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トークサバイバー面白い!

仕事で人前で話す機会が年に何度かあります。最初は準備不足で時間が余ってしまい、残りの時間を質疑応答にしたところ、場を乱す人が回答しにくい質問をしてきて、混乱し、恥ずかしい思いをしたことを覚えています。

それからは、事前にしっかりとシナリオを作り、何度も読んで準備するようになり、時間内に話をまとめられるようになりました。講演には一般の人向けとその道のプロ向けがありますが、特に学校の校長先生のOB向けの講演では非常に緊張したことを覚えています。

慣れてくると欲が出てくるもので、笑いを取りたいという思いからいろいろ工夫を凝らすようになりました。聴講者の中で一人でも場を盛り上げてくれる人がいると雰囲気がとても良くなったり、その人が笑うと周りも笑いにつながることがあります。そのため、場の中でそういった人を見つけ、どうやって掴むかに非常に頭を使います。

ネットフリックスには「トークサバイバー」という番組があり、最近シーズン3が公開されました。あまりにも面白くて一気見してしまいました。千鳥の大悟さんがドラマの主人公を演じ、キャストには本物の俳優と芸人が迫真の演技を披露しています。セットもさすがネトフリ、本格的でシリアスなドラマに仕上がっています。この番組の仕掛けは、ドラマの中でトークテーマが出され、それぞれの芸人が大喜利をするという展開です。まるで松本人志の「すべらない話」がドラマに組み込まれたようなイメージです。

突然出されるテーマに対して芸人たちは速攻で面白い話を考え、笑いを提供します。人を笑わせることの難しさを身をもって知っているだけに、芸人たちの頭の回転の速さや笑いのツボを押さえた技術には心から感心し、尊敬します。

また、千鳥の相方・ノブさんがドラマにナレーションを入れるのですが、それもまた絶妙で、さらに笑いを誘います。大悟さんの俳優としての演技とトークに加え、ノブさんの合いの手があって、二人はまさに次世代のお笑いを作り出す天才だと感じました。

このドラマには、テレビとの大きな違いもあります。芸人たちは大喜利の中で色恋沙汰やゴシップ、さらには下ネタや放送禁止用語まで普通に話しています。地上波テレビではありえないようなトークが聞けるのです。同じ芸人でも、テレビとネトフリでは生き生きとしており、トークが冴えわたっています。

地上波ではコンプライアンスの関係でNGワードを避ける必要があり、まるで地雷原を歩くように細心の注意を払ってトークをしています。そのような環境で笑いを取るのは、いったいどれほどの頭の回転が必要なのかと考えると、そのクレバーさに驚かされます。

NGトークをしたことで干されることもありますし、交通事故などの問題を起こせば謹慎になるなど、非常に窮屈な状況です。しかし、ネトフリでは問題を起こした芸人や芸能人も俳優として出演しており、見事なトークと演技を披露しています。

脈絡のない文章になってしまいましたが、「清い水に魚は棲まない」ということわざがあるように、人間は完全に正しい生き物ではありません。他者のミスをあげつらって批判するこの風潮は、笑いを提供し人々を喜ばせることが仕事の芸人たちを窮屈にしています。しかし、ネトフリはスポンサーのしがらみがないので、これからも面白い作品をたくさん世に出してくれると期待しています。

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