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2025年 USPTO (米国特許商標庁)手数料改定について

2025年度に向けて、米国特許商標庁(USPTO)は特許および商標に関する手数料の改定を、1月19日に実施しました。本記事では、特に大きな変更がある手数料について詳しく解説します。


1. 特許関連の手数料改定

継続性出願の手数料

優先日から一定期間を経過した継続性出願に対する手数料が新設されます。

  • 5年以上経過した出願: $2,200

  • 8年以上経過した出願: $3,500

これは今までになかった費用です。もし、可能であれば、現在の優先日から5年以内、および、8年以内の米国出願の継続出願に対する決断を早急に検討する必要があります。

継続審査請求(RCE)の手数料

継続審査請求(RCE)についても、回数に応じた値上げが行われます。特に、 3回目までなると、日本円で50万円を超える費用が発生してしまいます。

請求回数 現行手数料 改定後手数料

RCE 庁費用

医薬品等関連の特許期間延長

医薬品特許などの期間延長出願料が大幅に増額されます。多くの出願人は、あまり影響ないかもしれませんが、かなり高額な改定後の手数料になります。

  • 現行手数料: $1,180

  • 改定後手数料: $6,700(約5.7倍)

ターミナルディスクレーマー

今まで便利に使っていた、ターミナルディスクレーマーの手数料が、審査の進行段階ごとに大幅に引き上げられます。米国では自明型の二重特許について、特許期間を調整することで拒絶査定を回避可能ですが、規則改正により、先願の特許がPTABや裁判所で無効と判断された場合、ターミナルが付いた後願の特許権も行使不可とすることになります。

現行手数料 改定後手数料

ターミナルディスクレーマー庁費用。

PTAB関連の手数料

特許審判部(PTAB)に関連する手数料も引き上げられます。

現行手数料 改定後手数料

無効審判庁費用。

デザイン特許関連の手数料

デザイン特許に関する出願手数料が大幅に増加します。

現行手数料 改定後手数料

意匠出願庁費用。

2. 商標関連の手数料改定

商標出願時の手数料

TEAS StandardおよびTEAS Plusの区分が廃止され、新たな電子出願手数料が導入されます。

現行手数料 改定後手数料

商標出願庁費用。

商標権の更新手数料

商標の権利更新時の手数料も値上げされます。

現行手数料 改定後手数料

商標更新庁費用。

その他の手数料

第三者が審査段階で情報を提供する際の手数料が大幅に増額されます。

現行手数料 改定後手数料

情報提供庁費用。

3. まとめ

2025年のUSPTO手数料改定は、多くの特許および商標関連の手続に影響を及ぼします。特に、継続審査請求(RCE)、医薬品特許期間延長、PTAB関連の手数料、デザイン特許手数料の大幅な増額が注目されます。

企業や個人発明家は、これらの手数料改定を踏まえた戦略的な出願計画を立てることが重要になります。特に、特許出願のタイミングや継続審査の必要性を慎重に判断することが、コスト最適化の鍵となります

今後の出願や手続きの計画に影響がある場合は、知財専門家と相談の上、早めの対応を検討することをおすすめします。

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