欲しい感情
知り合いの恋愛話。
多分、ついついあまり聞きすぎちゃいけないところまで聞いてしまうのかもしれない。
先日、知り合いに恋人ができたという話を聞き、ついつい色々聞いてしまった。
気分を害するようなことは聞いてないんだと思うけど、割と長々と。
「そちらはどうなんですか」と聞かれて、たじろいでしまった。
そういえば、私のこの感情はあまり理解されないもんだったかもなぁと思いだす。
おそらく、私は人を好きになりたい。
いや、人は好きなんだけど、所謂通常の恋愛感情とは少し違うのだろう。
でも、普通の恋愛感情というものを私は知りたい。
知的好奇心でついつい色々と聞いてしまった。
彼らに興味がある、というよりその感情に興味がある。
それだけ。
そういう話を聞いている時に、人は「そちらはどうなんですか」と聞くくらい普通の感情でしかないことを思い出して反省、少し凹む。
やっぱり人を好きにならないのは何か欠陥なんじゃないかと落ち込む。
好きな人はいるけど、それは多分恋愛感情とは少し違くて、それでも私は人を好きになれたんだなんて少しだけ自信を持ったけど、それでもまだまだ人には遠い。
そんな感覚。
「そちらはどうなんですか」と聞いた相手に対して、一瞬『そういう感情が沸かない人もいるんだ』と言ってやろうかとも思ったが、そういうのは空気も壊すし、逆に変に気を使われたりしてそういう話をしなくなってしまうのも私は嫌だったので、あえて笑って「どうもしないですよ」と答えるのが精一杯だった。
それに、理解できないこともない。
何かを食べて、美味しいとか不味いとかそういう感情を持った時、一緒に食べていた人が「どう思います?」って色々聞いてきたら、最終的に私も「そちらはどうですか?」なんて簡単に聞いてしまうだろう。
相手が味覚のない人かもしれないなんて考えない。
そんな感覚なんだろう。
別にそういうことをいちいち考えてほしいとも思わない。
そういうことをいちいち考えると、結局コンプライアンスだなんだと騒いで色々なことを禁止しようとする人たちのようになってしまう。
それは全く面白くない。
面白い世界にいるためには、多少何か躓きがあることの方が絶対良いのだ。
本当に躓いて完全に転んだ時、「おいおい、転んでしまったよ」と周りに伝えれば良いのだ。
そうして助けてもらえば良い。
まだまだ私は面白い世界にいるぞ。