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左半身が動かない!#12 兆候
ここでは、脳梗塞を発症する前に感じた異変について書いてみたいと思います。
常に頭の中がぼーっとしており、何かふわふわ浮いているような感覚が続いていました。これを二日酔いや不眠症のせいだと思い込み、コンビニで炭酸水やトマトジュースを買って対処していましたが、日常的な問題と捉え、病院に行くことはありませんでした。
私は昔から病院に通うことがほとんどなく、薬の服用もほぼ経験がありませんでした。そのため、自分はとても健康だと思い込んでいたのです。
脳梗塞を発症する1年ほど前、確か土曜日の昼過ぎ、熱っぽさと頭がくらくらする感覚に襲われ、ふわふわ浮いているような状態になりました。そのとき、サイゼリヤで白ワイン500mlとハンバーグを食べた後、自宅に帰りました。
その頃の血圧を振り返ると、上が216、下が150近くという異常値でした。これは、一般的な血圧の上限をはるかに超えた、まさしく異常な数値だったのです。
サイゼリヤを出ても火照りは治まらず、しばらくベンチで休みました。その後フラフラと帰宅し、居間でバタンと横になりました。しばらくすると、鼻血が出始めたのです。
鼻にティッシュを詰めて頭を天井に向けましたが、すぐにティッシュが真っ赤に染まり、血が滴り落ちてきました。何度もティッシュを交換しましたが、血は止まりません。
さらにしばらくすると、口から直径3センチほどの血の塊が出てきて、台所のシンクにポトンと落ちました。
「これはまずい」と思い、救急病院に向かいました。そこでも血は止まらず、医師から「ここには耳鼻科の専門設備がないため、本来であれば出血を焼いて止めるべきところですが、応急処置をします」と告げられました。
消毒した3メートルほどの脱脂綿を鼻に入れ始めたのですが、これが非常に痛く、思わずのけぞりました。それでも医師は器用に脱脂綿を鼻の奥まで詰め込み、すべて入れて処置が完了しました。
「応急処置なので安静にして、月曜日に耳鼻科に行って診察を受けてください。もし出血が止まらなければ、再度こちらに来てください」と言われ、その日は帰宅しました。幸い、血は止まりましたが、月曜日に近所の耳鼻科を受診しました。
耳鼻科では若い医師から「来るのは耳鼻科ではなく内科ですよ!」と言われました。血圧が異常値のため、ガーゼを取ると再出血する恐れがあるという理由で、治療を拒否されてしまったのです。
仕方なく、耳鼻科に強いと評判の医科歯科大学病院に行くことになりました。
その頃には血圧が190近くまで下がっていましたが、それでもまだ高い状態でした。1時間ほど待たされた後、若い耳鼻科医が現れ、ダウジングロッドのような器具を鼻に挿入しました。それを鼻の中の患部に当てると「パチッ」という音がして、患部が焼かれ、止血が完了しました。
医師は「鼻の中のキーゼルバッハ部位からの出血でした。脳でなくて良かったですね」と言いました。確かに、もし脳でこれだけの出血があったら命はなかったかもしれません。そう考えると、運が良かったのかもしれません。
脳梗塞を発症する数ヶ月前、右足が異様に膨れ上がり、ふくらはぎ全体がズンドウのようになりました。整形外科でCTを撮っても原因はわからず、靴が履けないため、しばらく突っ掛けを履いて通勤していました。
今思うと、足が膨れるのは循環器の異常が原因である場合が多く、このときの症状も兆候だったのかもしれません。
さらに、倒れる1週間ほど前には、階段を降りる際につまずきそうになることが増えました。左足がうまく着地できず、歩いていると足が交互に出なくなり、左足が地面に引っかかるような感覚がありました。
これらは典型的な脳梗塞のサインであり、もしこのとき病院に行き、血栓を溶かす薬を服用していたら、左半身が麻痺することはなかったのではないかと思います。
血圧が高くなるのは、血管が詰まり血流が滞るため、心臓がポンプの力を強めようとする結果だと考えられます。高血圧自体は結果であり、何かしらの原因があるのです。
私の場合、何度検査しても原因はわかりませんでしたが、2度目の入院で大規模な検査を行い、ようやく原因が判明しました。 (続く)