木村石鹸のクラウドファンディングと愛され力の秘密
突然ですが、木村石鹸という会社をご存じでしょうか?
このnoteでは、石鹸に全くこだわりのなかった私が、木村石鹸のファンになった経緯と、クラウドファンディングから見る木村石鹸の愛され力について書いています。
創業100周年を迎えた大阪の老舗石鹸メーカー
noteを日頃からチェックしている方は木村石鹸のことを知っている方も多いと思います。木村石鹸は、1924年に創業した大阪の八尾にある老舗の石鹸メーカーです。1924年ということは、当たり前ですが、創業100周年続いている会社でそれだけでリスペクトです。
僕は木村石鹸のモノづくりの考え方、社長や社員さんの人柄など、すべてにおいて好きな会社です。
最近発売された木村社長の書籍の帯にはこんなことが書いてあります。
木村石鹸さんとの出会いは、今から遡ること約10年前、知人から木村さんと話が合うと思うよ~と木村社長を紹介いただいたのがご縁の始まりでした。
当時在籍していた会社でもある、IKEUCHI ORGANICはタオルメーカーだったので、当然ながらこれまで気にならなかった洗剤について、はじめて興味がわいてきます。
良いタオルでも、洗濯を重ねると、硬くなったり、色が変わってきたりして、課題感を持っていて、タオルの風合いがいつまでも続くような理想的な洗剤を探していました。
僕自身はずぼらなので、液体洗剤を入れて、えいっと洋服もタオルも一緒に洗っても、風合いの良さを保つことができる洗剤、そんなのあるのかなと思っていたらあったんです。それが木村石鹸のSOMALIとの出会いです。
IKEUCHI ORGANICの阿部社長が、洗濯好きというか、偏愛を超えた変態で、タオルの育て方をいつも語っていて陶酔を受けていましたが、この洗剤はいい、となったのがSOMALIです。こちらの洗濯偏愛のnoteでもおすすめ洗剤として紹介されています。
でも僕の中では洗剤を変えて、正しい洗濯をするだけで、こんなにタオルは気持ちよい状態でいつまでも使えるのかと衝撃を受けたのです。タオルソムリエの資格を持っているのに、当たり前のことに気づきました。
そんなこともあって、木村石鹸さんがつくるプロダクトは全幅の信頼を置くようになります。液体洗剤はもちろん、常備薬のように詰め替え用は常にストック。
今では液体洗剤だけでなく、お風呂掃除用のクリーナー、メガネクリーナーまでそろえています。
木村石鹸さんは、もともとはB to Bのメーカーでしたが、自社ブランドを立ち上げてからまだ10年経っていないのにも関わらず、SOMALIはもちろん、新規製品のシャンプーでも大ヒット。
シャンプー12/JU-NIの時にクラウドファンディングを活用して、洗剤という枠を超えたプロダクトを出した時から一気にブレイクした感があります。
クラウドファンディングで700人を超えるファンが購入するってなかなかないですから、すごいですよね。製品への圧倒的な信頼があってこそ。顧客がここまで信頼できるのは、もちろんそれ以外にもあって、たとえばSNS広告でも、あざとさをまったく感じさせず、ただただ誠実なんです。
Xでは公式のアカウントはもちろんですが、木村社長やほかの社員さんも、等身大で投稿をしていて、ぼくもよくいいねを押してしまいます。木村社長はよくお腹が緩んでる投稿をしてますけどそれも含めて好きです笑
売れないと思われていた固形石鹸が大人気商品に
そんな木村石鹸さんが、今度は固形石鹸のクラウドファンディングを始めました(現在は終了しています)。固形石鹸ってどんなイメージでしょうか?子どもの時は固形石鹸が当たり前のようにあって、でもここ最近は全く使わなくなったなあというのが正直な印象で、クラウドファンディング上手くいくかなあと少しだけ不安に思いました。
でも、木村さんの固形石鹸にかける思いを読めば読むほど、欲しくなってくるわけです。
こんなこと言われたら買わずにはいられません。自分が固定石鹸を買うなんて、夢にも思わなかったです。それくらい自分の身の回りにはイメージできない製品でした。
ですが、木村石鹸が製造するなら買うし、むしろ、固形石鹸でなくても、新しく出す製品なら、応援したい。そんな方が多かったのではないでしょうか。つまり、自分にベネフィットのある製品を買うかより、誰が作って売っているか?どんな工程で作っているかが重要視される時代になってきているのです。
特にここ数年は、SNSが発展していることもあり、見栄えが良いプロダクトだったり、やたらと写真がきれいな商品がたくさんあり、ぱっと見て見極めるのがとても難しくなってきています。
期待値のピークが写真をみたときなんてことも多々あるわけで、僕自身は実物を見るまで、信頼しないぞ、というくらい少し疑心暗鬼で特に新興ブランドのクラファンやSNSでの展開は斜に構えてみてしまう事があります。
木村石鹸さんの場合は、SOMALIで既に製品が好きなファンがたくさんいたこと、初回クラファンのシャンプーでさらに新しいファンが増えたことが前提としてあります。
通常のクラファンでは、打ち上げ花火的なピークを迎えると、それ以降はブランドとのコミュニケーションはなくなってしまいますが、特筆すべき点は、SNSやメルマガで、きちんと興味あるユーザーと顧客接点を持ち続けていたこと。これに尽きると思います。
クラファンに限らずですが、試しに木村石鹸さんのことを投稿してみると、公式はもちろん、社員さんや木村社長が全力でいいねや拡散をしてくれます。それにクラファンは終了するまでは頑張る会社は多いけど、終わってからXのアカウント名も変更して感謝を伝えていて、なかなかできることではありません。
だからこそ、今回の固形石鹸も、新製品を待ち望んでいたファンがたくさんいたと思いますし、むしろ盛り上がりを見て新しいお客様が買うことで、良い循環が生まれています。
今回のクラファンの購入者は前回を大幅に上回る1,000人を超えていますが、本当にすごいことだと思うのです。なぜなら、多くのクラファンが初回がピークで2,3回目になると、尻つぼみしてしまうから。
製品に満足して、さらにブランドとして着実に力をつけているからこそ、これだけ多くの人に広がっているのだと思います。個人的にも固形石鹸で早く顔を洗いたいし、10YCさんのTシャツを着るのも楽しみです。自社Tシャツ着るより先に木村石鹸Tシャツを着ることになっちゃった笑
愛される事をやろうといって、愛される奴はいない
今年の5月に木村石鹸さん、堀田カーペットさん、藤原印刷さんとローカルヒーローが集結した「愛されるブランドのつくりかた」という山梨で開催されたイベントで、印象的だった言葉があります。それは、愛される事をやろうといって、愛される奴はいないということ。
好かれるために、何かをするという姿勢だと、狙った感が出てしまうし、生活者は上辺だけのコミュニケーションはすぐに見破ってしまいます。そうではなく、自然体でありのままの姿を伝えていく。だからこそ、お客さんは安心して商品を買うことができるのです。
ではなぜ、お客さんに誠実でいられるかというと、もう圧倒的に社員の皆さんの人柄が良いからです。 詳しくは木村社長の書籍「ちいさな会社のおおらかな経営」を読むとわかりますが、印象的なのは、マネージャー陣で「木村石鹸をどんな会社にしたいのか?」というディスカッション。
思いつくまま、付箋を書いて貼ってもらって満場一致で良いね、となった言葉が「社員がいちばん自慢できる会社」。そこにいた全員がこれはいいね、となったそうです。「社員がいちばん自慢できる」商品を考えると、お客さんに不誠実なことはできません。
結局は商品をどう見せるか、伝えるかの前に、自分たちはどうありたいか?どんな行動をするのが望ましいのかを突き詰めることに尽きるなあと思います。
おまけのまとめ(ChatGPT編)
原稿を書いていて、chatGPTにどうして木村石鹸のクラウドファンディングは上手くいったの?と前提条件をいくつか出して聞いてみたら、とてもわかりやすい回答がきましたので、せっかくなので共有します。もしかしたら僕が今まで長くかいた文章はここに集約されてるかもしれないですね笑
1. 顧客との関係構築: 木村石鹸は、クラウドファンディングページやSNSを通じて顧客と積極的にコミュニケーションを図り、感謝のメッセージや応援コメントに丁寧に対応しています。これにより、ファンとの絆が強まり、リピーターを増やしています。
2. ストーリーテリング: 商品の製造過程や背景にあるストーリーを詳細に伝えることで、顧客の共感を得ています。
3. 即時性と限定性: 短期間での完売を繰り返すことで、商品の希少性と話題性を高めています。
木村石鹸のクラウドファンディングの成功は、ブランドの信頼と顧客との強い絆、そして商品の背景に共感を得られるストーリーテリングが鍵となっています。この取り組みは、ただの商品販売にとどまらず、顧客と企業が一体となる体験を提供しています。
さあさあ、木村石鹸のことが気になったら、まずはホームページへ!100周年を機にリニューアルしたホームページも、会社のカラー(人柄)が出ていてとても素敵です!まだまだ書きたいところですが、今回はこの辺で。
https://twitter.com/MUTAGU/status/1789582661683679365
木村石鹸と、私が所属するOSIROのカルチャーはとても似ているし、雑談を大切にしていたり、採用時に人柄を重視していたりと共通点が多いです。そんなところにも私は惹かれているのかもしれません。