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『三宅雪嶺人生訓』五

https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/933730/1/19

〇乾坤一擲
 ルビコンを渡り、悪漢と罵られ、狂人と嘲らるるも、ケーザルはルビコンを渡りて勝を得、而してケーザルたるを得たり。

『日本及日本人』、『三宅雪嶺人生訓』二~三頁

【現代語訳】
〇乾坤一擲
 ルビコン川を渡り、悪党と罵られ、狂人と嘲られるも、カエサルはルビコン川を渡って勝利を得、カエサルとしての地位を得たのである。

【語釈】
◇ルビコン…ルビコン川。共和政期ローマにおいて、属州ガリア(ガリア・キサルピナ。「アルプスのこちらのガリア」の意)とイタリアの境界になっていた川。ラベンナとアリミヌムの間を流れ、アドリア海に注ぐ細流。どの流れをルビコン川に比定するか、古来諸説紛々としていたが、現在ではフィウミチーノ川がルビコン川にあたるとみられている。紀元前49年1月、カエサルが、メナンドロスの詩句の一部「賽 (さい) は投げられた」(正確には「さいころは投げてしまおう」)と叫んで、乾坤一擲 (けんこんいってき) 、この国境の川を越える国法侵害のうえ、ポンペイウス一派との内乱に突入したことで有名である。(『日本大百科全書』)


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