見出し画像

レトロゲームを語らせてくれ『サバイバルキッズ 孤島の冒険者』

なぜか私はシリーズ物の2からそのシリーズを知ることが多い。偶然でしょうが不思議ですね。
今回のサバイバルキッズ 孤島の冒険者も、サバイバルキッズ2 脱出!!双子島をクリアしてから知りました。
今でこそシリーズ物は後継作の方が改善や改良されているものだという認識がありますが、小学生の頃の私はそれを知らなかったのです。
ですが、サバイバルキッズ2をやった後だからこそ、サバイバルキッズを楽しめたのかもしれません。
今回もネタバレがあるので、ご注意ください。


サバイバルキッズとは?

主人公が10才になった記念に、親子で船の旅行に出かけていたが、突然の高波に巻きこまれて船が沈没してしまう。
父親ともはぐれ、主人公は1人無人島に漂流してしまった。
浜辺を探索して見つけたのは、冒険家の父からプレゼントされたナイフとラジオとマッチが入ったリュックと、水筒だけ。
果たして主人公は無事に無人島から脱出できるのか。

今作は2と違い、主人公は男の子か女の子かを選べます。
選ばれなかった方は後に遭遇することになりますので、名前を決められます。
私は適当に名付けて正解だったと後に思いました。
男女の違いはイベントの絵が変わるくらいしか変化はありません。

ゲームシステムの説明

ライフ・まんぷくど・すいぶん・ひろうど
4つのバロメーターは2と同じですが、ひろうどだけ違います。
ひろうどだけは高くならないように気をつける必要があります。無理せず休みましょう。
ライフが0になるとゲームオーバーになるのは2と共通ですが、今作はシビアな条件分岐でゲームオーバーになるイベントがあります。

状態異常も健在。
2と大差ない感じですね。

食べ物も2と同じく。
今作は動物を狩るために、条件を満たせば罠や落とし穴を作ることができます。

アイテムを使わない先に進めないのも2と共通ですが、私の体感だと難易度は2より高いです。
アイテムの合成はできますが、分解と加工がないので合成した物を分解で元に戻すことができないので注意が必要です。

基本システムは変わらないのですが2と比べると、プレイしている時に天候が気になるようになりました。
小学生の頃は知りませんでしたが、サバイバルキッズは天候によってひろうどやげんきの変動に差があるようです。
例として、雨の日は傘の代わりになるものを装備しないとひろうどが上がりやすい。などがあります。
もちろん小学生の頃の私は脳筋だったので、1つしか装備できないからナイフをずっと装備して雨の中も探索していました。

前回同様、中古屋で説明書なし、外箱とソフトのみの購入だったからかもしれませんが、かなり苦戦した記憶があります。


エンディングの数
エンディングはマルチエンディングシナリオで、今作も複数用意されています。
なんなら2よりも多く、その数なんと8個です。
しかも中になんと鬱エンドとバッドエンドがあります。

サバイバルキッズ2からサバイバルキッズを知った私にとって、初代の洗練ともいえるエンディングばかりで……小学生の頃はこれで初めて絶望感を覚えました。


小学生の頃の私の感想

正直に言うと「サバイバルキッズ2」が面白かったから、初代の「サバイバルキッズ」をやりたかった。単純な理由でした。
サバイバルキッズ2のわくわく感を期待して初代をやり、生存日数が2桁になる前に気づきました。
「あっ、コレは怖いやつだ」
そう気づきました。
当然です。初代は『遭難』して10才の子供が1人で無人島に漂流し、人の気配の無い島を探索するのです。
相棒枠の動物も初代は猿なので、オウムと違って言葉がわかりません。1人よりはマシですが、進んでいく画面は主人公1人しか映りません。
わくわくどころかヒヤヒヤが勝りました。
2と違うのは人工建造物の種類の違いもあります。
同じ無人島でも、戦時中に使われていた船や灯台、詰め所などはなく、初代にあるのは謎の遺跡と船場とモアイ像。
見慣れないモアイ像の数の多さは異質な雰囲気があり、小学生の頃の私は不気味に感じました。

仕掛けもかなり苦戦したものです。
初代の有名なのだとワニをどうするか、だと思います。私もかなり苦戦しました。
最終的に貝の説明文にある「生で食べるのはキケン」の「キケン」の文字に望みをかけて、ワニに食べさせてどうにか進めましたが、ノーヒントでよく進めたものだと、我ながら感心しました。

そう、初代は2に比べるとストーリーもエンディングもシビアです。
2つの島を行き来して脱出するスタイルは変わらないのに、初代には自然の怖さとサバイバルの厳しさを強く感じました。
ひと夏の冒険! という雰囲気の2と違い、初代は生きるためのサバイバル! という緊迫感があります。
小学生ながらにその違いを感じ取り、頭の中は「脱出したい>怖い>>>>試行錯誤するの楽しい」といった感じでした。ビビりですね。

まあ最初に見たエンディングがイカダで遭難バッドエンドで、次に地震ゲームオーバー、やっと生存脱出したのはラジオを直して救助活動の放送を聞き、浜辺にSOSをつくってヘリコプターに救助されるという……これだけで手汗びっちょりでした。
食料と水をアイテム欄パンパンにしないとせっかくイカダを作っても遭難してしまう、けど準備に時間をかけていたら地震でゲームオーバーという、なんともシビア。自然は恐ろしい。
あと「生存日数」のフォントがものすごく怖い。

なんとか他の島にたどり着いた(再漂流)先で出会った、主人公選択画面で選ばれなかった方の子は弱っている。
安直な私はひたすら元気になるように、弱ってる人にはフルーツ! という感じでひたすらフルーツを相手に毎日あげてました。
そして迎えたエンディング5……プレイした人なら誰もが悲しんだであろう、船で脱出した後に相手の子が倒れ、そのまま目を覚さなかったエンディングにたどり着きました。しばらく放心状態になった後、フルーツだけあげて、肉をあげなかったから? と的外れなことを後悔しました。

このエンディングは遺跡が出現してから14日以上経っているとなるそうで、当時の私のセーブデータでは遺跡出現から日数がだいぶ経っているものしかなく、どうにもできませんでした。
鬱エンドの影響なのか遺跡攻略の記憶が全くなく、こんな難しい場所を攻略できた自分スゴイなあ、と大人になってから昔の自分の根気強さとトライアンドエラー精神に驚くばかりです。

もはや心境はホラーゲームをやっている感じでしたが、先に2をプレイしていたからこそビビりな私でも怖がりながら楽しめました。


大人になって改めてプレイしてみた

小学生の頃に比べて恐怖は薄れましたが、それでもやはり2とは違うなあ、と改めて思いましたね。
どちらも野生動物の危険性は変わりませんが、自然しかない島に明らかに不自然なモアイたち。突如現れる遺跡や、怪しい古代船。
説明のない謎に包まれたままゲームは終わりますが、わからないままなのがまた怖いですね。
でも主人公の視点で話すならそれが普通なんです。
遭難して無人島に漂流してサバイバルを強いられる環境に、たった10才の子供が放りだされるんですよ?
父が冒険家とはいえ、生きるのに必死になったことでしょう。しかもせっかく会えた人は、異性の同じ年の子供で弱っている。
見つけた船は複数の鎖で繋がれ、外すには宝石を集めなければならない。
それを1人で無人島中を探索して見つけ、無事に脱出して家に帰れた時の安堵感は、きっと本人にしかわからないことでしょう。
ですが決して小さな安堵感ではないと思います。それこそ、漂流した島の謎を忘れるくらいに。

私はあの遺跡やモヤイ、白骨死体などの説明がゲームでされないのは、子供目線で見ているからだと思います。
きっとあの子たちにとってそれらの謎は、家に無事に帰れた安堵感より勝るものではなかったのではないか。そう思います。
後々になって、そういえばと思い出すことはあるかもしれませんが、少なくともゲームクリア時点ではそんなのは些細なことだった。
ゲームをプレイしただけだと、こんな感じがしました。攻略本とかで説明あるんですかね?

あえてエンディングを全部回収しようとは思いませんでした。
初代は攻略を見ずに、自分の経験と選択でどのエンディングになるのか、まるで答え合わせをするかのような感覚でプレイしています。
それでもミスで鬱エンドになることもありますが、小学生の頃に比べて負う傷は浅くなりました。
初代は2とは違い、冒険というには軽く、それこそサバイバルという文字がよく似合う。
ドット絵のゲームにそんな重たい感情を持つのか、と不思議がられるかもしれません。
ですが私は大人になって、よりこのゲームのタイトルやゲーム内で語られない事の裏を妄想しては眉間に皺を刻んでいます。
空白の部分を考えるのも楽しいものです。


最後に

初代と2は別物だと思い知らされたゲームです。
大人になってヒントの少なさなどが気になりましたが(ワニとかワニとかワニとか)それは小学生の頃の自分の経験が解決してくれました。
とにかくなんでも片っ端から試す。
サバイバルキッズ2で学んだ、生食は危険、木と木の皮を合成で火を起こせるといった基礎知識から、意外なアイテムが意外なところで使える。だからなんでも試してみる。
その経験がなければおそらく積んでました。
2を知ったから初代を知った。
2のプレイ経験があるから初代をプレイできた。
おそらく私は初代からプレイしていたらクリアできずに匙を投げていたことでしょう。

私にとって学びのあるゲームです。


実はDSのサバイバルキッズもやってました

ほんのちょっとだけ『サバイバルキッズ ロストインブルー』もプレイしたことあります。
高校生くらいだったかな。
ゲームボーイの2D感覚のまま始め、画面タッチ操作に慣れず、火おこしのミニゲームがクリアできなくて火をおこせず……前作までとは内容がリアリティ溢れて苦戦しました。
船の沈没からの救命ボートで一緒に島に流れ着いたパートナーがまた……こう……難しくて、途中でDSを閉じて終わりました。


今だにゲームボーイ版の2つをプレイし続けてるウツくんです。

いいなと思ったら応援しよう!