心理職地方公務員のススメ 第1章「公務員の利点」1節~就職後の院進~
こんにちは、むーとです。
最近ふと夜空を見上げると、冬の大三角とオリオン座が見えるようになる季節になりました。
将来心理カウンセラーになりたい人、心理学部の人、またはそうしたお子様を持つ保護者の方にお伝えしたい内容を書いていきます。
浅学な上長いため、読んでいただき心理職に興味を持っていただけると幸いです。
はじめに~前回記事紹介~
当記事は前回投稿した、「心理職地方公務員のススメ」記事の続きのような記事になります。よろしければそちらの記事をお読みになってから当記事を読んでいただけるとより内容を理解しやすいかと思います。
↓記事はこちら↓
今章のテーマ「公務員の利点」
前回は、①待遇が良いから②試験を公認心理師や臨床心理士なしでも受けられるから(自治体による)③大学院試験が難しいから(大学による)の3つの理由から心理系大学院を受ける際にサブプランとして心理職地方公務員試験を受けることをお勧めする記事を投稿しました。
今章では、前回に引き続き、この「公務員の利点」について、理由と詳細を踏まえてご紹介する章になります。
今回は、この①公務員は待遇がいいからという理由について少し深堀しつつ話していきたいと思います。
公務員の待遇の良さ
公務員の待遇がいいといえるポイントとして、私の独断と偏見ですが3つのポイントがあると思っています。
①自己啓発等休業制度がある
②給料と福利厚生がいい
③雇用が安定している
です。順に説明していきたいと思います。
①自己啓発等休業制度がある
多くの心理系大学院は平日昼間に実習や授業、カンファレンスが多くあり、正社員や正規職員として働きながら履修することは困難を極めます。そのため、学部卒業後に公務員の正規職員として採用されたとしても、研究や資格、臨床力の向上のために大学院に行きたくなったとしたら、どうすればよいでしょうか。一度退職するのは、非常にリスキーな選択になると思います。そんな時に役に立つのが「自己啓発等休業制度」です。
おそらく、この記事を読んでいる方で知り合いや身内に公務員の方がいなければ、「自己啓発等休業制度とはなんだ?」となっていると思います。
「自己啓発等休業制度」とは、公務員に認められている制度の一つで、自治体によって詳細が異なることがありますが、おおむね下記の通りの内容の制度となっております。
詳細は各自治体によって細かく定められていることが多いため、各自治体の就職窓口などに相談してみるのが良いと思います。
この「自己啓発等休業制度」によって、公務員を退職することなく、公務員としての身分を保有したまま大学院に通うことができます。
当制度の詳細な概要は、例として人事院が公開しているPDFを参照させていただきます。
↓人事院公開のPDF↓
https://www.jinji.go.jp/jikokeihatu/jikokeihatugaiyou.pdf
引用元:人事院(2007) 自己啓発等休業制度の概要
この概要書を基に、ざっくりとメリットとデメリットについてまとめていきます。
メリット
1.大学院なら2~3年、海外ボランティアや青年海外協力隊など国際貢献活動なら3年の休職が可能
2.休職中は身分は維持、バイトはOK(自治体によっては要相談)
3.復帰後は他の職員と比べて低すぎれば昇給があるかもしれない
デメリット
1.最低数年は働いてからじゃないと休職できない
2.働いている間の勤務成績、修学や活動の内容等が考慮され、その上公務の運営に支障が出ない場合に承認される→不承認の可能性もある
3.退職手当の在職期間の取り扱いが休職期間分減る
4.休職中は仕事もないが給料も一切ない
以上のようなメリットとデメリットがあります。デメリットとして一番大きいものは4番になると思います。これまでにあった仕事と収入が修士なら2年間(博士なら3年間)途絶えることになり、学費等の支出が増えることもあるため、休職前に貯金を蓄える、休職中のアルバイトや非常勤、奨学金などの準備が必要になるかと思われます。
しかし、それ以外のデメリットは大したものではないそうで、2番に関しては貢献能力というよりも勤務態度を真面目にこなせば問題なく休職できる上、3番に関しても修学内容が活動内容が公務の効率的な運営に資するものであれば休職期間の半分は在職期間として取り扱われる可能性があるため、あとは大学院に行く前に誠実に公務員として働くことができるかが重要になってきそうです。
また、心理系大学院は修了直前まで就職先が決まらないことも多いらしく、大学院の修学中は本来就職活動と臨床心理士や公認心理師の資格勉強、修士論文の実験または調査と執筆、普段の授業や実習やゼミを同時にこなす必要がありますが、この制度のおかげで公務員としての復帰先があるため、就職活動に割くはずだったリソースをほかに割くことができ、より集中することができると考えられます。
以上から、公務員ならではの「自己啓発等休業制度」は心理職公務員の待遇の良さを示すものであり、お勧めするポイントの一つであると考えています。
②給料と福利厚生がいい
多くの人がご存じかもしれませんが、公務員は安定した給料と豊富な福利厚生が目玉となっています。
まず、給料が民間企業と比較して高水準となっています。
下記のサイトを参考にして調べてみました。
このように、地方公務員の給料は国家公務員ほどではないとはいえ、民間企業の給料よりも多い水準で与えられていることが分かります。
無論、民間企業は非常に玉石混交であり、様々な企業があるため、地方公務員の給与水準を大きく上回る企業も多くあります(大手証券会社やメガバンク、コンサル企業などは上回るかと思います)。
また、公務員の良さは給料の良さだけでなく、育児休暇、出産休暇、上記の休業制度、その他自治体によってさまざまな制度があります。自治体によって変わることがあるため、自治体ごとにリサーチが必要になります。
また、非公務員心理職の多くは、非常勤であることが多く、福利厚生が少ない職種であると言えます。近年待遇改善が進み、非常勤でもいくつかの福利厚生が用意されるなど進歩してきてはいますが、公務員や一般企業と比べるとまだまだ改善の余地があるレベルで福利厚生は少ないです。
おまけ程度のものですが、公務員は高い給与と安定した雇用があるため、クレジットカードやキャッシングやローンの申請が比較的容易に通るそうです。これも人によっては公務員になるメリットかもしれません。
以上から、公務員ならではの「給料の高さと福利厚生の豊富さ」は心理職公務員の待遇の良さを示すものであり、お勧めするポイントの一つであると考えています。
③雇用が安定している
一番大きいです。公務員で解雇される要因として考えられるものは、
①犯罪など公務員として相応しくない振る舞いをした
くらいです。
企業であればリストラ、倒産などの可能性がありますが、公務員であれば自治体や国が革命や災害、戦争などで崩壊しない限りはリストラや倒産の可能性は低いです。ほぼ0です。
つまり、自分自身が大きな過失や法律違反などがなければ懲戒免職処分を受ける可能性は低く、十分定年退職まで働き続け安定した生活を送ることができる可能性が高いです。
非公務員心理職の多くは、非常勤であることが多く、定期的な再契約が必要であるなど、常に安定して仕事と収入が得られるとは限りません。特に、スクールカウンセラーなどは非常勤であることが多く、高い時給や日給が得られる反面、必ずしも定年退職まで働き続けられる保証はありません。
そうした点では、公務員心理職は心理職でも数少ない安定した雇用がある仕事であるといえるでしょう。
雇用が安定している代償として副業などはできませんが、転職の自由も公務員であればある程度利く他、上記の制度を利用して大学院に進学した後に専門性を向上させ、研究職や一般企業就職、スクールカウンセラーや病院の心理職などといった多様な転職先に挑戦することもできます。
以上から、公務員ならではの「雇用が安定していること」は心理職公務員の待遇の良さを示すものであり、お勧めするポイントの一つであると考えています。
おわりに
以上かなり長々と話しましたが、心理職の中でも、特に公務員は待遇がいい職業であることをご理解いただけたかと思います。
重要なポイントとして、公務員は年齢制限があります。社会人経験者採用もありますが、枠としては非常に少なく合格は困難な可能性が高いです。多くの自治体が30代を制限としていることが多いため、心理カウンセラーを目指す院生や学部生、高校生の皆さんには是非とも一考の余地がある職業かと思います。
ここまで閲覧していただき、ありがとうございました。
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