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人を大切にするということ

組織で生きるためには、いわゆる「使えない人」と言われる人達と、どう向き合うのか。これはリーダーにしかできないチームビルディングの要になる考え方であると私は思っています。

やる気を失っている人や仕事に熱心になれない人が、自分なりのやりがいを見つけ出し、目の色を変えて仕事をするようになった時の活躍ぶりは、普通の人が0→10で成長するのと比べ、マイナス分のエネルギー量が足されるため、10+アルファの強いエネルギーをチームに還元してくれる内なるパワーを秘めています。私もそんな光景を目の前で何度も見てきました。

さらに、そういう人は、自分の力で動き始めたことで、チームの見る目が変わってきたことを敏感に察知します。内なるポテンシャルを秘めた「使えない人」は「使い方を知らない上司に置き去りにされた人」なのです。

一緒に見直してみませんか?
「使えない人」と揶揄する前に…。以下、格言です。


🔶孔子
「すべてのものには美があるが、すべての人がそれに気づくわけではない」

🔶アンディ・ウォーホル
「美はすべてのものに存在する。だが誰もがそれに気づくわけではない」

🔶ラルフ・ワルド・エマーソン
「美はそれを見る者の目の中にある」


人は、自分で成長する

人を育てる「人材育成」という言葉には、こちらが手を加えなければ成長しないような印象があります。

また、社会では「教育」という言葉で正当化されていますが、「上司は部下を正す責任がある」や「部下をコントロールする権利がある」といった考え方は、”部下は間違っている存在”という前提で行われてきた古きマネジメント手法だと考えています。

人は本来自分の力で学び、成長するものです。誰かが無理に変えようとしても、本質的な変化は起こりません。

大切なのは、その人が「自分で成長できる環境」にいるかどうか。それさえ整えば、人は自らの力で変わっていきます。

実際、私は、人を育てているつもりはありません。ただ、「誰にでも可能性がある」と信じて接しているだけで、あえて言うなら、その環境を整えているだけです。


「力を発揮できない人」はいない

「使えない」と言われる人達。でも、それは単に今の環境や役割が合っていないだけ。適切な場や役割を与えれば、人は必ず変わります。

これまでのやり方がしっくりこなかっただけで、別の方法なら驚くほどの力を発揮することもあります。大切なのは、相手を「固定された存在」として見るのではなく、「まだ可能性が開花していないだけ」と捉えることです。



居場所を見つけた瞬間、人は変わる

「なかなか結果が出せない」と言われていた人が、役割を与え、環境を整えただけである日突然、活躍し始めることがあります。それは、その人が「自分の居場所」を見つけた瞬間です。

「ここにいていいんだ」

そう思えたとき、人は本来の力を発揮し始めます。そして、一度自信を取り戻した人は、誰よりも努力し、成長していきます。

もしあなたの周りに「なかなか結果が出ない」と言われている人を見たら、こう考えてみてください。

「この人は、まだ自分の力を発揮できる場所を見つけていないだけ」と。

それに気づけるかどうかが、リーダーとしての真価だと思います。


育てるのではなく、信じる

リーダーの役割は、「育てる」ことではなく、「信じる」ことです。簡単に言うと「泳がせる」のです。プールの水を入れ替えてあげて、コースを整えてあげて、人とぶつからないようにルールを決める、といった感じです。

人が何に興味を持ち、どこで力を発揮し、どんなきっかけで変わるのか、それぞれ違います。だからこそ、無理に成長を促すのではなく、本人が自分のペースで変わっていける環境を作ることが大切です。

私のチームでも、これまでに、かつては評価されなかった人たちが、今では組織を支える存在になっています。でも、それは私が何かを教えたからではありません。ただ、彼らが自分で成長する花を開花させただけです。

人は、自分の力で育つ。だからこそ、信じて見守る。
これが、私の信念です。

種を蒔いて花が咲く瞬間までの逆転ストーリーを目の当たりにできることは、リーダーでしか立ち会えない部下からの素敵なプレゼントだと私は思います。では、今日も素敵な休日を。

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