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カゴをもったお年寄り

歳のころは80代半ばだろうか。とても背が高く、映えるような白に赤の縦ストライプの仕立ての良いシャツと、淡いスカイブルーのパンツを履いたおしゃれなお年寄りと、紺色のフレアスカートにダンガリー色のシャツを着たショートカットのお婆さんがいました。おじいさんは杖をついたお婆さんを気遣い、そこだけ温かい愛があふれていました。

ものづくり展があったエレベーターで一緒に待つことになったとき、おじいさんはとても明るく楽しそうに会話をしていました。

矍鑠(かくしゃく)なお二人の背中を見ていると、右手におそらく買ったばかりの民藝のカゴを持っており、それを振り振りしているのです。まるで小学生が新しいランドセルを背負い、喜びに満ち溢れているかのようでした。

年をとっても、新しいものに興味を持ち、手にしたときの喜びを持ち続けるというのは、大事なことですね。

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