学生は何不自由なく快適な環境で授業を受け、学習することができている。
それなのになぜ、ネパールの学生より日本の学生は英語が話せない割合の方が高いのか。
私はとても恥ずかしくなった。
日本の学生はネパールの学生よりもとても良い環境で学習できているのに、なぜこんなにも英語スキルに差があるのか。
日本で得ているこの素晴らしい環境のメリットを活かしきれていないのではないか。
それと同時に、もしネパールの学生が日本の環境で授業を受けていたらどうなっていたのか。
ネパールの教師が特段素晴らしい授業を行なっているわけではない。
日本の授業の方が圧倒的に質が高いと思えた。
だから、教師のレベルが問題なわけではない。
そう、問題は生徒のやる気なのである。
ネパール人は物事に対してモチベーションがものすごく高く、必死に取り組む。これはpart.1で述べた仕事の話にもつながる。
国民性が表れているのかもしれない。
日本の学生が今の環境を無駄にしていたり、活かしきれたりしないことが、ネパールなどの国の学生に対してとても失礼な話であると感じた。
日本は、日本政府は、学校給食などの無償化や、学校設備への投資なども大切だが、それよりも真っ先に生徒の勉強に対するやる気・モチベーションを高める政策を考案すべきではないのだろうか。
他国には物や環境に頼らずとも学習し、己の能力を上げることができている学生が数多くいる中、日本は物や環境に頼りすぎである。
物や環境がいくら良くても、個人のやる気・モチベーションが無ければそこへ投資したお金の無駄になってしまう。
物や環境に頼るなら、ネパールなどの国の生徒に恥じない学習をすべきであるだろう。