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長崎スタジアムこけらおとしと尊敬すべき高田さん
10月に長崎スタジアムがオープンし、そのこけら落としとして、長崎出身の福山雅治さんが県民を対象とした無料ライブを開催するそうです。長崎市の人口は約42万人、長崎県全体では約131万人に対して、28万人もの応募があったそうで、これほど話題になるイベントは他にないと感じました。
偶然にも先日、ライブの際に立ち寄るという思案橋ラーメンでちゃんぽんをいただく機会があり、店内に飾られた福山さんの、誠実な文体で書かれた数々の色紙を眺めながら、「もしかしたらこの席で召し上がっていたのかもしれない」と思うと、感慨深いものがありました。福山さんはラードとニンニクを加えた特製「ばくだんちゃんぽん」を好んでいたそうですが、私は普通の特製ちゃんぽんを頼み、涙を飲んだものです。
また、以前読んだ高田明さんに関するエッセイを思い出しました。高田さんは25歳で会社を辞め、実家の写真屋を手伝うことになりましたが、成功までの苦労話が印象的でした。当時、旅館に出向き、酔っぱらった宿泊客の記念写真を撮り、急いで戻って深夜に現像し、翌朝にその写真を渡すと、当然ながら感動され、その評判が口コミで広がり、家業がさらに盛り上がり、佐世保をはじめとする数店舗へと展開していったそうです。
デジカメやスマホの内蔵カメラが当たり前の今の世代にはピンとこないかもしれませんが、昔は銀塩フィルムを使い、現像するまで数日かかることが普通でした。そのため、翌日に現像して写真を渡すというのは画期的で、他社がやっていない、またはできないことだったのです。
さらなる飛躍のため、高田さんはラジオに出演し、ラジオコマーシャルを流していましたが、ひょんなことから自身が話すことになり、それが大いに受けて、5分話すだけで100万円もの売上があったそうです。そう、高田さんの話術が最も利益率の高い広告だったのです。おそらく、旅館で写真を営業した際に磨かれたトークスキルが、ラジオでも人々の心を掴んだのでしょう。
高田さんは「一生懸命やらなかったことを失敗という」と、自らの経験に基づいて教えておられます。そう考えると、人生に無駄なことはないのだと改めて感じました。
みなさんご存知のジャパネットたかたは、その知名度と収益力が非常に高いですが、上場していないようです。おそらく、経営に対して株主からあれこれ言われたくないのでしょう。例えば、内部留保を配当に回せとか、自社株を買い戻して株主に還元せよとか。
長崎駅の近く、元三菱重工業の広大な工場跡地に、スタジアムと併設された複合施設が建設されており、地元の活性化の起爆剤になると期待されています。そのスポンサーはジャパネットたかたホールディングスだそうです。地元を愛する気持ちがこの形となり、同じく長崎出身の福山雅治さんによるこけら落としライブが開催されるというのは、これから長崎県が盛り上がる合図となる気がしました。
さらに、この地域は歴史的にも重要な場所です。昭和17年には、長崎で民間企業の三菱重工業が戦艦武蔵を建造しました。この世界最大級の戦艦は、浸水時にあまりの大きさで津波を引き起こしたと伝えられています。この地で、新しい時代を象徴するスタジアムがオープンするのは、まるで歴史の新たなウェーブが波たつようで、ワクワクします。
風光明媚で、食べ物が美味しく、運転は少し荒いですが、気さくで親切な人々が住んでいるこの地を私も陰ながら応援しています!